【無料記事】読売VS朝日「ナベツネVS渡辺雅隆」年始スピーチの〝勝敗〟

asahi2017-03-07 14.14.35

 大手新聞社トップが年頭に何を語るか。その年を占う上で例年、大手紙トップの挨拶は注目されるが、中でも『読売新聞グループ』のドンとして君臨し続ける『ナベツネ』こと渡邉恒雄・代表取締役主筆は、90歳とは思えぬ怪気炎を今年も賀詞交歓会でぶち上げた。

 ナベツネ氏の話の中で話題を呼んだのは、ライバル紙である『朝日新聞』の元日から始まった年始連載を取り上げ、猛烈に批判したことだった。

 その発言内容を抜粋してみよう。

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【写真】朝日新聞公式サイト『会社案内』より
http://www.asahi.com/corporate/?iref=comtop_footer
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「朝日の新連載が始まりまして、タイトルは『われわれはどこから来て、どこへ向かうのか』、副題は『成長信仰』、見出しは『経済成長、永遠なのか』……。簡単に言うと、低成長を容認しろ、ということです」

などと、朝日新聞が打ち出した「成長否定論」を指弾したうえで、朝日の別の日の国際面の特集に話を転じた。

 その日の特集では、経済の低成長が格差拡大を招き、政治への不信が高まり、欧州危機を招いた――という「成長肯定論」であり、先の新連載とは真逆の論調になっていた。ナベツネ氏はこれを指摘し、「どうも全体が一貫していないなあという気がします」と一刀両断にした。

 さらにナベツネ氏は、国際情勢、社会構造からデータを駆使して独自の鋭い分析を開陳し、「僕が朝日新聞の低成長容認論に反論するのは、成長をあきらめていたら日本は第4次産業革命に乗り遅れていく。『成長いらん』と言ったら、どうなるのか」と激しい口調で朝日を批判したのだ。

 それでは、ナベツネ氏に〝あてこすられた〟朝日新聞の渡辺雅隆社長(57)は、年頭に何を語ったのか。

 渡辺社長は、新聞事業以外の新規事業計画を詳細に述べ、有力投資ファンドから『社長室戦略チーム』に社長補佐として2人の人材を迎え入れたことを明らかにした。

 そして資産活用や企業買収の可能性に言及。「成長事業の創出は最優先課題です。目標の達成に徹底的にこだわっていきたいと思います」と、高らかに「成長促進」を宣言していた。

 自らの企業の成長にはあくなき「追求」を主張し、新聞購読者には「低成長もやむなし」と主張する姿には、ナベツネ氏ならずとも、業界筋からは「さすがに朝日新聞の伝統〝ダブルスタンダード〟は今年も健在ですね」と揶揄されている。

 一方、経済界からは朝日新聞に対し、こんな声が出ているのだ。

「低成長を容認する紙面をつくるのなら、広告出稿やイベントの協賛などのしつこい営業もやめてもらいたいものです」

(無料記事・了)