2016年12月14日

【完全無料記事】「原発再稼動反対」米山・新潟県知事「再転向」説

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 10月の新潟県知事選で「反原発」を掲げて勝利した米山隆一知事(49)が、早くも正念場を迎えている。

 共産、社民党などからの推薦(民進党は自主投票)を受けた米山知事だが、以前は「原発は再稼動させるべき」との持論を展開していた。そのため「反原発の主張は、知事選に勝つためのポーズに過ぎないのでは?」との疑問が根強いのだ。県議会は現在、自民と公明が多数を占めている。米山知事の「反原発路線」が、どこまで本気なのか試される、ということになるだろう。
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【写真】米山隆一知事・公式サイトより
http://www.yoneyamaryuichi.com/
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 医師である米山知事は、新潟で旧日本維新の会から衆院選や参院選に立候補し、これまで苦杯をなめてきた。

 その際、選挙公約として「全ての原発は原則として再稼動させるべき」と主張してきた。東京電力福島第1原発事故後に書いた自身のブログでも、「原発は地震や津波で壊れたのではない。津波に伴う全電源喪失によって冷却できなくなったのが原因だ」などと訴えていたのだ。関係者が明かす。

「米山氏は次期衆院選に民進党から出馬する準備を進めていたのですが、前知事の泉田裕彦氏が出馬を見送ると、共産と社民党に担がれて知事選に挑んだわけです。東電柏崎刈羽原発の再稼働が焦点となる中で、共産、社民両党と政策協定を結び、出馬会見で『考え方が間違っていた』と持論を引っ込め、泉田前知事が掲げた『反原発路線』を継ぎました。これによって米山氏は、県民から人気が高かった泉田前知事の後継者と位置付けられ、自民、公明両党が推した森民夫・前長岡市長(67)に大差をつけて当選したわけです」

 さて、ここで一応、なぜ前知事の泉田裕彦氏が出馬を見送ったのか。経緯をおさらいしておこう。

 泉田氏は4選を断念した理由として、地元紙『新潟日報』の敵対報道を挙げて問題となったことは記憶に新しいが、事情に詳しい関係者は「日報なんて関係ないよ。泉田さんは八つ当たりしたんだよ」と一笑に付す。

 真相は、反原発を標榜する泉田知事に辟易した地元財界の離反だった。「泉田おろし」で団結し、対抗馬の全国市長会会長、森民夫・長岡市長(67)を支援する方針を固めた。これを泉田氏が察知した、というのが基本的な構図だ。

 原因は東電柏崎刈羽原発をめぐるスタンスの違い。泉田氏は「再稼働反対」の急先鋒として有名だったが、これで干上がった地元経済界は再稼働を強く要求。自民党本部も泉田知事との従来の協調路線と決別して森氏を支持する構えを見せた。

 ここに至って、ようやく登場するのが新潟日報だ。風向きの変化から「反泉田」の論調にシフトしていく。

 先に火蓋を切ったのは森陣営。2017年5月、県市長会と町村会の連名で『泉田県政を検証する文書』を公表、泉田知事の県政運営に関する問題点を指摘した。この中で泉田氏の行政運営に対して「原発再稼働で東電や国と対立し、県経済に著しい打撃を与えている」と厳しく批判した。

 また7月の参院選では、野党統一候補の森裕子氏が当選し、自民党の中原八一氏は落選との結果に終わる。泉田知事は森、中原両候補を応援していたが、中原氏が大差で敗れたため、泉田氏を支援する自民党県議団への批判が噴出した。

 関係者は「特に泉田氏の後見人とされる党県連会長の星野伊佐夫県議に対し、県市長会や町村会は会長辞任を求める事態にまで発展しました」と振り返る。

「自民党と財界にそっぽを向かれた泉田氏は、出馬を諦らめざるを得なかった。ところが『真の原因は反原発で行き詰まったため』と明かせば、他の反原発首長に迷惑をかけてしまう。そこで新潟日報のせいにした、というわけです」

 泉田氏だからこそ、の「反原発票」が、米山氏にも引き継がれるかが焦点だったわけだが、米山氏は鉱脈を掘り当て、「泉田前知事の後継者」として当選を果たすことができた。しかしながら、新知事になってみれば、やはり前知事が直面したのと同じ「四面楚歌」な状況が待ち構えていた。

 当選直後には「現状では再稼動は認められない」と選挙中の主張を繰り返したが、東電とは協議する姿勢を見せるなど、反原発路線は「早くも一歩後退した印象」(地元関係者)なのだという。それこそ東京では、米山知事を切って捨てる式の意見は根強い。

「泉田前知事は福島第1原発事故の前から、原発の利用には懐疑的だった。それだけ勉強していたのは事実。それに比べて米山知事の『反原発』は付け焼刃に過ぎない」(政府関係者)

 現在の新潟県議会は、原発再稼働を求める自民、公明党が3分の2をおさえ、米山知事を推薦した共産、社民党は少数与党だ。

 県民の支持をバックに自民党ともパイプを持っていた泉田前知事と異なり、自民党と対立した米山知事が「反原発路線」を鮮明にすれば、議会運営は紛糾必至である。

「自民党県議団が議会で米山知事に揺さぶりをかけ、政府が原発利用で新潟県にとって有利な条件を申し出れば、米山知事は再び転向する」

 本丸とでも言うべき電力業界のさる関係者は、こんな〝シナリオ〟を披露するが、果して知事と県民の選択は、どのようなものになるだろうか。

2016年12月8日

【完全無料記事】王氏「五輪委」理事就任は「小池VS森」第2幕

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 現在のところ、2020年東京オリンピックに関する最大の関心事は、小池百合子・東京都知事(64)と、五輪組織委員会会長・森喜朗元首相(79)の〝暗闘〟だと断言していいだろう。

 そんな中、ひっそりと(?)プロ野球ソフトバンク・王貞治会長(76)を新理事として迎え入れる人事が発表された。追加種目に決まった野球やソフトボールなど5競技の代表として運営に携わる。

 全くサプライズのかけらもない、日本人なら誰もが「そうなんだろうね」と頷くニュースのはずだ。だが事情に詳しい関係者たちは、こぞって「これこそ、小池VS森の新たな局面入りを示すものですよ」と読み解くのだ。

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【写真】『東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会』公式サイトより、大会エンブレムを発表した王貞治氏(左)
https://tokyo2020.jp/jp/news/notice/20160427-02.html
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 何しろ小池知事には、いまだに世論の絶大を受けている。その勢いに乗じて、東京都議会の「ドン」こと内田茂・自民党都議(77)と、森元首相への追及を強めていた。2人の密接な関係は、これまで報道された通りだ。

 失敗に終わったが、ボートなどの会場見直し問題を提起したのも、究極の狙いは森=内田ラインに対する攻撃だったのだ。成功すれば世論の喝采が「政治的功績」を演出し、小池知事の政治的影響力は今以上にアップしただろう。つまり「女性初の首相」を求める声が強まるということだ。

 ところが一方の森元首相も、さすがの古狸だ。いつまでもやられっぱなしのはずもない。得意の「政治的嗅覚」で対抗策を打ってきた。それこそが王氏の組織委招聘だというのである。

 先に見た王氏の「野球などを代表してもらう」との招聘理由に異議を唱える日本人は皆無に違いない。また王氏はエンブレム委員会の委員にも就任しており、既に2020東京五輪に関与した〝実積〟もある。理事に就任しても唐突な印象はゼロだ。

 だが、そんなことが目的で、この人事が行われたのではないのだという。さる自民党関係者が「これは『二階対策』なんですよ」明かす。

「王さんと関係が深い政治家といえば、二階俊博幹事長です。二階さんは王さんが当時の福岡ダイエーホークスの監督に就任したころから親交を結び、王さんが理事長に就く一般社団法人『世界少年野球推進財団』の設立にも協力しています。二階さんの事務所には王さんのサインボールやツーショットの写真が飾られていますし、二階さんが海外の要人と会談するときには、王さんのサインボールをお土産にしているほどです。こうなると2人の関係は親交というより深交と呼ぶべきでしょうね」

 二階幹事長は先の都知事選で、自民党都連が推した増田寛也元総務相(64)を支持せず、裏で小池氏支持に回った。増田氏を応援していた特別区長会でも、会長で、衆院議員時代は二階氏の「子分」で知られた西川太一郎・荒川区長(74)も小池氏支持に回った。

 更に都知事選に立候補し、森氏らの辞任を公約に掲げた山口敏夫元労相(76)が、村上正邦元労相(84)や亀井静香元金融相(80)と共に「二階幹事長支持」を表明、接近を図っている。山口氏らの狙いは「二階さんを通じた森おろし」(永田町関係者)だという。

 森元首相に対する「二階包囲網」が着々と構築されつつあり、だからこそ森元首相は王氏を必要としたのだという。

「森さんは、王さんを〝人質〟に取ったんですよ。王さんを通じて、二階さんを自陣に引き込もうとしているわけです。これが成功して、一定の関係を構築できれば、二階さんに『小池封じ』で一役買ってほしいとも考えているのではないでしょうか」(前出の自民党関係者)

 敵の親友を自陣に引き入れるというのは、なかなかの奇策と言えるかどうか。しかしながら、王氏の就任は森元首相にとって「諸刃の剣」との見方もある。

「二階さんからすると、王さんを通じて組織委に手を突っ込んで、かき回すことができるようになったわけですからね」(前出の永田町関係者)

 元首相と現職の幹事長が、「世界の王」を自分サイドに引き入れようと、綱引きをしている図というわけだ。

 滑稽と笑うか、政治とはそういうものだと頷くかは人それぞれだろう。いずれにしても、東京五輪の成功とは無縁の動きであることは間違いない。

(完全無料記事・了)

2016年12月7日

【完全無料記事】中国共産党「トランプは病死か暗殺」と予言!?

