【連載】花田歳彦の『ニッポン・ドラッグ・ヒストリー』第5回・〝シャブ〟を扱う美貌の女売人「リコ」の一生

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 もう時効を迎えているから話せることもある──。

 本連載は、それぞれの時代における薬物のホットスポットと、その蔓延のかたちの変容を掘り起こすことを軸に続けてきたが、今回はリーマンショック前の六本木における話について記してみたい。
 時期は六本木に薬物が蔓延した2005年前後のことだ。
 この街には、伝説の有名女売人が存在していた。売人といえば、普通は男性を想像するだろうが、美貌を誇る女性が覚醒剤の密売にいそしみ、名をも〝売って〟いたわけだ。
 彼女の名前を仮にリコとしよう。
 その経歴は華やかだ。
 有名女子大の在学中から様々なミスコンに入賞し、大学を卒業後は某大手航空会社のCAになった。その美貌と経歴に、六本木で遊んでいた人間には彼女に夢中にさせられた者がかなり多い。
 今でもネットではある名前とキーワードを入れれば、かなりの数の項目がヒットする、  そのくらいの伝説の女売人であったのだ。

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【写真】安息香酸の結晶(ウィキペディアより)
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