2016年6月24日

【完全無料記事】115回きのうの1面〈参院告示翌日〉6月23日一般紙

1men2016-06-24 10.53.10

 6月23日朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①スゴイぞ アスパラガス最新情報 ストレスも血圧も軽減
  捨てがちなアノ部分に新成分
・②アッキーの沖縄旅

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・カレー店 給料未払い閉店・解雇 インド人ら〝助けて〟店寝泊まり自主営業
・揚げぬカツ丼…クックパッドの〝神レシピ〟 ヘルシー&時短ワザ
・英国EU離脱? きょう国民投票どうなる日本

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・激ヤセの鳩山邦夫さん 急逝前に炭水化物抜きダイエットか
・九州に大雨〜道路冠水し濁流川も危険
・福島汚染土全国拡散へ!! 大丈夫?

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・九州に記録的大雨爪痕 関東も雨…通勤の足は
・隣人トラブル20年の惨劇…住民約1000人が減刑嘆願の理由は?
・毛染めアレルギー実態

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・豚のしょうが焼き極意
 ①ロース肉VS薄切り肉
 ②漬け込み派VS絡め派
 ③カリッとジューシー 人気店のスゴ技

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①乙武氏 不倫謝罪から3カ月…妻から切り出し…別居
・②都も区も…リオ視察 なぜ必要? 高額のワケ
・③創業家VS経営陣 大戸屋でお家騒動勃発

 では新聞はどうだったのか。2016年6月23日付(木曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「アベノミクス問う 参院選389人立候補 来月10日投票 社会保障・憲法 争点 「「安倍一強」継続か否か」政治部長 前木理一郎 18歳に選挙権」
▽朝日新聞(約710万部)
「問われる安倍政治 アベノミクス・安保法 改憲4党 3分の2焦点 参院選公示 「憲法 避けずに議論を」政治部長 立松朗」
▽毎日新聞(約329万部)
「改憲巡り攻防 「3分の2」議席焦点 経済政策 是非問う 参院選公示 389人立候補「これまでとは違う」政治部長 末次省三」
▽日経新聞(約275万部)
「英離脱リスク 市場備え きょうEU巡り国民投票 FX取引制限の動き 邦銀ドル・ポンド確保 ポンド買い 協調介入も」
▽産経新聞(約161万部)
「自公VS.民共の構図 参院選公示 389人立候補 来月10日投開票 「野党共闘」に温度差 「18歳」初の国政選 「迫る危機 各党の覚悟は」政治部長 有元隆志」
▽東京新聞(約51万部)
「第一声 争点くっきり 参院選7・10投開票 自公アベノミクス加速を 共闘野党 改憲勢力2/3許さない 389人立候補」

 参院選が告示された翌日の紙面でも、日経ブロックが発動した。さすがに全紙共通だと思っていたが、日経はイギリスEU離脱問題の方が重要だったらしい。基本は経済紙だから当然ではあるだろうが、有権者が参院選に関心を示していないことを踏まえているのではないかと言えばうがち過ぎか。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(〝長寿物質〟の研究が進む/参院選)

「伝説によれば、月の世界には霊水がある。名前を「変若水(おちみず)」といい、飲んだ人は若返るという。その霊水を調合した品かどうか、『竹取物語』のかぐや姫も月へ帰るとき、不老不死の薬を帝に献上している」
「以前、本紙で読んだ川柳がある。<寿命より貯金が先に逝っちまい>。長い気が生活苦を連想させる世の中ほど悲しいものはない。さまざまな声のなかに、あすの希望を探す18日間である」

▽朝日・天声人語
(沖縄慰霊の日)

「沖縄市出身の国仲瞬さん(23)は小学生のころ、「平和学習」があまり好きではなかった。沖縄戦の話は暗くて重いからだ。戦争体験者から、例えばこんな話を聞いた。住民が隠れた洞窟の入り口に爆弾が落ちた。ばらばらになった人の体を見た──」
「きょうは「慰霊の日」。71年がたち、戦争を体験した人は減っている。語り継ぐ機会も。それが、基地が存在し続けることに疑問を持たなくなる危険をはらむのではないか。沖縄で、そしてとりわけ本土で▼「がちゆん」。まじめななおしゃべりが求められているのは、決して沖縄の中だけではない」