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 全世界の予測を裏切り、ドナルド・トランプ氏(70)の勝利に終わった米大統領選だが、中国共産党指導部には、

 健康問題が危惧されており、最悪の場合、1期4年間は保たない場合も考えられる

 

との分析、予測が報告されていたことが分かった。
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【写真】ドナルド・トランプ次期大統領の公式サイトより
(https://www.donaldjtrump.com/)
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 報告は内部文書によるもの。ニュースソースは北京の外交筋だ。

 

 この内部文書だが、

 

 トランプ氏は歴代最高齢の70歳で大統領就任。心臓や血管系の疾患など健康問題が懸念されており、最悪の場合は1期4年保たない場合も考えられる

 

と注意を促すほか、

 トランプ氏は民主党支持者だけでなく、共和党内にも敵が多く、暗殺の可能性も捨てきれない

 

など、かなり不気味な〝予言〟も書かれている。

 

 文書の作成に関わったのは、ワシントンやニューヨークなどに駐在する中国外交官、中国の大学や研究機関に勤務するアメリカ専門家、国営新華社通信などのアメリカ特派員、といったメンバー。

 

 執筆、報告時期は選挙期間中だったため、トランプ次期大統領だけでなく、ヒラリー・クリントン氏に対する分析も記載されている。

 大統領選の投票日は11月8日だったが、その1週間前に習近平主席ら党指導部に配付されたほか、コピーが部数限定で外務省や研究機関に送付されたそうだ。

 

 関係者によると、内部文書は大統領選の結果について「トランプ氏の当選可能性は低い」と結論付けていたという。トランプが当選するとの予想はアメリカでも皆無だったことを考えれば仕方ないかもしれないが、外れたことは事実だ。

 

 やはり分析全体の正確性を疑ってしまうわけだが、トランプ氏が当選した場合は「アメリカの対中政策は経済・貿易を中心に厳しいものになる」と冷静に警鐘を鳴らしている。論調が全く浮ついていないところは、評価に価するはずだ。

 

 いよいよ本題であるトランプ次期大統領の健康問題に関する分析に進むが、やはりというか何というか、これがなかなか興味深いのだ。

 

 文書では、トランプ氏の主治医がロイター通信に対して、

 健康問題はとても良好だ。過去にアルコールや喫煙の習慣もない。当選すれば、疑いなく史上最も健康な大統領になるだろう

との診察結果を示したことを紹介する。ところが、この文書の執筆者たちは、医師の見解を全く信用しないのだ。

 この報告では総コレステロール値などの重要な数値が欠如しており、選挙戦を有利に進めるため、虚偽の数値を羅列した疑いがある
 

などと指摘している。そして文書は核心へ進む。

 トランプ氏はすでに70歳で、これまでの最高齢のロナルド・レーガン大統領の年齢を超えている。大統領職を務めるうえでのストレスなどを考えれば、いつ、心臓や脳内の血管が切れてもおかしくない

 

 北京の外交筋が解説する。

 

「あの内部文書は、『トランプ氏は遊説中、少なくとも5回、暗殺の危機に見舞われた』との事実を明かすなど、現場に密着し、深く調査しなければ分からないはずの内容も含まれていました。確かに大統領選の勝者予測は外れていますが、だからこそ選挙期間中から中国は事細かにトランプ氏をウォッチしていたことを再認識させられました。いずれにしても、文書を読むと、トランプ大統領の前途は様々な面で多難であると想像させられましたね」

 

 権力闘争の激しさは、かつての共産圏が頭一つ図抜けていた。その〝伝統〟を受け継ぐ中国共産党にとって、アメリカの激動・暗闘に関する分析は、お手の物なのかもしれない。

2016年12月6日

【完全無料記事】「ファンラン」ブーム「博多屋台マラソン」登場

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(※この記事は完全無料です。会員登録は必要なく、末尾の「了」で記事は終わります)
「ファンラン」をご存じだろうか。「ラン=マラソン」大会ではあるのだが、一般的に5〜10キロと距離は短めに設定。タイムや順位は二の次、というより無視。逆にコスプレが参加条件だったり、コース景観を楽しむことを求められたり、と「ファン」に力点を置いたランニングイベントのことだ。

 例えば世界的人気の「カラーラン」は様々な色のパウダーを浴びせかけられながら、5キロのコースを走るというもの。日本では14年3月に千葉県で初開催されている。

 この密かなブームに、ならば「おらが街」のPRを行うため、ファンランを開催しようではないかという動きが出てくるのは、ある意味で当然だろう。

 12月17・18日の2日間、明治神宮野球場(東京都新宿区霞ヶ丘町)では「福岡しっとうとマラソン」が開催される。ちなみに「しっとうと」は方言。標準語では「知ってる?」ぐらいの意味だ。

 この大会で用意された「種目」は、

①1.25キロメートルのファンラン

②マラソン好きのための10キロラン

③2〜10人が交代で2時間走り続けるリレーマラソン

──の3つとなっている。

 こうした設定からして〝ストイック〟に走り続ける市民ランナーを対象にしたものではないことは明らかだ。

 走り終えれば、もつ鍋、ラーメン、やきとりなど福岡の屋台料理を堪能できる。もちろんアルコールだけでなく、スイーツも用意されている。つまり、この「ファンラン」は「博多グルメ」に力点が置かれているわけだ。

 先のカラーランを紹介した『日経トレンディネット』の記事は『粉をかけられて何がそんなに楽しいの!? ファンラン人気が拡大の予感』(14年8月5日)とのタイトルになっている。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140804/1059391/

 記事は「粉をかけられるのは楽しい」との結びになってはいるが、実はタイトル通りの疑問を覚える方も少なくないだろう。一方、こちらの「しっとうとマラソン」は博多の屋台グルメが主役。ストレートに「楽しい=ファン」ことは間違いない。

 この「しっとうとマラソン」では、スポーツスクールの運営や、スポーツビジネスのコンサルティングを行う「スクールパートナー」(渋谷区初台)が企画・運営協力を行っている。担当者の守屋佑樹・総合企画部・イベントグループリーダーに話を聞いた。

「ここ5年ぐらいファンランが地道に盛り上がっていまして、弊社も給水所に200種類のスイーツを用意するという『デザートビッフェマラソン』を開催しています。また弊社社長が福岡市出身でして、『福岡をもっとPRしたい』という同郷の会社経営者が集まる会合に参加しています。その席で『福岡グルメをPRできるイベントは何かないか』という話が出て、ファンランと結び付いた、というわけです」

 福岡をPRするイベントなのだから、地元自治体の後援は不可欠だ。守屋リーダーは自治体との折衝を行ったが、予想を越える「高評価」に驚いたという。

「福岡関連のイベントとはいえ、開催地は東京です。『開催地が他所ですから、関係ないでしょ』と断られる可能性も少なくないと覚悟していたんです。ところが皆さん『それは面白いね』と高い関心を示して下さいました」

 結果、福岡市と北九州市を筆答に、糸島市、宗像市、古賀市……と18の自治体が名を連ねることになった。「ファン」の部分に関して地元の〝お墨付き〟を得たというわけだが、守屋リーダーによると中でも特筆すべきは2点だという。

「まずランですが、何よりも神宮球場の中を走れるということです。なかなかチャンスがないということはご存じの方も多いと思います。グルメは全てに力を入れていますが、ラーメンが人気の『博多一幸舎』さんが出店して下さるほか、テレビ出演で話題になった川原浩史さんの『なんでんかんでん』が復活します。この2店のバトルは必食だと自信をもって断言できます」

 参加受付は12月9日の金曜まで。参加費は中学生以上が6000円。走り終えると1600円相当のグルメチケットがプレゼントされ、屋台ブースで使用できる。当日参加は受け付けていないので注意が必要だ。エントリーや問合せ先などが記載されている公式サイトは以下の通り。

http://shittouto.jp/

(了)
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【写真】公式サイトより
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2016年11月25日

【完全無料記事】プロ野球B級ニュース2016③うっかりミス編

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(※この記事は完全無料です。会員登録は必要なく、末尾の「了」で記事は終わります)
 素人には想像もできないほど高い精度のプレーを繰り広げるプロ野球選手。だが、彼らも同じ人間だ。時には信じられない凡ミスをやらかし、テレビなどで珍プレーとして爆笑を誘うことになる。

 だが野球の厳しさは、笑って一件落着となることを許さない。珍プレーから敗北に追い詰められていく光景を我々は何度も目撃してきた。「プロ野球B級ニュース事件簿2016」の第3回は「うっかりミス編」とし、

①コリジョン初適用の名誉(?)選手
高橋光成(西武)

②痛恨のサヨナラ負けを招いた
サファテ&工藤公康(ソフトバンク)

③新・日系助っ人「NAKANO」登場!?
ビシエド(中日)

④「帽子」で「防止」に失敗
山田哲人(ヤクルト)

の4選手、1監督のエピソードをご紹介したい。

 

■これは〝盲点〟! コリジョン初適用は本塁ベースカバー投手!!

