【完全無料記事】第114回きのうの1面〈参院選告示〉6月22日(水)の一般紙から

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 6月22日(水)朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①最前線! おしゃれレイングッズ
・②ほめて伸ばす! 子どもの発達障害
  子育てにも役立つ注目トレーニング法

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・女性死亡 包丁男が買い物客襲う 緊迫映像…店内で何が
・取材中に豪雨と地震 熊本被災地で被害拡大
・15㌔金塊を質屋へ…盗んだ男は造幣局職員
・海外セレブ続々実践 グルテンフリーって?

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・大型スーパーに刃物男 買い物時…女性ばかり4人死傷
・1億円リオ視察〜都議ら「白紙」が相次ぐ
・東京近郊でクマ度々目撃!! 対策は

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・知事去ってまた一難…リオ五輪視察に1億? 都議の実態を緊急検証
・毎晩クマ出没の現場 恐怖の瞬間を密着取材
・新田理恵家族の支え

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・360度アジサイ公園 都内ベスト3!!
 超穴場350㍍アジサイ小径 
 名勝百選公園に花ショウブとコラボも

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①悲鳴…大型モールに刃物男が通り魔? 女性4人殺傷 売り場は〝パニック〟
・②〝舛添騒動〟その後 都議のリオ視察1億円 またも〝高額出張〟?

 では新聞はどうだったのか。2016年6月22日付(水曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「党首討論 アベノミクスで応酬 首相「継続」 野党「転換」 参院選きょう告示 立候補予定390人 国政初「18歳選挙」」
▽朝日新聞(約710万部)
「改憲・経済 9党首討論 首相、選挙後「憲法審通じ 2/3勢力」 きょう参院選公示」
▽毎日新聞(約329万部)
「首相「成果出してきた」 野党「政策転換必要だ」 党首 アベノミクス論戦 参院選きょう告示」
▽日経新聞(約275万部)
「「後継」アローラ氏退任 ソフトバンク 孫子、禅譲撤回 社長交代時期 認識ずれ」
▽産経新聞(約161万部)
「アベノミクス是か非か 2016参院選 きょう酷似 問われる民共合作の憲法観 志位氏「自衛隊は違憲。必要時には活用する」」
▽東京新聞(約51万部)
「参院選きょう公示 アベノミクス論戦 与党 雇用増 成果強調 野党 格差拡大と批判」

 参院選が5紙で共通トップとなり、日経ブロックが発動された。ちなみに前の日経ブロックは6月14日の紙面で、舛添前都知事が辞任する前日の新聞だった。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(参院選)

「年齢も境遇もさまざまの人々に語りかける仕事が世間にはある。作詞家がそうだろう。不特定多数の誰に向かって語りかけるか、がむずかしいところである」
「政策そっちのけの醜い足の引っ張り合いはご免である。藤田さんの『傷だらけの人生』(歌・鶴田浩二)を借りるならば、♪ 右を向いても左を見ても/ばかと阿呆のからみあい…。有権者にそんな印象を持たれては〝良識の府〟が泣く」

▽朝日・天声人語
(水害)

「自然の無情さに、怒りをおぼえる。地震の被害を受けて2カ月余りの熊本を、豪雨がおそった。住宅に土砂が流れ込むなどして、6人が命を落とした。地震のときと同じように孤立状態に陥った地区もある」
「20世紀前半に活躍したチェコの作家チャペックは、町の人々が雨を待つ姿を書いた。誰もが体内に「なにか、先祖伝来の農民の血が流れているようだ」(「園芸家の一年」飯島周訳)と。雨の大切さは変わらないが、現代の日本ではそれほど牧歌的に語れないかもしれない。九州ではきょうも、大雨のおそれがあるという。備えを警戒を、怠るまい」

▽毎日・余録
(参院選)
(http://mainichi.jp/articles/20160622/ddm/001/070/160000c)

「議案に賛成の者は「もっとも、もっとも」、反対の者は「この条、いわれなし」と声を上げ、その声の大きさで事を決めたという。いや平安時代の話で、場所は比叡山、寺の大事に臨んでの僧徒数千人の集会での多数決のとり方だった▲こんな話をするのも、日本で多数決や選挙で物事を決める慣行を最初に定着させたのが各地の大寺院だったからだ(利光三津夫ほか著「満場一致と多数決」)。僧徒数が少ない時は、紙に記された賛否の表題や候補者名の上に点などの印をつける形で投票が行われた▲点などによる投票を書き入れていく紙は「合点状」と呼ばれた。そう、今は承知するという意味となった「合点」である。「がってん承知」は日本の民主的意思決定の原点だったらしい。今や日本中で書き入れられる「点」を合わせて決められるこの国の未来である▲来月10日の投開票にむけて第24回参院選が始まる。すでに安倍晋三首相が「新しい判断」を理由に消費増税再延期を表明したことで火ぶたを切った選挙戦である。増税延期の「信」を問うという選挙は前にもあったが、その後を知る有権者の反応は当時と同じだろうか▲野党は、民進、共産、社民、生活が1人区で候補を統一する共闘態勢を組んだ。こちらは改憲派が憲法改正の発議に必要な議席の3分の2を占めるのを阻止するのだとして憲法問題の争点化を図る。候補者選びの基準となる争点も自分で見定めるのが今の選挙である▲18、19歳の有権者を迎える初の国政選挙だ。釈然とせぬ点、だまされていまいかと思う点は合点のいくまで問いただした上で投じたい1点、いや1票である」