▽毎日・余録
(九州各地で豪雨)
(http://mainichi.jp/articles/20160623/ddm/001/070/162000c)

「「集中豪雨」という言葉が広まったのは1957年7月25〜28日の諫早豪雨がきっかけといわれる。一昼夜の雨量が1100ミリを超えた場所があった一方、わずか20キロ離れた場所ではその1割にも満たなかったことがこの用語を普及させた▲この時は、川の氾濫や土砂災害などにより長崎県と熊本県で700人以上の死者・行方不明者が出ている。梅雨の後半、前線に向かって南西からの湿った空気が流れ込んで起こる豪雨が「荒れ梅雨」「暴れ梅雨」の正体という。この列島、とくに西日本の宿命である▲だが今季は梅雨入りから20日たっていない九州地方を見舞った大雨だった。熊本県での記録的豪雨に続いて長崎県や福岡県も豪雨に見舞われ、各地に避難指示や勧告が出ている。20日夜半の熊本県甲佐町で記録した1時間の雨量150ミリは観測史上4位の記録だった▲熊本県内では土砂災害などで6人が犠牲になり、宮崎県や福岡県でも死者・行方不明者が出た。この豪雨のさなかにも熊本地震の大きな余震の速報が報じられて、胸が騒いだ。当の被災地の不安に思いをめぐらせば、暴れ梅雨の非情をうらむしかない無力がくやしい▲「時によりすぐれば民のなげきなり 八大竜王雨やめたまへ」は鎌倉三代将軍、源実朝の止雨祈願の歌だ。八大竜王は水をつかさどる竜王で、この歌に竜王をも叱りつけるまっすぐな勢いを感じた明治の俳人、正岡子規は「真心より詠み出でた」「善き歌」と評した▲梅雨前線の活発な状態はなおも続きそうで、緩んだ地盤が心配だ。せめて被災地の窮状にまっすぐに届く「真心」はともにしたい災害列島の住民である」

▽日経・春秋
(イギリスEU離脱問題/参院選)
(http://www.nikkei.com/article/DGXKZO03954700T20C16A6MM8000/)

「 ロンドンについて忘れられぬことを書いてください、と頼まれたら……。食通だった作家の開高健さんは晩年の短編をこう始め、白身魚フライにポテトを添えた「フィッシュンチップス」を挙げた。お堅い新聞で包んでもらっては冷めるのが早い、とのジョーク付きだ。
▼次いで、夕方の酒場の床にまかれたオガ屑である。場所は忘れたが「雨のあとの森のようにいきいきと香りをたてていた」。ソーダの爽やかな音が響き、一日が終わったというささやかだけれど切実な喜びが人の声に感じられたという。欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票後、街に穏やかな日常は戻ってくるのだろうか。
▼英国を二分した10週間だった。金融機関や企業が流出する、と残留派が訴えれば、離脱派は「EUが雇用を破壊した。権限を取り戻そう」と叫んだ。移民へのまなざしも両派で異なる。主張の違いは根が深く、結果を尊重してノーサイドで乾杯、とは落着しない雲行きだ。社会の分断を繕う作業は、そう簡単ではあるまい。
▼一方、我が方は参院選である。多くの有権者が不安視する将来の社会保障で、各党の議論は活発といえない。例えば2025年度に70兆円を超す医療・介護費をどうまかなうか。負担増は世代間の深刻な分断を招くかもしれない。潮は沖へ引いているように見えても、満ちる時は瞬く間だ。熟議にも長い時はかけられない」

▽産経・産経抄
(東京都議団リオ五輪視察問題)
(http://www.sankei.com/column/news/160623/clm1606230003-n1.html)

