2016年6月22日

【完全無料記事】113回きのうの1面〈高浜原発延長許可〉6月21日一般紙

1men2016-06-22 11.57.04

 6月21日朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①夏に!〝マイボトル〟活用法 モデル必携の飲み物! 渋茶が裏技でピカピカ
・②北海道・出たトコ! 絶景旅

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・参院選の直前に決断…蓮舫氏が都知事選不出馬の意向
・同僚に薬飲ませ? 橋から落とした女逮捕
・70代女性のベッドへ25歳介護職員わいせつ
・寝苦しい梅雨も快眠 眠りのプロ㊙テク伝授

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・出入り禁止を逆恨みか居酒屋壊す!! カメラに一部始終
・英国がEU離脱で大揺れ!! 日本へどんな影響
・目黒駅に突如ウルトラマン現る

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・舛添氏〝最後の登庁〟花束もなく…美術品は あの約束どうなった
・〝プチ整形〟トラブル まさかの失明も…なぜ
・堀北真希に妊娠報道

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・目指せ! 冷蔵庫の達人
・①知って得する収納術 野菜…長持ちの裏ワザ
・②最新! 売れ筋冷蔵庫 驚きの高性能!!

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①29歳女 25歳友人女性を橋から60㍍下に落とし殺害か
  交際男性も睡眠薬で…
・②舛添知事きょう辞職 隅田川花火思わぬ余波
・③クマ凶暴化…なぜ?

 では新聞はどうだったのか。2016年6月21日付(火曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「原発「60年運転」容認 高浜1、2号機 20年延長決定 規制委」
▽朝日新聞(約710万部)
「40年超原発 延長を初認可 規制委 高浜2基 60年運転 解/説 抜け道の懸念 現実に」
▽毎日新聞(約329万部)
「高浜原発 40年超運転 20年延長 規制委、初認可」
▽日経新聞(約275万部)
「パート賃上げ 正社員越え 流通・外食、今年2.20% 深刻な人で不足映す 業種により温度差 バイトも上昇 派遣料金上げ 世帯収入増も」
▽産経新聞(約161万部)
「「野良ロボットが参政権要求」総務省研究所 指摘 AIのリスク 反乱など20項目」
▽東京新聞(約51万部)
「「40年廃炉」なし崩し 老朽原発 初の延長認可 高浜1・2号機 最長で20年 改修に3年必要」

 日経と産経のブロックとは珍しい気がする。高浜原発1、2号機の延長認可問題だが、東京のリードが分かりやすい。

<四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が認められる。延長は「例外中の例外」とされてきたが、初の適用例が決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、三年ほど先になる見通し>

 大規模な改修工事が必要なら、廃炉にして建て直せばいいのにと考えるのは素人だからなのだろう。
 ブロックの1つを担った産経だが、1面にするかどうかの判断はさておき、内容はかなり興味深い。総務省情報通信政策研究所の想定した主なリスクを引用させて頂く。

・人型ロボットが「振り込め詐欺」の引き出し役などに使われる
・廃棄された「野良ロボット」が徒党を組んで参政権などを要求する
・ハッキング攻撃によりロボットやAIが不正に操作される
・五感を備えた遠隔操作ロボットにより外国人テロリストが入国審査を受けずに流入する
・個人の脳と連携したAIやロボットが不正操作で犯罪に使われる
・自動運転車が制御不全に陥る
・遺伝子をもとに故人を再現するロボットによる倫理的な問題
・ロボットやAIによる個人情報収集で誤った情報が拡散する

【コラム】
▽読売・編集手帳
(参院選)

「濁音の表現は不快感を誘うことが多いという。国文学者の池田弥三郎さんによれば、「さま」を濁らせた「ざまあ見ろ」や「かに」(蟹)を濁らせた「がにまた」(蟹股)は、その心理を応用した悪口の一例という◆国語辞典をひらくと、少し手前には濁音仲間の「下策」(へたな策略)がいて、少し後ろには「ゲス」がいる」
「「下策」や「ゲス」を見極める熟慮の季節を前に、体力の養えそうな一句を。<暮れなづむ夏至ビフテキの血を流す>(松崎鉄之介)。ビフテキ。故障もちの胃袋を持つ身には、時どき夢に出てくる濁音である」