 高橋光成(西武)
 5月6日 日ハムVS.西武(西武プリンスドーム)

 

 今季から導入されたコリジョンルールが初適用となり、判定が覆った試合として記録に残るのは確実だ。しかしながら我々が追及する「B級史」の場合は誰に適用されたのかが焦点となる。捕手でも走者でもなく、何と投手の高橋光成だったのだ。

 問題のシーンは6回。高橋光は大野奨太に押し出し死球を与え、3対3の同点になった直後、なおも1死満塁で9番・西川遥輝に投じたフォークが暴投になった。三塁走者・レアードが勝ち越しのホームを踏み、「捕手の処理が遅れていた」と見て取った二塁走者・浅間大基も三塁を回って本塁へ突入した。

「2人目はかえしたくない場面。必死だった」という高橋光は、本能的に浅間と相対する形で捕球体勢に入ったが、両者はベース上で交錯。いったんはアウトと判定されたが、審判団がビデオ映像を確認したところ、広げた左足がわずかにホームベースにかかっており、コリジョンルールが適用された。
「走路上にいたから、高橋投手に警告です」(杉永政信責任審判)

 この結果、浅間はセーフとなり、日本ハムは無安打で2点を勝ち越した。浅間の本塁突入は、白井一幸内野守備走塁コーチが「あれは暴走。際どい走塁というより、アウト」とバッサリ切り捨てるほどだったが、結果的にコリジョン判定に救われた。

 西武はその後、気落ちした高橋光が連続四球を与え、エラーも絡んで、この回一挙5点。痛恨の“コリジョン逆転負け”となった。高橋光は「ルールはもちろん知ってましたが、頭がいかなかった。冷静に対応できなかった自分のミス。悔しいです」とガックリ。

 西武ではルール導入以来、捕手陣はキャンプから対応策を重ねてきたが、投手陣の練習メニューには組み込まれておらず、盲点だった。「挟殺プレーで、投手がホームカバーに入るケースもある。改めて確認を徹底しないといけない」(潮崎哲也ヘッド兼投手コーチ)と早急な対応を迫られることになった。

 高卒1年目の昨季は8月に1軍デビューすると、いきなり5連勝して史上最年少の月間MVPに輝いた高橋光成も、今季はコリジョン騒動で精神面の脆さを露呈し、その後、8連敗を喫するなど、2年目のジンクスに泣いた。

「近未来のエース」と期待される逸材だけに、制球の課題を克服して3年目の飛躍を目指してほしいものだ。

 

■投手と野手を同時に交代させていれば……うっかりミスのツケは重かった

サファテ&工藤公康(ソフトバンク)
 6月5日 ソフトバンクVS.広島(マツダスタジアム)

 

 まさに交流戦ならでは、のうっかりミスだった。

 1対1で迎えた延長11回裏、ソフトバンクは2死三塁とサヨナラのピンチ。ここで岩崎翔に代わり、守護神・サファテがマウンドに立った。2死からのリリーフということは、この回を抑えたら、当然12回も続投することを意味する。

 じつはサファテ、1死二塁で会沢翼の打席中に「2死になったら、行ってもいい」と回またぎを承知のうえで、自ら登板を志願していたのだ。工藤公康監督も「明日は試合がないので」と日程を考えてゴーサインを出したというしだい。気合十分のサファテは、野間峻祥を空振り三振に仕留め、見事にピンチを切り抜けた。ここまでは良かった。

 だが、工藤監督は交代時に致命的なミスを犯していた。12回表の攻撃は8番・鶴岡慎也から始まるので、打順が最も遠い7番・城所龍磨に代えてサファテを入れ、9番は新たな外野手を入れるべきだった。

「急きょ(サファテに)行ってもらったので、外野に(選手を)入れる準備ができてなかった。すみません……」(工藤監督)。

 ふだんのDH制とは勝手の違う交流戦の緊迫した場面で、つい目先のことに心を奪われ、次の回の打順まで考える余裕がなかったようだ。この結果、12回1死から9番・サファテに打順が回ってきたのに、代打を送ることができなくなってしまった。

 サファテが打席に立つのは、広島時代の12年8月以来通算2度目とあって、結果は空振り三振。直後、1番・今宮健太が左前安打で出塁するという皮肉な巡り合わせに、工藤監督は「9番に牧原(大成)を入れるとかすればよかった」とぼやいたが、後の祭りだった。

 こんなときは得てして流れが悪くなるもの。その裏、サファテは先頭の田中広輔に中前安打を許した後、菊池涼介の投前バントの打球を一塁悪送球。無死一、二塁から丸佳浩に159キロ直球を中前に打ち返され、痛恨のサヨナラ負けとなった。

 だが、「ホークスが3連覇するまで髭を剃らない」と願掛けするほどチーム愛の強いナイスガイは「(自分が)ホームランを打っておけば……」と不満ひとつ口にすることはなかった。今季ホークスがV3を逃した結果、サファテの髭がどうなったか、ファンとしては気になるところ?

 

■4番打者の助っ人は、背番号「103」のナカノ!?

 ビシエド(中日)
 7月5日 広島VS.中日(富山)

 

 この試合で中日に、背番号「103」の新助っ人が4番ファーストでデビューした。背中には「NAKANO」の文字が輝く。ひょっとして、日系選手なのか……!?

 じつはビシエドが背番号「66」のユニホームを忘れてしまったのだ。とはいえ185センチ、108キロの体格。これに合うのは中野栄一ブルペン捕手のユニホームしかなかったというのがことの真相。ちなみに中野捕手は188センチ、95キロだという。

 この日から始まった富山、金沢の北陸シリーズ2連戦は、中日の主催試合とあって、うっかりホーム用のユニホームを忘れてしまったのだとか。確かに北陸シリーズの後は、移動日を挟んで神宮で対ヤクルト3連戦、横浜で対DeNA3連戦とロードが続くので、北陸も含めてビジターと勘違いしてしまうのも無理はない。日本人選手でもうっかりミスを誘発しかねないのだから、外国人ならなおさらのこと。

「ユニホームを忘れるなんて初めてだ」と苦笑いするビシエドだったが、そんなアクシデントにもめげず、2回に先制点の口火となる左越え二塁打を放ち、無死一、三塁から福田永将の二ゴロ併殺打の間に先制のホームを踏んだ。さらに9回にも遊撃内野安打とマルチを記録。借り物のユニホームながら、「感覚は良かったよ」と笑顔を見せた。

 この日は外野手の藤井淳志もビシエド同様、ホーム用のユニホームを忘れたため、三輪敬司ブルペン捕手の「111」のユニホームを借りることになったが、幸か不幸か出番なし。

 ちなみに三輪ブルペン捕手は、05年9月27日の横浜戦(横浜)で井端弘和、09年5月31日のソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)でブランコ、10年3月7日のオープン戦、オリックス戦(京セラドーム大阪)で高橋聡文がユニホームを忘れたときにも自身のユニホームを提供しており、ある意味、本業以外でもチームになくてはならない貴重な存在と言える。

中日といえば、かつての主砲・宇野勝も81年4月24日の大洋戦(横浜)でユニホームを忘れ、背番号「77」の借り物ユニホームで豪快なホームランをかっ飛ばしたエピソードで知られる。それにしても、この手の話が次から次へと出てくるのは、やっぱり宇野以来のチームの伝統……?

 

■油断大敵! 落ちた帽子に気を取られて二塁走者の生還を〝防止〟できず……

 山田哲人(ヤクルト)
 7月5日 ヤクルトVS.DeNA(横浜)

 

 野球における珍プレーの〝王道〟たる隠し球は、適時打で得点した直後など、相手が喜んでいるときに成功率が高くなるという。走者とベースコーチが歓喜のハイタッチで目を離した一瞬の隙にボールを隠し持てば、気づかれにくいからだ。

 試合中はどんなときでも油断は禁物という良い教訓だが、7月5日のヤクルトvs DeNA(横浜)で、トリプルスリー男・山田哲人が「油断大敵」とも言うべきボーンヘッドを犯してしまった。

 2対0とリードしたDeNAは、8回にも桑原将志の左越え二塁打に犠打と四球、盗塁を絡め、1死二、三塁のチャンス。これ以上失点を許すと苦しくなるヤクルト・真中満監督は左打者の関根大気に対し、左腕のペレスを4番手に投入。悪い流れを断ち切ろうとしたが、関根はカウント3-1からの5球目を投前に絶妙のスクイズ。

 三塁から桑原将志が3点目のホームイン。打者走者の関根は〝ハマのスピードスター〟を自称する50メートル5秒9の俊足とあって、一塁もクロスプレーとなった。セカンドから山田が一塁ベースカバーに入り、ペレスからの送球をキャッチ。直後、ファースト・田中浩康と交錯した際にボールがポロリとこぼれ、ヒヤリとさせられたものの、素早く拾い直して何とかアウトにした。

 だが、2死を取り、ホッとして魔が差したのか、山田はインプレーにもかかわらず、グラウンドに落ちた自分の帽子を拾おうと、三塁方向に背を向け、かがみ込んだ。これが命取りとなる。