「選挙のたびに新聞は、候補者の経歴や座右の銘などを紹介している。「尊敬する人」の欄には、明治維新の志士の名前をよく見かける。司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』のなかに、こんな記述があった。
 ▼「要するに、史上名を残した志士というのは、足で取材し、足で伝播した旅行家ばかりということになる」。確かに竜馬も吉田松陰もひたすら諸国を歩いて人に会い、時勢を論じたものだ。それにあやかろうというのだろうか。
 ▼国会議員や地方議員にとって、視察旅行も大事な仕事の一つらしい。リオデジャネイロ五輪・パラリンピックにも、次期開催地の東京都議会の視察団が派遣される。ただ、問題は総勢28人分の経費の金額である。6200万円もの予算が確保されていた。ホテル代などの高騰によって1億円前後になる可能性もある。税金の無駄遣い以外の何物でもない。規模を縮小するのは当然である。
 ▼21日に東京都知事を辞職した舛添要一氏もあきれているはずだ。視察団には、高額な海外出張費をはじめとする、舛添氏の金銭問題を追及していた議員も含まれている。都議団による豪華な海外視察には、これまでも疑問の声が上がっていた。平成20年には、視察団が帰国後に作成した海外調査報告書に、専門家の論文の丸写しが見つかっている。
▼観光という語は、中国の周の時代の古典『易経』にある「国の光を観る」から来ている。もともと他国の政治や文化を視察して、自分の国で役立てるという意味だった。日本では明治に入って、英語の「ツーリズム」の訳語に当てられてから、物見遊山の意味合いが強まった。
 ▼遊覧旅行と見分けがつかない議員の視察の実態を知れば知るほど、観光の語源を忘れてしまいそうになる」

▽東京・筆洗
(鳩山邦夫氏を悼む)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016062302000148.html)

「ある夏の日の軽井沢。小学三年生の兄がきれいなチョウを採ったと飛び込んできた。真っ赤な翅に美しい目玉模様。小学一年生の弟はうらやましくて仕方がなかった▼クジャクチョウ。別荘を飛び出し、<兄が捕まえた場所を何度も何度も歩き回った。しかし、ついには出現しなかった>。兄のいる方ならば、その悔しさが分かるか▼クジャクチョウを手にした兄とは元首相の鳩山由紀夫さん。弟とは二十一日亡くなった自民党衆院議員の邦夫さんである。六十七歳▼二十八歳の若さで衆院初当選。総務相や法相などを歴任する一方でその政治人生は収集していたチョウのように所属政党を飛び回るようでもあった。自民党、無所属、改革の会、自由改革連合、新進党、旧民主党、民主党、無所属、自民党、無所属、自民党…▼政界は感情の世界。これだけ、<ナノハニアイタラ>と飛び回れば、不信感と恨みで花畑を追放されかねないものだが、このチョウは不思議と飛び続けた。問題発言もあったが、頭の回転の速さとどこか憎めぬ風貌と人柄のおかげだったかもしれない▼兄は一九九三年、自民党を飛び出したとき、弟にはその計画を一切伝えていない。兄はその後、首相という巨大なチョウを捕まえたが、弟にはそれがどう見えていたか。<兄が捕まえた場所を何度も何度も歩き回った>。夏の日の思い出が切なくもある」

 コラムで参院選を話題にしたのは読売と日経の2紙にとどまった。とはいえ、コラムは「きょう告示」の22日が競作になったことも大きい。
 読売は最後の1行で参院選になるので少し驚いた。日経もEUと2本立てになっているが、それだけ「書くことがない」参院選なのか。
 相変わらず東京は追悼記事で「世間並み」になる。
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【写真】『池上彰の『マンガでわかる』投票ガイドブック』より
(http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2012/07/tohyo_guidebook_0511.pdf)
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2016年6月23日

【完全無料記事】114回きのうの1面〈参院選告示〉6月22日一般紙

1men

 6月22日(水)朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①最前線! おしゃれレイングッズ
・②ほめて伸ばす! 子どもの発達障害
  子育てにも役立つ注目トレーニング法

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・女性死亡 包丁男が買い物客襲う 緊迫映像…店内で何が
・取材中に豪雨と地震 熊本被災地で被害拡大
・15㌔金塊を質屋へ…盗んだ男は造幣局職員
・海外セレブ続々実践 グルテンフリーって?