▽日経・春秋
(中国では「被」の意味が変わりつつある)
(http://www.nikkei.com/article/DGXKZO03907700S6A620C1MM8000/)

「「被」という漢字には「~される」といった受け身の意味がある。何をいまさら、とおっしゃる方も多かろう。では、発祥の地である中国で近年、微妙なニュアンスを帯びるようになったのは、ご存じだろうか。「本当は違うのに、したことにされる」。そんな含みだ。
▼たとえば「被失踪」。天安門事件が起きた6月4日の前後など共産党政権が神経をとがらせる時期に、当局は民主活動家や人権活動家を地方に連れ出したり外部と連絡できなくしたりする。そんなとき、ネット空間では「失踪したことにされた」との表現が飛び交う。だいたい数日のうちにもとに戻るが長引くこともある。
▼先ごろ東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相たちは、南シナ海での中国の動きを批判する声明を発表した。ところが、わずか数時間後には撤回に追い込まれた。親中的なカンボジアなどが強硬に撤回を主張したためだとみられるが、結果として、中国に批判的な声明は「最初からなかったことにされた」といえようか。
▼中国の国内だけでなく、外交の面でも「被」という漢字が存在感を発揮し始めたような印象を受ける。オランダにある常設仲裁裁判所は近く、南シナ海をめぐる中国の主張について判断を示す見通しだ。結果はどうあれ受け入れないと、中国は表明している。仲裁裁判所の判断までも「なかったことにされる」のだろうか」

▽産経・産経抄
(参院選と中国の民主化)
(http://www.sankei.com/column/news/160622/clm1606220002-n1.html)

「1972年9月、日中国交正常化のために訪中していた田中角栄首相の一行はある夜、毛沢東主席の家に案内される。「(周恩来首相との)喧嘩は済みましたか」。会見は、毛主席が日中首脳会談を「喧嘩」に例える有名な言葉で始まった。
 ▼2人の間で、こんなやりとりもあった。毛「日本には選挙があって大変ですね」田中「25年間に11回選挙をしました。街頭演説もやらなければなりません」(『田中角栄と毛沢東』青木直人著)。
 ▼確かに共産党一党独裁の下、指導者は選挙の結果や世論調査の動向に一喜一憂する必要はない。そんな中国で広東省の烏坎村は、「普通選挙の村」として有名である。かつてこの村では、幹部による公有地の不正売却が発覚し、暴動が起きた。地元当局は4年前、特例として村民の直接投票による村長選挙を認めた。選ばれたのが林祖恋氏である。
 ▼もっとも「烏坎に続け」と各地で住民が立ち上がると、ことごとく鎮圧された。烏坎村でもまだ土地問題は解決していない。林氏が当局に抗議する村民集会を計画したところ、治安当局に連行されてしまった。現地では、反発する村民と当局の対立が続いているようだ。▼「一国二制度」の下で高度な自治が保障されているはずの香港に対しても、習近平政権は、圧力を強めている。来年の香港行政長官選挙について、2014年に中国政府が打ち出したのは、民主派を事実上排除する、名ばかりの「普通選挙」だった。これが、「雨傘運動」と呼ばれた街頭占拠デモの発端である。
 ▼第24回参院選が今日、公示される。18歳と19歳が有権者となる、初めての国政選挙である。世界を見渡せば、投票に行きたくても行けない若者がいる。まずそれを肝に銘じてほしい」

▽東京・筆洗
(参院選)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016062202000133.html)

「<頭巾屋は、ガイウス・ユリウス・ポリュビウスを二人委員に推薦します>。イタリア・ポンペイ遺跡で発見された「選挙広告の書かれた壁面」の中にある宣伝文句である▼「ポンペイの壁画展」(本紙主催、七月三日まで)で知った。描かれたのは紀元後五〇年から七九年の間で、ポンペイの最高公職者「二人委員」を決める選挙用の広告だそうだ▼参院選の公示日である。選挙権年齢が十八歳以上となって初の国政選挙である。気になるのは新たに選挙に加わる若者たちの投票率である▼最新の意識調査によれば、十八、十九歳有権者で投票に「必ず行く」「行くつもりだ」は56%。高いといえば、高いのだが、お初の選挙であることを考えれば、高揚感のある数字とも思えぬ。この手の調査には自分を良く見せたいと回答する傾向もあろう。疑り深い小欄の杞憂ならばよいが、実際はもっと低いかもしれぬ▼若者に、関心を持てとか一票の大切さを一方的に説く気はないが、選挙はおもしろいとお薦めしたい▼選挙用ポスターの掲示板を見ていただきたい。いろいろな顔をした人がいる。主張は違っても、どなたも真剣で、この国を少しでも良くしたいと願い、意見をぶつけ合う。訴える。中には叫び、怒り、泣く人もいる。選挙はむき出しの人間の闘い。おそらく、あの古代ローマの頭巾屋も。選挙に興味が湧いてこないか」

 朝日と日経以外が参院選で競作となった。どれも悪い意味で新聞らしい。手堅すぎて面白くないが、東京新聞は19、18歳有権者の低投票率を懸念しているが、それは全体に敷衍されるような気がして仕方がない。史上最低は1995(平成7)年の44.52%だが、上回ってもおかしくないはずだ。

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【写真】6月21日に日本記者クラブで開かれた9党党首討論会(日本記者クラブ公式サイトより)
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