 二塁走者・石川雄洋は、三塁に進んでいったんは自重していたが、まんまとこの隙を突いて、一気にホームイン。結果的に2ランスクイズとなった。3点目は仕方がないとしても、ヤクルトの攻撃は9回1イニングしか残っていないことを考えると、防止(帽子)できるはずの4失点目は痛かった。

 結局、山口俊の攻略の糸口をつかめず、今季最少の3安打完封負けで連勝ストップ。この日は7回に2者連続で併殺をとり損ねるなど、内野陣の呼吸がまったく合わなかったこともあって、真中監督も「注意しないと。いただけないプレー」と反省を促していた。

 今季も打率3割4厘、38本塁打、30盗塁でプロ野球史上初の2年連続トリプルスリーを達成した山田だが、来季は守備でも〝帽子の教訓〟を生かしてもらいたい。

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【著者】久保田龍雄
【写真】7月5日、DeNA・関根大気と交錯して帽子を落としてしまったヤクルト・山田哲人(右=撮影・産経新聞社)
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2016年11月24日

【完全無料記事】宇都宮連続爆発・犯人の「知識」入手法と「模倣犯恐怖」

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 10月23日、栃木県宇都宮市の宇都宮城址公園などで相次いで爆発や火災が発生。周囲にいた3名が負傷した「宇都宮連続爆破事件」が発生した。栃木県警は公園内で自殺したと見られる栗原敏勝容疑者(72)が、いずれの事件にも関与したとみて殺人未遂容疑で書類送検している。

 この事件に関する報道では栗原容疑者の「元陸上自衛官」という経歴に大きな注目が集まった。「元自衛官なら爆発物も作れるだろう」という先入観からだ。マスコミは当初、「連続爆破」という事件そのものに関心を集中させていたのだが、時間が経つごとに「元自衛官」という経歴にシフトしていったのだという。大手紙社会部記者が振り返る。
「初報が入ってきた時は、とんでもない大事件が起きたと驚きました。ところが3か所で爆発、火災が発生したにもかかわらず、人的被害は幸いにも3人が負傷した程度でした。おまけに容疑者も自殺し、率直なところ、取材方針が定まらなくなってしまったんです。すると元自衛官という情報が入ってきて、そういう経歴だから連続爆破を起こすことができたんだろうと仮定して、自衛隊の専門家や自衛官OBなどを探す取材に奔走しました」

 最近は「マスゴミ」などと評判は悪くとも、一応はプロだ。取材でメシを食っている連中が「元自衛官だから連続爆破事件を起こせた」と考えたのだから、視聴者や読者の方々が同じことを思っても不思議はないだろう。実際、犯行に使われた爆発物は栗原容疑者が自作したものだと見られている。

 しかしながら、本当に自衛官経験者なら、爆発物の知識を得ることができるのだろうか。実際に爆発物を訓練などで使用した経験のある現役の陸上自衛官に話を聞くことができた。まず栗原容疑者が動画投稿サイトにアップしていた自身の自衛隊人事記録から読み解いてもらったところ、意外なことが分かった。
「容疑者の人事記録を見ました。平成11年、1999年に退官したのですが、最後は北宇都宮駐屯地にある航空学校宇都宮分校(※編集部註:現在は「航空学校宇都宮校」)の校長として勤務。退官時は2等陸佐でした。それなりに優秀だったということですね。ただ、肝心の爆発物に関する知識を、どこで手に入れたのか。それには『職種』と『特殊技能』が重要になってきます」

 栗原容疑者の「職種」は、「通信科→特科→航空科」と変更した履歴が残されている。「職種」とは「営業」や「事務」といった一般企業における「部署」を指す。そして自衛隊で爆発物を扱うのは「普通科」「施設科」「武器科」であり、容疑者が自衛隊内で爆発物に関する知識を得たとは考えにくいのだという。
「彼が自衛隊で得た『特殊技能』も、通信系と気象系の資格しか確認できませんでした。こうしたことから考えると、少なくとも自衛隊で爆発物を訓練中に使用するどころか、知識を得る機会もなかった可能性が高いと思います」(同・陸上自衛官)

 我々が無意識のうちに心の中で描いてしまった「爆発物のプロとして勤務していた元自衛官」というイメージは、まさに虚像だったのだ。ならば、どうやって栗原容疑者は爆発物を作成したのか。その謎も、陸上自衛官が解く。
「全焼した容疑者の自宅から花火が押収されたそうですし、爆発物の中に釘やビー玉が入っていたことなどから考えると、火薬だけを使用した、非常に初歩的な爆発物だったと推測できます。要するにインターネット上の知識を、そのまま使ったんでしょう。あれぐらいの爆発物は、市販されているものを組み合わせれば作成できるんです。またコインパーキングで車が燃えた際、何回か爆発音が聞こえたと報じられましたが、もしかしたら爆発物の周囲にプロパンガスなど、強い可燃性を持つ物を置いて、威力を高めた可能性も考えられます。難しいのは雷管の作成なのですが、もしかしたら自衛官時代、訓練時に現物を盗んだのかもしれません。とはいえ、自作も不可能ではありません」

 三菱重工爆破事件などを引き起こした東アジア反日武装戦線が1974年、爆弾の製造法などを記した地下出版『腹腹時計』が発禁になったことなど今は昔。ネット上では爆発物の材料入手法や製造方法を解説しているサイトがいくつもある。実際に製造して爆破させる動画さえ公開されているのだ。爆発物のエキスパートという線が消えれば、栗原容疑者がネットで知識を得た可能性は高まる。

 それにしても、自殺に使用した爆発物の威力は相当なものだったようだ。容疑者の足はちぎれ、肉片が飛び散っただけでなく、破片も周囲約140メートルにわたって飛散し、付近の住宅の窓を破損させてしまっている。
「栗原容疑者が事件を引き起こした背景や動機については現在、様々なことが分かってきています。妻との離婚調停に不満があり、それが連続爆破事件の引き金となったようです。容疑者のSNSには『全てに負けた。私は社会に訴える』といった趣旨の文章や、『自暴自棄に陥っている』とのコメントも書き込まれていました。特に注目を集めているのが『通り魔事件秋葉原を見習うか』とのコメントです。2008年に東京・秋葉原の路上で7人が死亡、10人が負傷したことは記憶に新しいですが、容疑者は類似の犯行を目論み、連続爆破事件を計画した可能性があります」(テレビ局社会部記者)

 事実、当時は『宇都宮城址まつり』が開催されており、爆発が起きた時間帯は中学生から大人まで約300人の行列が通過する予定だった。
「大惨事を免れたのは、文字通りの偶然でした。行列の進行が遅れたため、爆発に巻き込まれなかっただけなんです。もし祭りのスケジュールが時間通りだったなら、負傷者3人では済まなかったでしょうね」(同・社会部記者)

 だが事件発生時こそ、マスコミは大きく報道していたが、その熱はいつものように1週間あまりで冷めてしまい、今ではニュースが流れることは滅多にない。だが、この連続爆破事件が、もとから日本に潜んでいた危険性を、更に悪化させた懸念があるという。陸上自衛隊幹部が重い口を開く。
「今回の事件をマスコミは『連続爆破事件』と報じています。これは故意ではないのでしょうが、ミスリードの危険性があります。あの事件の本質は、他人を巻き添えに自爆するというテロそのものです。容疑者は自爆テロという目的を明確に持ち、それを実行しました。日本で初めて発生した自爆テロなんです。これが何を意味するのかといえば、第2、第3の犯行が起きる危険性が高まったということです。初犯が生まれれば、必ず模倣犯が追随します。我々は現在、2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックを念頭に置いた様々な対テロ訓練を実施しています。宇都宮の事件は重要なケーススタディとして今後の訓練・教育に組み込むつもりですし、おそらく警視庁の公安部でも詳細な検証を始めているでしょう。日本の危険度は1段階上がりました。それほど深刻なテロ事件だったというのが我々の認識です」

 あれだけ海外のニュースでは自爆テロについて取り上げながら、いざ国内で発生した時には自爆テロと認識、指摘できないでいるマスコミ。これも平和ボケ日本のなせるわざ、まさにマスゴミということか。 しかし、この爆発事件で日本は自覚の少ないままに、また一歩テロという底の見えない闇に近づいてしまったようだ(了)
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【写真】爆発があった宇都宮城址公園付近の駐車場(撮影・産経新聞社)
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2016年11月23日

完全無料記事【北九州ブラック部活】〝隠蔽〟体罰アンケ③

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 北九州市教育委員会が〝隠蔽〟したと疑われても仕方のない体罰アンケート調査を連載で紹介している。最終回となる第3回では、いよいよ「部活動指導の振り返りから分かったこと」を見て頂こう。調査からは、部活動に当事者として関わる教師の事実認識が浮かび上がり、教育委員会のコメントからは問題意識が透けてくる、はずだ。

 ちなみに太字がアンケート調査の原文であり、普通の文字が弊誌の文章となる。念のため、申し添えておく。では、調査の引用に進もう。

          ④部活動指導の振り返りから分かったこと
 調査結果から考えられる主な傾向を以下に示しています。
 各学校では、こうした傾向を踏まえながら、部活動指導のあり方を再度考えてみてください。
※文部科学省の「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」の内容を必ず一読すること