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・大型スーパーに刃物男 買い物時…女性ばかり4人死傷
・1億円リオ視察〜都議ら「白紙」が相次ぐ
・東京近郊でクマ度々目撃!! 対策は

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・知事去ってまた一難…リオ五輪視察に1億? 都議の実態を緊急検証
・毎晩クマ出没の現場 恐怖の瞬間を密着取材
・新田理恵家族の支え

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・360度アジサイ公園 都内ベスト3!!
 超穴場350㍍アジサイ小径 
 名勝百選公園に花ショウブとコラボも

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①悲鳴…大型モールに刃物男が通り魔? 女性4人殺傷 売り場は〝パニック〟
・②〝舛添騒動〟その後 都議のリオ視察1億円 またも〝高額出張〟?

 では新聞はどうだったのか。2016年6月22日付(水曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「党首討論 アベノミクスで応酬 首相「継続」 野党「転換」 参院選きょう告示 立候補予定390人 国政初「18歳選挙」」
▽朝日新聞(約710万部)
「改憲・経済 9党首討論 首相、選挙後「憲法審通じ 2/3勢力」 きょう参院選公示」
▽毎日新聞(約329万部)
「首相「成果出してきた」 野党「政策転換必要だ」 党首 アベノミクス論戦 参院選きょう告示」
▽日経新聞(約275万部)
「「後継」アローラ氏退任 ソフトバンク 孫子、禅譲撤回 社長交代時期 認識ずれ」
▽産経新聞(約161万部)
「アベノミクス是か非か 2016参院選 きょう酷似 問われる民共合作の憲法観 志位氏「自衛隊は違憲。必要時には活用する」」
▽東京新聞(約51万部)
「参院選きょう公示 アベノミクス論戦 与党 雇用増 成果強調 野党 格差拡大と批判」

 参院選が5紙で共通トップとなり、日経ブロックが発動された。ちなみに前の日経ブロックは6月14日の紙面で、舛添前都知事が辞任する前日の新聞だった。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(参院選)

「年齢も境遇もさまざまの人々に語りかける仕事が世間にはある。作詞家がそうだろう。不特定多数の誰に向かって語りかけるか、がむずかしいところである」
「政策そっちのけの醜い足の引っ張り合いはご免である。藤田さんの『傷だらけの人生』(歌・鶴田浩二)を借りるならば、♪ 右を向いても左を見ても/ばかと阿呆のからみあい…。有権者にそんな印象を持たれては〝良識の府〟が泣く」

▽朝日・天声人語
(水害)

「自然の無情さに、怒りをおぼえる。地震の被害を受けて2カ月余りの熊本を、豪雨がおそった。住宅に土砂が流れ込むなどして、6人が命を落とした。地震のときと同じように孤立状態に陥った地区もある」
「20世紀前半に活躍したチェコの作家チャペックは、町の人々が雨を待つ姿を書いた。誰もが体内に「なにか、先祖伝来の農民の血が流れているようだ」(「園芸家の一年」飯島周訳)と。雨の大切さは変わらないが、現代の日本ではそれほど牧歌的に語れないかもしれない。九州ではきょうも、大雨のおそれがあるという。備えを警戒を、怠るまい」

▽毎日・余録
(参院選)
(http://mainichi.jp/articles/20160622/ddm/001/070/160000c)

「議案に賛成の者は「もっとも、もっとも」、反対の者は「この条、いわれなし」と声を上げ、その声の大きさで事を決めたという。いや平安時代の話で、場所は比叡山、寺の大事に臨んでの僧徒数千人の集会での多数決のとり方だった▲こんな話をするのも、日本で多数決や選挙で物事を決める慣行を最初に定着させたのが各地の大寺院だったからだ(利光三津夫ほか著「満場一致と多数決」)。僧徒数が少ない時は、紙に記された賛否の表題や候補者名の上に点などの印をつける形で投票が行われた▲点などによる投票を書き入れていく紙は「合点状」と呼ばれた。そう、今は承知するという意味となった「合点」である。「がってん承知」は日本の民主的意思決定の原点だったらしい。今や日本中で書き入れられる「点」を合わせて決められるこの国の未来である▲来月10日の投開票にむけて第24回参院選が始まる。すでに安倍晋三首相が「新しい判断」を理由に消費増税再延期を表明したことで火ぶたを切った選挙戦である。増税延期の「信」を問うという選挙は前にもあったが、その後を知る有権者の反応は当時と同じだろうか▲野党は、民進、共産、社民、生活が1人区で候補を統一する共闘態勢を組んだ。こちらは改憲派が憲法改正の発議に必要な議席の3分の2を占めるのを阻止するのだとして憲法問題の争点化を図る。候補者選びの基準となる争点も自分で見定めるのが今の選挙である▲18、19歳の有権者を迎える初の国政選挙だ。釈然とせぬ点、だまされていまいかと思う点は合点のいくまで問いただした上で投じたい1点、いや1票である」

