無料連載『不惑のインターネット・関係者インタビュー』①西村博之氏・第5回

2017-07-05 21.13.10

 西村博之氏を迎え、花田庚彦、本堂まさや両氏がインタビューを行う「ネット・ブラック鼎談」の第5回は、西村氏の「ドケチ」とは全く異なる「金の必要ない生き方」について語る。

◇第4回記事(リンク)
http://www.yellow-journal.jp/series/yj-00000513/
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【写真】アマゾンフランスのトップページ
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編集部(以下、編) 知人にフランスかぶれがいるのですが、「パリほど安い値段で1日楽しめる街はない」と力説するんです。西村さんがパリに住んでいることと、西村さんが大切にしておられる「ヒマつぶし」が繋がったような気がしたんですが?

西村博之氏(以下、西村) でも、ずっと家にいるだけですから、住んでいると東京でもフランスでもあまり変わらないです(笑)

編 それでフランス語を覚えられるものですか?

西村 まあ、何とかなりますよ。覚える気になるのです。

編 覚える気になる、とは?

西村 スーパーで買い物をしたときにも一応話をしますから、覚えざるを得ないでしょう。そういうモチベーションが東京にいると一切ないですから。

編 たとえパリの自宅で1日中ネットやテレビを見ていたとしても、いつか買い物をしに外出しなければいけない、ということですか?

西村 自宅でネット通販を使おうと思っても、フランス語のサイトを見るようになるでしょう? Amazon.frを閲覧するうちに、「加湿器」という単語を覚えたりするわけです。

編 自宅に和仏辞典は必携ですね。

西村 ネットで調べますよ。紙の辞書は不便ですからね。

編 面白いですね。

花田庚彦氏(以下、花田) ひろゆきは、最後はどこに辿り着きたいの?

西村 多分、部屋で普通に映画を見て、ゲームをして、漫画を読んで終わりではないでしょうか。

花田 そうした人生を望んでいるの? というより、そういう人生に辿り着くことができるのかな?

西村 引退して、そうなりたいな、と若い頃に思っていたことが、今、実現できてますからね。

花田 今、幾つですか?

西村 40歳になりました。

花田 40歳で、引退後の夢を実現させたんだね。

西村 と言っても、30代ぐらいから実現できていましたけど(笑)

花田 確かに、そうかもしれないね。

西村 別に、そんなにお金かからないですから。

編 のんびり暮らせるな、と実感されたのは、いつ頃ですか?

西村 20代から、そう思ってました。

編 本当ですか!? 当時は今と比べ物にならない、なんて言うと失礼ですが、収入の額は全く違ったと思うんですが……。

西村 今も昔も、生活費の金額は変わっていませんから。

編 幾らぐらいなんですか?

西村 家賃を除けば、月に3万も使わないと思います。電話もしないから、電話代も常に最低額ですし。

編 家賃を除けば、年に36万円の収入で生きていけるわけですね。

西村 足ります。服も買いませんから。

編 月に3万円しか必要がない人が、それなりに多額の収入を得るということに対して、ご自身はどのように感じておられますか? 

西村 例えば2ちゃんねるは最初、趣味で始めました。広告もありません。でもサーバー代を払うために広告を付ける必要が出てきた。始めれば、資金が多目に回る方がいいし、実際に回すことができた。ああ、回った、回った、という感じです。

 逆に赤黒トントン、収益ゼロ、赤字ゼロを最初から狙うというのは、かえって難しいです。経営者の本堂さんなら分かると思いますけど……。

本堂 いえいえ、うちはトントンです(笑) いつもぎりぎりで何とかやってます、というレベルですから。

花田 絶対に嘘(笑) 闇のネット長者、裏のIT長者だもの。

本堂 いいえ。例えば貯金額なら、ひろゆきは私の20倍ぐらい持っていると思いますよ。

本堂 ひろゆきは持ってるよね。

西村 いいえ。

本堂 僕は使ってしまいます。全部、使ってしまうんです。

花田 確かに本堂君は使うね。

本堂 残りませんね。

西村 本堂さんは家を買ったりするし。

本堂 いえいえ、まさか家なんて、そんな……。

花田 15年間は静岡の片田舎に住んでたしね。

本堂 本当にそうですけど、あの、これって僕へのインタビューではないですよね(笑)

(第6回につづく)