▽朝日・天声人語
(憲法改正と参院選)

「ペットショップに入った。いいプードルがいますよ、これ以上の犬はいないですよと言われた。たしかに可愛くてすぐ契約書にサインしたが、問題があった。ドーベルマンを抱き合わせで買わなければならない契約だというのだ▼こんなひどい見せは、現実にはない。しかし政界には、どうも似たような手法があるらしい」
「自民党には憲法改正草案がある。ここは平易に解説した副読本を選挙用に新たに作ってはどうか。草案を独自に解説した新刊「あたらしい憲法草案のはなし」(太郎次郎社エディタス)が参考になるかもしれない▼憲法の精神を示す前文が「日本国民は」でなく「日本国は」から始まるよう変更するのは「国民を必要以上につけあがらせてはいけない、という考えによるものです」。9条に明記する国防軍のことは「世界じゅうのどこへでも国防軍は出かけていってよいのです」▼戦後すぐ、文部省が作った「あたらしい憲法のはなし」のパロディーである。本家は、こう書いた。「(憲法が)じぶんの身にかかわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか」」

▽毎日・余録
(イギリスEU離脱問題)
(http://mainichi.jp/articles/20160621/ddm/001/070/156000c)

「1869年に英国首相グラッドストンはビクトリア女王に書簡を送った。「英国は(欧州で)その時々に生じる事態に、自己の義務が何かを決める手段を自己の掌中にしっかり握っているべきだ」▲「栄光ある孤立」とは19世紀後半から20世紀初めの英国外交を表すものとして19世紀末に使われ出す。当時の欧州の平和は英、仏、独、露、オーストリアの勢力均衡によって保たれ、英国はどの国とも同盟を組まずにいた。5大国のバランサーの役割を果たしたのだ▲日英同盟以後、英仏、英露の協商が組まれたのは、欧州中央に従来の勢力均衡を破壊するドイツの巨大パワーが台頭したからだった。第一次大戦は欧州に惨禍をもたらし、英国は勢力均衡に代わって国際連盟による平和維持を図った。だが、それもナチスが破壊した▲まさか欧州大陸からの21世紀版「栄光ある孤立」をめざすというのか。欧州連合(EU)からの離脱の是非をめぐる国民投票が23日に迫り、残留派女性議員殺害事件による中断から再開した両派の運動も熱を帯びる。各世論調査の平均は双方互角の形勢を伝えている▲もし離脱となれば英経済はもちろん世界経済にも破滅的な悪影響を及ぼす国民投票である。これに対し離脱派は移民への反感を追い風に、残留派が経済的なリスクを過大評価していると反論する。この投票結果が他の欧州諸国のEU離脱派に及ぼす影響も小さくない▲2度の大戦を経て手にした自由で平和な統合欧州の繁栄にもかげりが生じている今日である。しかしそこに背を向ける英国の「孤立」に、歴史を逆戻りさせる自己陶酔以外の「栄光」はあるのか」

▽日経・春秋
(ラマダンとテロ)
(http://www.nikkei.com/article/DGXKZO03859030R20C16A6MM8000/)

「イスラムの世界はいま日の出から日没までの間、飲食を断つラマダンの期間に入っている。先日、東京都内のモスクを訪ねると、日没後にとる食事の準備が始まっていた。食材の香りや食器の音がする。抱いていた「修行」のイメージとは違い、明るい雰囲気を感じた。
▼礼拝にはビジネスマンや留学生など様々な人たちが集まってくる。1日5回のお祈りは大変ではと思っていたが、「体のために1日3回の食事をします。心のための1日5回の礼拝も同じ」とのことだった。小学校帰りの兄弟と思われる幼い子どもが2人やって来て、兄が弟にお手本を示しながら礼拝の作法を教えていた。
▼過激派組織「イスラム国」(IS)はラマダン期間中のテロを呼び掛けているという。昨年もこの時期にテロが相次ぎ、今年も米国でISの影響を受けたとされる男による銃の乱射事件が起きたばかりだ。詳細はなお不明だが、事件の本質は、暴力を用い問答無用で自分の主張を押しつける身勝手な姿勢にあるように思う。
▼モスクの男性に問うと、「テロは間違っている。戦い、克服すべき相手は我欲」との答えが返ってきた。相手の立場を理解しようとせず、力ずくで封じ込めるような土壌が日本でも広がってはいないか。「異文化」だと思っても実際に触れ、話を聞けば「なるほど」とうなずくことは少なくない。努力を怠ってはなるまい」

