【無料記事】PTA役員「人材難」で「入学式軟禁事件」が全国で多発中の驚愕情報

pta2017-05-11 15.32.54

 大阪出身のAさんは、在京の一部上場企業で広報部に在籍している。子供が通う、ある中学校のPTA会長まで務めている。

「ほとんどPTAの会議には出られませんね。最初は母親たちから半ば押し付けられる格好だったんですが、長男の内申点にもそれなりの影響があることがわかり、次男が卒業するまでは引き受けるつもりです」

 相当に邪な動機で会長職を続けるAさんだが、何があっても出席する必要がある行事は入学式だという。

「会社には『入学式だけは、どうか……』とお願いして、時間を確保しています。ただ、どうにも気が重いのは、会社で半休を取ることではないんです」

 入学式の時期といえば、働く人間にとっても年度初めだ。半休といえども取得には気を使いそうだが、それよりも大変なことなどあるのだろうか?

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【写真】『平成28年度優良PTA文部科学大臣表彰被表彰団体一覧』より
http://manabi-mirai.mext.go.jp/assets/files/H26PTAjirei/syouchuu.pdf
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「うちの中学校では入学式が終わったその場で各クラスのPTAの役員決めをするんですが、終わるまで逃げられないように体育館の扉を閉めてしまい、役員が決まったクラスから入学式の記念撮影をするんですよ。いわば、子供も親も軟禁状態にするんです。こんなやり方、あまりにも稚拙で、ほとほと嫌気が差すんですが、お母さん役員からは『こうでもしなければ役員は決まらない』『先に入学式の写真を撮ってしまったら、仕事を理由に親たちは逃げてしまう』などなど理由をならべ、一向に改善されないんです」

 Aさんの子供が通う中学校は、世田谷区に隣接する郊外に建つ。しかしながら、これはAさん周辺の話ではなく、全国の〝スタンダード〟となりつつあるという話だそうだから、驚きだ。

 どんなに多忙な親でも、子供の入学式だけは調整してやって来る。その時とばかりに体育館に軟禁し、役員が決まるまでは入学式の写真を撮らせないという作戦。賢いと言えるのかもしれないが、今や戦後70年。国際化教育の必要性が叫ばれる日本社会で行われている〝儀式〟と考えれば、親でなくとも泣けてくる。

「でも、その作戦が成功すればいいですけど、失敗することも少なくないんですよ。結局は何十分も全員が押し黙ったままということも珍しくありません。その時は『じゃあ、くじ引きで選びましょう』と提案するんです。だったら最初からくじ引きでやればいいだけの話じゃないですか」

 そもそも論で言うのなら、PTAの参加は任意だ。それが体育館に軟禁するという乱暴さはPTAの精神からはあまりにもかけ離れている。

 PTA会長たるA氏も、それで憤りを感じている。ならば、PTA会長らしく、この悪慣行を是正すればいい。いや、是正するべきだ──そう問うと、A氏はこう答えた。

「子供の内申点に響きますから、それは無理ですね。私はお飾りでいいんです。子供も生徒会長ですしね。公立校への進学には、とにかく内申点確保が最優先ですから。そつなく、波風を立てず、流していけばいいんです。そもそも母親役員に担ぎ上げられているだけで、会長をやりたくてやっているわけでもないですしね。全ては子供の進学のためです」

 かつてのPTA会長といえば大学教授だったり、地元の名士だったりと、それなりの人物が就くことも珍しくなかった。だが、こんな世界にも「人材難」の波は押し寄せ、今では上場企業に勤務する普通のサラリーマンでもありがたがられる時代だという。

 そして、なぜ人材難が発生したのかという根本理由について、A氏は声を潜めながら解説する。

「そもそもですね、社会的に立派な人のお子さんは、私立の中学に通っています。公立には少ないですよ。近所の小学校なんかじゃ、不動産屋など自営業の父親とか、時間を融通しやすい人ばかりがPTA会長に祭り上げられていますからね」

 昨今、PTAが必要か、不必要かという議論も盛んなようだが、もう結論が出ているような気がするのは弊誌だけだろうか。

(無料記事・了)