◎体罰を指導の手段として正当化するような認識が未だ残っていること
<上達のためには、軽く叩くことが必要な場合もあると思っている。【Q5 3.8%】>

[主な傾向など]
▼学校種別:中学校(3.9%)、高校(0%)
▼経験年数別 年齢別:こうした認識が一定割合で残っている。
▼男女別:男性にその傾向が見られる。
▼①教育活動の振り返り:「Q6 軽く叩くぐらいのことは許されると思っている。」部活指導:有(6.8%) 部活指導無(3%)の2倍以上。“軽く叩くぐらい”という意識が、部活指導における“上達のために”という意識につながっている可能性がある。意図して体罰を指導の手段として使うことは、体罰を容認する意識が根強く残っていると推測される。

◎指導力の水準が、生徒の達成感や主体的な力の育成に影響を与える要因の一つと考えられること
<どの部員にも喜びや意欲を与えるような指導ができていなかった【Q8 26.1%】>
[主な傾向など]
▼学校種別:中学校教員の4人に1人、高校教員の5人に1人が感じている。
▼経験年数別、年齢別、男女別:教育経験年数、年代、性別での差は見られない。

<生徒が主体的に取り組む力の育成が進んでいない 【Q14 20.9%】>
[主な傾向など]
▼学校種別:中学校教員に、この傾向が強く見られる。
▼経験年数別:31年以上がやや低いが、他の層はほぼ同じ割合である。
▼年齢別:50歳以上がやや低いが、他の層はほぼ同じ割合である。
▼男女別:男性教員の方が感じている割合が高い

<自分自身のこれまでの実践、経験に頼る指導になっていた 【Q10 28.2%】>
[主な傾向など]
▼学校種別:中学校教員、高校教員のいずれも4人に1人が感じている。
▼経験年数別:11〜20年が3人に1人、他の層も4人に1人が感じている。
▼年齢別:差が見られない。
▼男女別:男性の方が感じている割合が高い(女性の1.5倍)

〈生徒の発達の段階や成長に応じた指導方法について研究を行っていなかった 【Q11 19.6%】〉
[主な傾向など]
▼学校種別:中学校教員に、この傾向が強く見られる。
▼経験年数別:5年以下が4人に1人と高く、他の層はほぼ同じ割合である。
▼年齢別:20代(4人に1人)→30代→50代以上→40代の順
▼男女別:差が見られない。

◎指導の手段の一つとして、意図的に罵声、暴言を使う傾向が中学校教員に見られること
<罵声・暴言を浴びせたり、物に当たったりしたことがある。【Q3 12%】>
[主な傾向など]
▼学校種別:中学校(12.3%)、高校(2.2%)
▼経験年数別:5年以下の教員よりも、経験のある6〜20年の教員の割合が高い。
▼年齢別:20代の教員(13.6%) 30代教員(19.9%) →約1.5倍
▼男女別:男性の方が高い(女性の3.8倍)

〈指導の場面で、自分自身の感情をコントロールできなかったことがある【Q1 7.8%】〉
[主な傾向など]
▼学校種別:中学校(8%)、高校(2.2%)
▼経験年数別:差が見られない。
▼年齢別:若い教員ほど、その傾向が見られる。
▼男女別:男性の方が高い(女性の2倍)

〈調査結果の比較〉
▼①教育活動の振り返り(部活動指導者):Q1 感情的33.3%>Q5 暴言20%
▼④部活動指導の振り返り:Q1 感情的7.8%<Q3 暴言12%
教育活動と比べ、部活動指導では、感情をコントロールできないと感じた割合よりも、暴言等をした割合の方が高い。
指導の一環として、罵声・暴言等を意図的に使っている部活指導者が少なからずいる可能性がある。

◎男性教員の部活動に対する考え方自体が、体罰等につながる懸念があること
▼Q5:上達のために軽く叩くことが必要な場合もあると思っている。
男性(5.8%) 女性(1%) 約5.8倍
▼Q4:勝ち負けに固執した指導をしてしまったことがある。
男性(10.7%) 女性(2%) 約5.4倍
▼Q2:特定の生徒(キャプテン等)に対して、見せしめ的な厳しい指導をしてしまったことがある。
男性(7.8%) 女性(4.5%) 約4.6倍
▼Q3:罵声・暴言を浴びせたり、物に当たったりしたことがある。
男性(17.3%) 女性(4.5%) 約3.8倍
▼Q9:面倒を見てやっているという態度で接していたことがある。
男性(19.3%) 女性(7.7%) 約2.5倍

◎中学校教員、20〜30代教員、男性教員は、感情に左右されやすい傾向にある。
〈指導の場面で、自分自身の感情をコントロールできなかったことがある【Q1 7.8%】〉
[主な傾向など]
▼学校種別:中学校の方が、高校の約4倍
▼年齢別:20代、30代の方が、40代、50代の約1.5倍
▼男女別:男性の方が、女性の約2倍

〈感情により指導内容や方法が左右されたり、ぶれたりしたことがある【Q6 8.5%】〉
▼学校種別:中学校の方が、高校の約4倍
▼年齢別:20代、30代の方が、40代、50代の約1.5倍
▼男女別:男性の方が、女性の約3倍

 これでアンケートの「調査結果」は終りだ。
 改めて振り返れば、「軽く叩くことが必要」だとする教員は全体の3.8%、「暴言を意図的に指導手段として使っている」は12%に達した。この結果に驚かれた方は少なくないだろう。

 生徒に対して肉体的、もしくは精神的な暴力を振るう教員が、最低でも全体の1割を占めたことになる。おまけに中学校で、部活動を受け持つ男性教諭だった場合は、更に高率となることも明らかになったわけだ。

 このように極めて興味深い調査であるにもかかわらず、北九州市教委は「一握りの身内」以外は誰も閲覧できないという、内覧にとどめてしまった。記者クラブに広報しないどころか、市民に広報誌やホームページを使って紹介することさえ行わなかった。ために市民の多くは現在に至るまで、アンケート調査について知る手掛りすら存在しない。
 弊誌が市教委に取材を申し込むと、文書で回答が送られてきた。以下に紹介しよう。
「本調査については、平成25年度に体罰等による懲戒処分事案が多数発生したことを受け、体罰等にかかる教員の率直な意識や傾向を把握し、今後の研修等に活用していくために実施したものであり、公表を前提として行った調査ではないため、対外的に公表することはしていません」
 好意的に読み解けば「研修用の内部資料ですので、外部には発表しません」という説明になるのだろうが、ではなぜ「研修用の内部資料」にしたのかという疑問は残る。教育行政に詳しい関係者が批判する。
「今回の調査は市教委にとって『まずい』数字が並んでいるため、最初から一般に広報することを考えなかった可能性も考えられます。また研修で本当に利用したのかという疑問も検証することができません。これまでの市教委のやり方や対応を考えれば、全てその場しのぎの弁明で糊塗しているに過ぎない、と言わざるを得ないでしょう。調査を発表し、問題点を明らかにしないという市教委の体質こそが、部活動から体罰や暴言を困絶できない原因の1つだということです」
 関係者が重視するのは、校長や教頭という要職=管理職の意識を調査した『②学校全体の振り返り』での設問『Q2 この位なら問題がない等、体罰を容認するような意識を持ったことがある』だという。「持ったことがある」の回答は特別支援学校が0%、小学校は0.7%だったのに対し、中学校では2.4%に達している。
 更に教員全体に訊いた『程度が軽ければ体罰を容認する雰囲気がある』で「はい」と認めた回答は中学校で3.2%、特別支援学校で5.0%、高校では8.2%との結果になった。関係者は「これだけでも市教委は公表をためらったでしょう。それほど酷い数値です」と指摘する。
 更に『上達のためには、軽く叩くことが必要な場合もあると思っている』では男女別の回答が興味深いという。「はい」としたのは女性教員が1%だったのに対し、男性教員は5.8%の「異常値」(同・関係者)を示した。
 また『Q2 特定の生徒(キャプテン等)に対して、見せしめ的な厳しい指導をしてしまったことがある』も女性1.7%、男性7.8%と乖離が著しい結果となっている。
 この連載①でも紹介したが、市教委は分析結果として「部活動指導者は感情的な理由から体罰をするというよりも、体罰も指導の手段の一つだと認識している可能性が高い」と一応は正直に書いている。
(http://www.yellow-journal.jp/series/yj-00000353/)

 こうした「意識」を裏付けている設問と数値は他にもあるという。学校全体の状況に対して調査した『①教育活動の振り返り(一般教員の意識)』での設問『Q5 児童生徒に対して、暴言(不適切な言葉)を使ってしまったことがある』は中学校で18.9%を示し、女性教員11.1%に男性教員は20.6%、部活指導「無」が12.5%で「有」は20%となったことが印されている。
「報告書では『学校別』、『男性と女性』、『部活指導の有無』という3カテゴリーで分析していますが、『中学校の男性教諭で、部活指導有り』という項目はありません。もしデータを抽出したら『暴言を使ったことがある』は30%を越えた可能性も否定できません。ここで疑問が生じるのは単に分析項目に加えなかっただけなのか、それともデータを見て書けないと判断したかです」
 北九州市の保護者にとっては不安を掻き立てられる数字は、まだ他にもある。『Q4 自分本位の指導や、一方的な教え込み型の指導になったことがある』は学校全体で21.5%。『Q8 厳しく指導するタイプの同僚に指導を任せてしまったことがある』も10.1%に上った。いわば「自分は自分、他人は他人」という職場環境で、1人の教師が部活動で異常な猛練習を実施していた場合、管理職や同僚は注意したりして、是正することは可能なのだろうかとの疑問が浮かんでしまう。
 弊誌は2015年12月に『【無料記事】北九州市の中学剣道部が示す「ブラック部活」の実態』との記事を掲載した。
(http://www.yellow-journal.jp/society/yj-00000040/)