▽産経・産経抄
(イギリスEU離脱問題)
(http://www.sankei.com/column/news/160621/clm1606210003-n1.html)

「英国は欧州連合(EU)に残留するのか、離脱するのか。国民投票まであと2日と迫った。離脱派のリードが続いてきた世論調査で、このところ、残留派の巻き返しが目立つ。
 ▼言うまでもなく、中部の町バーストールで起きた銃撃事件の影響が大きい。殺された労働党の女性議員ジョー・コックスさん(41)は、残留を強く訴えていた。現場付近は、古くから多くのイスラム系の移民が住んでいる。白人社会との交流は少なかったらしい。
 ▼もともと難民問題に取り組んでいたコックスさんは、両方のコミュニティーを頻繁に訪ねて、融和に努めてきたという。そんな彼女をたたえる声が、離脱派の勢いを止めつつあるようだ。
 ▼警察は犯人の男(52)について、移民を敵視する極右思想との関連を捜査している。男が犯行時に叫んだとされる「ブリテン・ファースト」は、「英国を優先しろ」と訳されていた。英国の主要部をなす大ブリテン島を指すブリテンは、一般的には、北アイルランドを含めた英国そのものを意味するからだ。
 ▼「大海原を統治せよ」。英国の第二の国歌といえる「ルール・ブリタニア」は、ブリテンを擬人化した女神ブリタニアが高らかに歌い上げられている。ただ、その一部であるスコットランドには、英国からの独立を望む声が根強く残る。
 ▼2年前に行われた住民投票では、独立反対が多数を占めた。英国がEUから離脱すれば事情はまったく変わってくる。経済的にEUとの結びつきが強いスコットランドでは、再び英国から独立して、EUへの加盟をめざす機運が高まる。ブリテン=英国でなくなる日が来るかもしれない。そんな事態を避けるために、英国人が本来の現実主義を取り戻しつつあるのではないか」

▽東京・筆洗
(博物館から金塊を盗んで造幣局の職員逮捕)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016062102000136.html)

「「日本侠客伝」「仁義なき戦い」などの脚本家、笠原和夫さんが娯楽映画のシナリオを書くコツを教えている。題して「シナリオ骨法十箇条」。これを守れば、観客の関心をつかんで離さぬシナリオができあがる。「骨法その三」は【オタカラ】である▼主人公にとって何ものにも代えがたいほどに大切なモノのこと。これが敵味方の間でサッカーのボールのように奪い奪われていると、ドラマの核心が観客に理解されやすくなる。<とりわけアクション映画の場合、「オタカラ」は必須>と書いている▼金塊は「オタカラ」の中でもとりわけよく使われる。映画好きなら「黄金の七人」「ミニミニ大作戦」などがすぐ挙がるか。その輝き、ずっしりとした重さもドラマのアヤになりやすいのだろう▼造幣局の博物館から金塊が盗まれた事件である。約六千三百八十万円相当、重さ約十五キロと聞けばアクション映画じみていて、手口も気になるが、何のことはない。逮捕された容疑者はその造幣局職員。職場のオタカラに目が眩んだか▼かつて小判などを製造した金座。職人の退出時は服を脱がせ、髷の中やうがいで口の中も検査したと聞くが、今回、こうもやすやすと持ち出されるとは造幣局も随分、ずさんな管理をしている▼動機はFXでの損失と聞く。地味でも、まっとうに暮らす。それこそが本物の「オタカラ」だったのに」

 イギリスのEU離脱問題で日経と産経が競作となった。面白いのは産経の方だが、専門家が内容を読むと、どんな感想を持つのか。イングランドやスコットランド、アイルランドの人々が、どれほど「ブリテン」の枠組みを重要視しているのかは、なかなか日本人には分かりにくいはずだと思うのだが。

■――――――――――――――――――――
【写真】延長を認可した原子力規制委員会(委員会公式サイトより)
■――――――――――――――――――――