【無料記事】衆院選挙制度「0増6減」から「9増15減」まで「各派閥・野党影響リスト」「落選危険議員一覧」全公開

senkyo2016-02-29 21.58.21

 衆院の定数削減で落選するのは「未成年男性売春疑惑」の武藤貴也、小沢一郎、馬淵澄夫、松野頼久、そして安倍首相の弟である岸信夫の各氏──。
 こんな予測記事が報じられそうで報じられないのは区割りなど、まだまだシミュレーションするには未知数な点が多いためだろう。
 確認しておくと現在、衆院における一票の格差を是正するために提案されている定数削減案は、以下の3つになる。

①0増6減=自民党主張
 ・有識者調査会の答申である「アダムズ方式=より正確な人口比例」を見送り
 ・2015年の簡易国政調査に基づく
 ・定数増の選挙区は0
 ・減るのは青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で、それぞれ1⇒6減

②7増13減=調査会答申=民主、維新、おおさか維新、改革結集、生活、日本のこころ、新党改革が賛成
 ・アダムズ方式を採用
 ・2010年の国政調査に基づく
 ・定数増は東京3、埼玉、千葉、神奈川、愛知が、それぞれ1⇒7増
 ・定数減は「6減」に加え、宮城、新潟、滋賀、広島、愛媛、長崎、沖縄の7県でそれぞれ1⇒13減

③9増15減=公明党
 ・アダムズ方式を採用
 ・2015年の簡易国政調査に基づく
 ・定数増は東京4、神奈川2、埼玉、千葉、愛知がそれぞれ1⇒9増
 ・定数減は「13減」に加え、福島、山口の2県でそれぞれ1⇒15減

 しかしながら、理屈は頭で理解することができても、心というか、それこそ腹で理解する、腹に落ちるという気にならないのは、どうしてだろうか。
 ひょっとすると、「議員」の顔が見えてこないからではないか──そうお考えの方がおられるのだとしたら、この記事も少しは、お役に立つかもしれない。
 この記事は増える方については全く記載していない。減る方について、以下の3点

A 定数減になる可能性のある選挙区における全議員のリスト
B 自民党の場合は派閥、その他の党の場合は、政党名をカウント
C 各議員の2014年衆院選における得票率を元に順位を作成

 が書かれている。
 Aは文字通り「関係者」の全リストとなる。「6減」組ならば、〝リストラ〟は不可避だとして真っ青の議員がいるかもしれない。逆にチャンスだと勇躍する者、自分には関係がないと余裕綽々の者──。
 冒頭に記した「武藤貴也、小沢一郎、馬淵澄夫、松野頼久、岸信夫」の各氏の名前は、確かにリストに入っている。それぞれが、どんな境遇・判断を持っているのか、想像しながら拝読頂ければ、私どもも嬉しい。

 Bは、もっと組織的な影響を見たいと調べてみた。
 はっきり言えば、「減」は「一票の格差」を解消するためのものであるから、舞台は地方、有り体に言えば〝田舎〟の選挙区が多いことが予想される。
 となると定数減は自民党の支持地域に大きな影響を与えるわけだが、それが派閥ベースにまで届くのかということを検証してみた。
 答えは、ぜひ記事をお読み頂きたい。
 焦点としては、自民党の最大派閥・細田派だろう。参加議員は衆院で約60人とされるが、現首相である安倍晋三氏も所属している。
 その細田博之幹事長代行は例えば2月11日に松江市内で講演を行い、人口比を反映するアダムズ方式に否定的な見解を示したと報じられている。
 理由として細田幹事長代行は「血の通わない結果になる。地方の思いを実現する政治は何かという見方で問題を解決する方法を考えていかなければいけない」と述べたというが、果たしてそれは本音なのだろうか。
 いや、実際にそう考えているのだとしても、自身が率いる派閥に、定数減はどのような影響を与えるのかも、細田幹事長代行は知り抜いて発言している。それがどのような結果になっているのかを調べてみたわけだ。
 自民党以外の政党では、やはり公明党が焦点だろう。なぜ自民党と同じ与党でありながら、「9増15減」という最も〝原理主義的〟な改革案を提示するのだろうか。
 一部には「議論を混乱させることで時間切れを狙い、その結果、与党自公を有利にしようと画策している」という穿った見方も流れているが、やはり公明党も自身の足下を固めて「優等生」の発言をしているのは間違いない。公明党は共産党と並ぶ都市型政党の〝老舗〟だが、彼らに定数削減はどのような影響を与えるのかも調べている。
 
 最後にCだが、プロの目から見れば、使い物にならないランキングだろう。
 該当する県で、それぞれの得票率順に当選議員を並べてみた。例えば青森県なら現職の国会議員は5人となり、定数は4から3に削減される。
 リストでは5─3=2として、下位の2人を赤字とした。もちろん、この2人が落選議員と断言することは絶対に不可能だ。
 何よりも実際に削減されれば区割りが変わる。有権者数からして違うのだ。おまけに選挙となっても、投票率やら各政党への風向きやらが異なる。立候補者の顔ぶれも新人なら前回と違って当然だ。現職でも所属政党が変わった者もいる。
 とはいえ、このランキングから「選挙が上手いか、下手か」を推測することはできるだろう。当然ながら1位の議員は、それほど悲観していないに違いない。下位でも自信のある者もいるだろうが、逆の者となると……。

 意外と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、自民党寄りとのイメージが強い読売新聞も「②7増13減」を社説で支持している。そのことを私たちも記事にした。
『【無料・連載記事】第21回 きのうの1面 2月23日(火)の一般紙から』
http://www.yellow-journal.jp/yestarday/yj-00000086/
 
 議員・政党の思惑を想像して頂きながら、以下の選挙区リストから見て頂こう。

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【購読記事の文字数】約6800字
【写真】自民党の細田博之幹事長代行(同氏の公式サイトより)
http://h-hosoda.jp/index.html
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