 アンケート調査を〝隠蔽〟しただけあり、記事で焦点を合わせた永犬丸中学校(福岡県北九州市八幡西区永犬丸)でも状況は全く変わっていないという。保護者が言う。
「部活で体罰を3回も繰り返した男性教員だけでなく、前校長の管理責任も問題となって2人はそろって異動となりました。しかしながら、新しい校長が着任しても土日の休みを潰す〝ブラック部活〟は継続しています。何も改善されなかったどころか、朝練習に代表される〝過剰練習〟の記録を残さないために職員会議録の作成を止めてしまったんです。校長に誰も反旗を翻せないのでしょうが、記録を残すことなしに改善が実現するはずもありません。永犬丸中学校の教員はプロとしての矜持を捨ててしまったわけです。おまけに前校長は異動先の中学校で〝猛練習〟に明け暮れる異常な部活動を推進し、男性教員も異動先で部活顧問となり、クラス担任も持っています。このことから分かるのは、北九州市教委は公的な発言とは裏腹に、異常な部活動を是正する気がまるでないということですし、前校長や体罰を繰り返した男性教諭は開き直って『自分たちは間違っていない』とアピールしているわけです。これを市教委が放置しているわけで、どうかしているとしか言いようがありません」
 基本に立ち戻れば、アンケート調査は結果を市民にあらいざらい提供し、広範な議論を引き起こすことこそが求められている。それが税金の使い道としては真っ当なのだ。だが市教委は真逆の選択を行った。よほど隠蔽しておきたい内部事情があるということなのだろうか。いずれにしても、ガラス張りの教育は「絶対に嫌」というのが彼らの本音なのだろう。
 最後に学校教育法第11条を引用して、この稿を終わる。
「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」
 北九州市の教員は、一部だけとはいえ「学校教育法なんて守る必要はない。法律の方が間違っているんだ」と考えている者がいるということになるわけだ(了)
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【写真】北九州市教委が2015年12月に発表した懲戒処分の広報資料
(https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000718591.pdf)
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2016年11月21日

【完全無料記事】「Bリーグ」真の実力は「世界40位以下」

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 男子バスケットボールのプロリーグであるBリーグが開幕した。特筆すべきは、やはり床一面にLEDが敷き詰められた鮮やかなコートだろうか。CGが投射されると美しい映像が自由自在に踊り、ゲームの演出としてはトップクラスといっても過言ではない。観客の感動に大きな貢献を果たした。
 ハーフタイムのショーも善戦しており、アルバルク東京と琉球ゴールデンキングスによる開幕戦は満員。リーグ発足の第一功労者であるバスケットボール協会前会長の川淵三郎氏も「90点」と高評価を与えた。
 しかし……。
 フジテレビ系列がゴールデンタイムで中継した開幕戦の平均視聴率は5・3%(関東地区)。これでは放映継続は不可能だろう。しかも、開幕戦で露呈したのは、「競技そのものの実力不足」(関係者)だった。
「要所での得点は外国人選手ばかり。双方で連続してフリースローを外し続ける失態もあり、目を覆わんばかりの実力だった」(同)
 どれだけ派手な演出を前面に押しだしても、リアルな実力は隠しようがない。
 同じ川淵氏がチェアマンとして発足させた、Jリーグの開幕時には、盛りは過ぎたとはいえ、ジーコ(鹿島アントラーズ)、ゲーリー・リネカー(名古屋グランパスエイト)、ラモン・ディアス(横浜マリノス)……といった世界のスターが集結していた。
 更に重要なのは、その後も継続してドラガン・ストイコビッチ(名古屋グランパスエイト)、ドゥンガ(ジュビロ磐田)、レオナルド・ナシメント・ジ・アラウージョ(鹿島アントラーズ)ら実力選手がピッチでレベルの高いプレーを繰り広げ、文字通り日本サッカーの実力を底上げしたことは特筆に値する。
 だがBリーグには客を呼べる外国人選手も招聘できなかった。別の関係者は「日本バスケの実力を冷静に考えれば、これこそが最大のアキレス腱だ」と頭を抱える。
「Bリーグの開幕直前、イランで国際大会『2016 FIBAアジアチャレンジ』が開催されたのだが、日本代表は初戦で韓国に73-80で敗戦。2次ラウンドでも地元のイランに57-68で敗れた。かろうじて進んだ準々決勝でもヨルダンに80-87で敗退。日本はアジアの6位で大会を終えたという体たらくだった」
 これがリアルな実力だとはいえ、問題はスポーツ紙などのスポーツジャーナリズムが大会の惨敗を報じていないことだ。もしサッカーの日本代表が、これだけの大敗を喫すれば、一般紙やテレビを含む大手メディアであっても黙ってはいないだろう。
 むしろ常に善戦しているのは女子バスケだ。世界で15位にランクされ、上位国とも好勝負を演じている。だが男子は世界の48~49位あたりを定位置とし、アジアですらお世辞にも上位国とはいえない。その実力が、そのままBリーグにも反映されているというわけだ。別の関係者は「このままでは2020年東京五輪の開催国枠だって危ないですよ」と言い放つ。こうした現状を知るほどBリーグの派手な演出が、白々しくしか映らないのである(了)
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【写真】攻め込む琉球・喜多川修平(中央)=(開幕戦・国立代々木競技場・撮影:産経新聞社)
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2016年6月24日

【完全無料記事】115回きのうの1面〈参院告示翌日〉6月23日一般紙

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 6月23日朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①スゴイぞ アスパラガス最新情報 ストレスも血圧も軽減
  捨てがちなアノ部分に新成分
・②アッキーの沖縄旅

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・カレー店 給料未払い閉店・解雇 インド人ら〝助けて〟店寝泊まり自主営業
・揚げぬカツ丼…クックパッドの〝神レシピ〟 ヘルシー&時短ワザ
・英国EU離脱? きょう国民投票どうなる日本

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・激ヤセの鳩山邦夫さん 急逝前に炭水化物抜きダイエットか
・九州に大雨〜道路冠水し濁流川も危険
・福島汚染土全国拡散へ!! 大丈夫?

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・九州に記録的大雨爪痕 関東も雨…通勤の足は
・隣人トラブル20年の惨劇…住民約1000人が減刑嘆願の理由は?
・毛染めアレルギー実態

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・豚のしょうが焼き極意
 ①ロース肉VS薄切り肉
 ②漬け込み派VS絡め派
 ③カリッとジューシー 人気店のスゴ技

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①乙武氏 不倫謝罪から3カ月…妻から切り出し…別居
・②都も区も…リオ視察 なぜ必要? 高額のワケ
・③創業家VS経営陣 大戸屋でお家騒動勃発

 では新聞はどうだったのか。2016年6月23日付(木曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「アベノミクス問う 参院選389人立候補 来月10日投票 社会保障・憲法 争点 「「安倍一強」継続か否か」政治部長 前木理一郎 18歳に選挙権」
▽朝日新聞(約710万部)
「問われる安倍政治 アベノミクス・安保法 改憲4党 3分の2焦点 参院選公示 「憲法 避けずに議論を」政治部長 立松朗」
▽毎日新聞(約329万部)
「改憲巡り攻防 「3分の2」議席焦点 経済政策 是非問う 参院選公示 389人立候補「これまでとは違う」政治部長 末次省三」
▽日経新聞(約275万部)
「英離脱リスク 市場備え きょうEU巡り国民投票 FX取引制限の動き 邦銀ドル・ポンド確保 ポンド買い 協調介入も」
▽産経新聞(約161万部)
「自公VS.民共の構図 参院選公示 389人立候補 来月10日投開票 「野党共闘」に温度差 「18歳」初の国政選 「迫る危機 各党の覚悟は」政治部長 有元隆志」
▽東京新聞(約51万部)
「第一声 争点くっきり 参院選7・10投開票 自公アベノミクス加速を 共闘野党 改憲勢力2/3許さない 389人立候補」

 参院選が告示された翌日の紙面でも、日経ブロックが発動した。さすがに全紙共通だと思っていたが、日経はイギリスEU離脱問題の方が重要だったらしい。基本は経済紙だから当然ではあるだろうが、有権者が参院選に関心を示していないことを踏まえているのではないかと言えばうがち過ぎか。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(〝長寿物質〟の研究が進む/参院選)

「伝説によれば、月の世界には霊水がある。名前を「変若水(おちみず)」といい、飲んだ人は若返るという。その霊水を調合した品かどうか、『竹取物語』のかぐや姫も月へ帰るとき、不老不死の薬を帝に献上している」
「以前、本紙で読んだ川柳がある。<寿命より貯金が先に逝っちまい>。長い気が生活苦を連想させる世の中ほど悲しいものはない。さまざまな声のなかに、あすの希望を探す18日間である」

▽朝日・天声人語
(沖縄慰霊の日)

「沖縄市出身の国仲瞬さん(23)は小学生のころ、「平和学習」があまり好きではなかった。沖縄戦の話は暗くて重いからだ。戦争体験者から、例えばこんな話を聞いた。住民が隠れた洞窟の入り口に爆弾が落ちた。ばらばらになった人の体を見た──」
「きょうは「慰霊の日」。71年がたち、戦争を体験した人は減っている。語り継ぐ機会も。それが、基地が存在し続けることに疑問を持たなくなる危険をはらむのではないか。沖縄で、そしてとりわけ本土で▼「がちゆん」。まじめななおしゃべりが求められているのは、決して沖縄の中だけではない」

▽毎日・余録
(九州各地で豪雨)
(http://mainichi.jp/articles/20160623/ddm/001/070/162000c)

「「集中豪雨」という言葉が広まったのは1957年7月25〜28日の諫早豪雨がきっかけといわれる。一昼夜の雨量が1100ミリを超えた場所があった一方、わずか20キロ離れた場所ではその1割にも満たなかったことがこの用語を普及させた▲この時は、川の氾濫や土砂災害などにより長崎県と熊本県で700人以上の死者・行方不明者が出ている。梅雨の後半、前線に向かって南西からの湿った空気が流れ込んで起こる豪雨が「荒れ梅雨」「暴れ梅雨」の正体という。この列島、とくに西日本の宿命である▲だが今季は梅雨入りから20日たっていない九州地方を見舞った大雨だった。熊本県での記録的豪雨に続いて長崎県や福岡県も豪雨に見舞われ、各地に避難指示や勧告が出ている。20日夜半の熊本県甲佐町で記録した1時間の雨量150ミリは観測史上4位の記録だった▲熊本県内では土砂災害などで6人が犠牲になり、宮崎県や福岡県でも死者・行方不明者が出た。この豪雨のさなかにも熊本地震の大きな余震の速報が報じられて、胸が騒いだ。当の被災地の不安に思いをめぐらせば、暴れ梅雨の非情をうらむしかない無力がくやしい▲「時によりすぐれば民のなげきなり 八大竜王雨やめたまへ」は鎌倉三代将軍、源実朝の止雨祈願の歌だ。八大竜王は水をつかさどる竜王で、この歌に竜王をも叱りつけるまっすぐな勢いを感じた明治の俳人、正岡子規は「真心より詠み出でた」「善き歌」と評した▲梅雨前線の活発な状態はなおも続きそうで、緩んだ地盤が心配だ。せめて被災地の窮状にまっすぐに届く「真心」はともにしたい災害列島の住民である」

▽日経・春秋
(イギリスEU離脱問題/参院選)
(http://www.nikkei.com/article/DGXKZO03954700T20C16A6MM8000/)

「 ロンドンについて忘れられぬことを書いてください、と頼まれたら……。食通だった作家の開高健さんは晩年の短編をこう始め、白身魚フライにポテトを添えた「フィッシュンチップス」を挙げた。お堅い新聞で包んでもらっては冷めるのが早い、とのジョーク付きだ。
▼次いで、夕方の酒場の床にまかれたオガ屑である。場所は忘れたが「雨のあとの森のようにいきいきと香りをたてていた」。ソーダの爽やかな音が響き、一日が終わったというささやかだけれど切実な喜びが人の声に感じられたという。欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票後、街に穏やかな日常は戻ってくるのだろうか。
▼英国を二分した10週間だった。金融機関や企業が流出する、と残留派が訴えれば、離脱派は「EUが雇用を破壊した。権限を取り戻そう」と叫んだ。移民へのまなざしも両派で異なる。主張の違いは根が深く、結果を尊重してノーサイドで乾杯、とは落着しない雲行きだ。社会の分断を繕う作業は、そう簡単ではあるまい。
▼一方、我が方は参院選である。多くの有権者が不安視する将来の社会保障で、各党の議論は活発といえない。例えば2025年度に70兆円を超す医療・介護費をどうまかなうか。負担増は世代間の深刻な分断を招くかもしれない。潮は沖へ引いているように見えても、満ちる時は瞬く間だ。熟議にも長い時はかけられない」

▽産経・産経抄
(東京都議団リオ五輪視察問題)
(http://www.sankei.com/column/news/160623/clm1606230003-n1.html)

「選挙のたびに新聞は、候補者の経歴や座右の銘などを紹介している。「尊敬する人」の欄には、明治維新の志士の名前をよく見かける。司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』のなかに、こんな記述があった。
 ▼「要するに、史上名を残した志士というのは、足で取材し、足で伝播した旅行家ばかりということになる」。確かに竜馬も吉田松陰もひたすら諸国を歩いて人に会い、時勢を論じたものだ。それにあやかろうというのだろうか。
 ▼国会議員や地方議員にとって、視察旅行も大事な仕事の一つらしい。リオデジャネイロ五輪・パラリンピックにも、次期開催地の東京都議会の視察団が派遣される。ただ、問題は総勢28人分の経費の金額である。6200万円もの予算が確保されていた。ホテル代などの高騰によって1億円前後になる可能性もある。税金の無駄遣い以外の何物でもない。規模を縮小するのは当然である。
 ▼21日に東京都知事を辞職した舛添要一氏もあきれているはずだ。視察団には、高額な海外出張費をはじめとする、舛添氏の金銭問題を追及していた議員も含まれている。都議団による豪華な海外視察には、これまでも疑問の声が上がっていた。平成20年には、視察団が帰国後に作成した海外調査報告書に、専門家の論文の丸写しが見つかっている。
▼観光という語は、中国の周の時代の古典『易経』にある「国の光を観る」から来ている。もともと他国の政治や文化を視察して、自分の国で役立てるという意味だった。日本では明治に入って、英語の「ツーリズム」の訳語に当てられてから、物見遊山の意味合いが強まった。
 ▼遊覧旅行と見分けがつかない議員の視察の実態を知れば知るほど、観光の語源を忘れてしまいそうになる」

▽東京・筆洗
(鳩山邦夫氏を悼む)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016062302000148.html)

「ある夏の日の軽井沢。小学三年生の兄がきれいなチョウを採ったと飛び込んできた。真っ赤な翅に美しい目玉模様。小学一年生の弟はうらやましくて仕方がなかった▼クジャクチョウ。別荘を飛び出し、<兄が捕まえた場所を何度も何度も歩き回った。しかし、ついには出現しなかった>。兄のいる方ならば、その悔しさが分かるか▼クジャクチョウを手にした兄とは元首相の鳩山由紀夫さん。弟とは二十一日亡くなった自民党衆院議員の邦夫さんである。六十七歳▼二十八歳の若さで衆院初当選。総務相や法相などを歴任する一方でその政治人生は収集していたチョウのように所属政党を飛び回るようでもあった。自民党、無所属、改革の会、自由改革連合、新進党、旧民主党、民主党、無所属、自民党、無所属、自民党…▼政界は感情の世界。これだけ、<ナノハニアイタラ>と飛び回れば、不信感と恨みで花畑を追放されかねないものだが、このチョウは不思議と飛び続けた。問題発言もあったが、頭の回転の速さとどこか憎めぬ風貌と人柄のおかげだったかもしれない▼兄は一九九三年、自民党を飛び出したとき、弟にはその計画を一切伝えていない。兄はその後、首相という巨大なチョウを捕まえたが、弟にはそれがどう見えていたか。<兄が捕まえた場所を何度も何度も歩き回った>。夏の日の思い出が切なくもある」

 コラムで参院選を話題にしたのは読売と日経の2紙にとどまった。とはいえ、コラムは「きょう告示」の22日が競作になったことも大きい。
 読売は最後の1行で参院選になるので少し驚いた。日経もEUと2本立てになっているが、それだけ「書くことがない」参院選なのか。
 相変わらず東京は追悼記事で「世間並み」になる。
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【写真】『池上彰の『マンガでわかる』投票ガイドブック』より
(http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2012/07/tohyo_guidebook_0511.pdf)
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2016年6月23日

【完全無料記事】114回きのうの1面〈参院選告示〉6月22日一般紙

1men

 6月22日(水)朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①最前線! おしゃれレイングッズ
・②ほめて伸ばす! 子どもの発達障害
  子育てにも役立つ注目トレーニング法

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・女性死亡 包丁男が買い物客襲う 緊迫映像…店内で何が
・取材中に豪雨と地震 熊本被災地で被害拡大
・15㌔金塊を質屋へ…盗んだ男は造幣局職員
・海外セレブ続々実践 グルテンフリーって?

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・大型スーパーに刃物男 買い物時…女性ばかり4人死傷
・1億円リオ視察〜都議ら「白紙」が相次ぐ
・東京近郊でクマ度々目撃!! 対策は

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・知事去ってまた一難…リオ五輪視察に1億? 都議の実態を緊急検証
・毎晩クマ出没の現場 恐怖の瞬間を密着取材
・新田理恵家族の支え

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・360度アジサイ公園 都内ベスト3!!
 超穴場350㍍アジサイ小径 
 名勝百選公園に花ショウブとコラボも

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①悲鳴…大型モールに刃物男が通り魔? 女性4人殺傷 売り場は〝パニック〟
・②〝舛添騒動〟その後 都議のリオ視察1億円 またも〝高額出張〟?

 では新聞はどうだったのか。2016年6月22日付(水曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「党首討論 アベノミクスで応酬 首相「継続」 野党「転換」 参院選きょう告示 立候補予定390人 国政初「18歳選挙」」
▽朝日新聞(約710万部)
「改憲・経済 9党首討論 首相、選挙後「憲法審通じ 2/3勢力」 きょう参院選公示」
▽毎日新聞(約329万部)
「首相「成果出してきた」 野党「政策転換必要だ」 党首 アベノミクス論戦 参院選きょう告示」
▽日経新聞(約275万部)
「「後継」アローラ氏退任 ソフトバンク 孫子、禅譲撤回 社長交代時期 認識ずれ」
▽産経新聞(約161万部)
「アベノミクス是か非か 2016参院選 きょう酷似 問われる民共合作の憲法観 志位氏「自衛隊は違憲。必要時には活用する」」
▽東京新聞(約51万部)
「参院選きょう公示 アベノミクス論戦 与党 雇用増 成果強調 野党 格差拡大と批判」

 参院選が5紙で共通トップとなり、日経ブロックが発動された。ちなみに前の日経ブロックは6月14日の紙面で、舛添前都知事が辞任する前日の新聞だった。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(参院選)

「年齢も境遇もさまざまの人々に語りかける仕事が世間にはある。作詞家がそうだろう。不特定多数の誰に向かって語りかけるか、がむずかしいところである」
「政策そっちのけの醜い足の引っ張り合いはご免である。藤田さんの『傷だらけの人生』(歌・鶴田浩二)を借りるならば、♪ 右を向いても左を見ても/ばかと阿呆のからみあい…。有権者にそんな印象を持たれては〝良識の府〟が泣く」

▽朝日・天声人語
(水害)

「自然の無情さに、怒りをおぼえる。地震の被害を受けて2カ月余りの熊本を、豪雨がおそった。住宅に土砂が流れ込むなどして、6人が命を落とした。地震のときと同じように孤立状態に陥った地区もある」
「20世紀前半に活躍したチェコの作家チャペックは、町の人々が雨を待つ姿を書いた。誰もが体内に「なにか、先祖伝来の農民の血が流れているようだ」(「園芸家の一年」飯島周訳)と。雨の大切さは変わらないが、現代の日本ではそれほど牧歌的に語れないかもしれない。九州ではきょうも、大雨のおそれがあるという。備えを警戒を、怠るまい」

▽毎日・余録
(参院選)
(http://mainichi.jp/articles/20160622/ddm/001/070/160000c)

「議案に賛成の者は「もっとも、もっとも」、反対の者は「この条、いわれなし」と声を上げ、その声の大きさで事を決めたという。いや平安時代の話で、場所は比叡山、寺の大事に臨んでの僧徒数千人の集会での多数決のとり方だった▲こんな話をするのも、日本で多数決や選挙で物事を決める慣行を最初に定着させたのが各地の大寺院だったからだ(利光三津夫ほか著「満場一致と多数決」)。僧徒数が少ない時は、紙に記された賛否の表題や候補者名の上に点などの印をつける形で投票が行われた▲点などによる投票を書き入れていく紙は「合点状」と呼ばれた。そう、今は承知するという意味となった「合点」である。「がってん承知」は日本の民主的意思決定の原点だったらしい。今や日本中で書き入れられる「点」を合わせて決められるこの国の未来である▲来月10日の投開票にむけて第24回参院選が始まる。すでに安倍晋三首相が「新しい判断」を理由に消費増税再延期を表明したことで火ぶたを切った選挙戦である。増税延期の「信」を問うという選挙は前にもあったが、その後を知る有権者の反応は当時と同じだろうか▲野党は、民進、共産、社民、生活が1人区で候補を統一する共闘態勢を組んだ。こちらは改憲派が憲法改正の発議に必要な議席の3分の2を占めるのを阻止するのだとして憲法問題の争点化を図る。候補者選びの基準となる争点も自分で見定めるのが今の選挙である▲18、19歳の有権者を迎える初の国政選挙だ。釈然とせぬ点、だまされていまいかと思う点は合点のいくまで問いただした上で投じたい1点、いや1票である」

▽日経・春秋
(中国では「被」の意味が変わりつつある)
(http://www.nikkei.com/article/DGXKZO03907700S6A620C1MM8000/)

「「被」という漢字には「~される」といった受け身の意味がある。何をいまさら、とおっしゃる方も多かろう。では、発祥の地である中国で近年、微妙なニュアンスを帯びるようになったのは、ご存じだろうか。「本当は違うのに、したことにされる」。そんな含みだ。
▼たとえば「被失踪」。天安門事件が起きた6月4日の前後など共産党政権が神経をとがらせる時期に、当局は民主活動家や人権活動家を地方に連れ出したり外部と連絡できなくしたりする。そんなとき、ネット空間では「失踪したことにされた」との表現が飛び交う。だいたい数日のうちにもとに戻るが長引くこともある。
▼先ごろ東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相たちは、南シナ海での中国の動きを批判する声明を発表した。ところが、わずか数時間後には撤回に追い込まれた。親中的なカンボジアなどが強硬に撤回を主張したためだとみられるが、結果として、中国に批判的な声明は「最初からなかったことにされた」といえようか。
▼中国の国内だけでなく、外交の面でも「被」という漢字が存在感を発揮し始めたような印象を受ける。オランダにある常設仲裁裁判所は近く、南シナ海をめぐる中国の主張について判断を示す見通しだ。結果はどうあれ受け入れないと、中国は表明している。仲裁裁判所の判断までも「なかったことにされる」のだろうか」

▽産経・産経抄
(参院選と中国の民主化)
(http://www.sankei.com/column/news/160622/clm1606220002-n1.html)

「1972年9月、日中国交正常化のために訪中していた田中角栄首相の一行はある夜、毛沢東主席の家に案内される。「(周恩来首相との)喧嘩は済みましたか」。会見は、毛主席が日中首脳会談を「喧嘩」に例える有名な言葉で始まった。
 ▼2人の間で、こんなやりとりもあった。毛「日本には選挙があって大変ですね」田中「25年間に11回選挙をしました。街頭演説もやらなければなりません」(『田中角栄と毛沢東』青木直人著)。
 ▼確かに共産党一党独裁の下、指導者は選挙の結果や世論調査の動向に一喜一憂する必要はない。そんな中国で広東省の烏坎村は、「普通選挙の村」として有名である。かつてこの村では、幹部による公有地の不正売却が発覚し、暴動が起きた。地元当局は4年前、特例として村民の直接投票による村長選挙を認めた。選ばれたのが林祖恋氏である。
 ▼もっとも「烏坎に続け」と各地で住民が立ち上がると、ことごとく鎮圧された。烏坎村でもまだ土地問題は解決していない。林氏が当局に抗議する村民集会を計画したところ、治安当局に連行されてしまった。現地では、反発する村民と当局の対立が続いているようだ。▼「一国二制度」の下で高度な自治が保障されているはずの香港に対しても、習近平政権は、圧力を強めている。来年の香港行政長官選挙について、2014年に中国政府が打ち出したのは、民主派を事実上排除する、名ばかりの「普通選挙」だった。これが、「雨傘運動」と呼ばれた街頭占拠デモの発端である。
 ▼第24回参院選が今日、公示される。18歳と19歳が有権者となる、初めての国政選挙である。世界を見渡せば、投票に行きたくても行けない若者がいる。まずそれを肝に銘じてほしい」

▽東京・筆洗
(参院選)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016062202000133.html)

「<頭巾屋は、ガイウス・ユリウス・ポリュビウスを二人委員に推薦します>。イタリア・ポンペイ遺跡で発見された「選挙広告の書かれた壁面」の中にある宣伝文句である▼「ポンペイの壁画展」(本紙主催、七月三日まで)で知った。描かれたのは紀元後五〇年から七九年の間で、ポンペイの最高公職者「二人委員」を決める選挙用の広告だそうだ▼参院選の公示日である。選挙権年齢が十八歳以上となって初の国政選挙である。気になるのは新たに選挙に加わる若者たちの投票率である▼最新の意識調査によれば、十八、十九歳有権者で投票に「必ず行く」「行くつもりだ」は56%。高いといえば、高いのだが、お初の選挙であることを考えれば、高揚感のある数字とも思えぬ。この手の調査には自分を良く見せたいと回答する傾向もあろう。疑り深い小欄の杞憂ならばよいが、実際はもっと低いかもしれぬ▼若者に、関心を持てとか一票の大切さを一方的に説く気はないが、選挙はおもしろいとお薦めしたい▼選挙用ポスターの掲示板を見ていただきたい。いろいろな顔をした人がいる。主張は違っても、どなたも真剣で、この国を少しでも良くしたいと願い、意見をぶつけ合う。訴える。中には叫び、怒り、泣く人もいる。選挙はむき出しの人間の闘い。おそらく、あの古代ローマの頭巾屋も。選挙に興味が湧いてこないか」

 朝日と日経以外が参院選で競作となった。どれも悪い意味で新聞らしい。手堅すぎて面白くないが、東京新聞は19、18歳有権者の低投票率を懸念しているが、それは全体に敷衍されるような気がして仕方がない。史上最低は1995(平成7)年の44.52%だが、上回ってもおかしくないはずだ。

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【写真】6月21日に日本記者クラブで開かれた9党党首討論会(日本記者クラブ公式サイトより)
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