▽日経・春秋
(中国では「被」の意味が変わりつつある)
(http://www.nikkei.com/article/DGXKZO03907700S6A620C1MM8000/)

「「被」という漢字には「~される」といった受け身の意味がある。何をいまさら、とおっしゃる方も多かろう。では、発祥の地である中国で近年、微妙なニュアンスを帯びるようになったのは、ご存じだろうか。「本当は違うのに、したことにされる」。そんな含みだ。
▼たとえば「被失踪」。天安門事件が起きた6月4日の前後など共産党政権が神経をとがらせる時期に、当局は民主活動家や人権活動家を地方に連れ出したり外部と連絡できなくしたりする。そんなとき、ネット空間では「失踪したことにされた」との表現が飛び交う。だいたい数日のうちにもとに戻るが長引くこともある。
▼先ごろ東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相たちは、南シナ海での中国の動きを批判する声明を発表した。ところが、わずか数時間後には撤回に追い込まれた。親中的なカンボジアなどが強硬に撤回を主張したためだとみられるが、結果として、中国に批判的な声明は「最初からなかったことにされた」といえようか。
▼中国の国内だけでなく、外交の面でも「被」という漢字が存在感を発揮し始めたような印象を受ける。オランダにある常設仲裁裁判所は近く、南シナ海をめぐる中国の主張について判断を示す見通しだ。結果はどうあれ受け入れないと、中国は表明している。仲裁裁判所の判断までも「なかったことにされる」のだろうか」

▽産経・産経抄
(参院選と中国の民主化)
(http://www.sankei.com/column/news/160622/clm1606220002-n1.html)

「1972年9月、日中国交正常化のために訪中していた田中角栄首相の一行はある夜、毛沢東主席の家に案内される。「(周恩来首相との)喧嘩は済みましたか」。会見は、毛主席が日中首脳会談を「喧嘩」に例える有名な言葉で始まった。
 ▼2人の間で、こんなやりとりもあった。毛「日本には選挙があって大変ですね」田中「25年間に11回選挙をしました。街頭演説もやらなければなりません」(『田中角栄と毛沢東』青木直人著)。
 ▼確かに共産党一党独裁の下、指導者は選挙の結果や世論調査の動向に一喜一憂する必要はない。そんな中国で広東省の烏坎村は、「普通選挙の村」として有名である。かつてこの村では、幹部による公有地の不正売却が発覚し、暴動が起きた。地元当局は4年前、特例として村民の直接投票による村長選挙を認めた。選ばれたのが林祖恋氏である。
 ▼もっとも「烏坎に続け」と各地で住民が立ち上がると、ことごとく鎮圧された。烏坎村でもまだ土地問題は解決していない。林氏が当局に抗議する村民集会を計画したところ、治安当局に連行されてしまった。現地では、反発する村民と当局の対立が続いているようだ。▼「一国二制度」の下で高度な自治が保障されているはずの香港に対しても、習近平政権は、圧力を強めている。来年の香港行政長官選挙について、2014年に中国政府が打ち出したのは、民主派を事実上排除する、名ばかりの「普通選挙」だった。これが、「雨傘運動」と呼ばれた街頭占拠デモの発端である。
 ▼第24回参院選が今日、公示される。18歳と19歳が有権者となる、初めての国政選挙である。世界を見渡せば、投票に行きたくても行けない若者がいる。まずそれを肝に銘じてほしい」

▽東京・筆洗
(参院選)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016062202000133.html)

「<頭巾屋は、ガイウス・ユリウス・ポリュビウスを二人委員に推薦します>。イタリア・ポンペイ遺跡で発見された「選挙広告の書かれた壁面」の中にある宣伝文句である▼「ポンペイの壁画展」(本紙主催、七月三日まで)で知った。描かれたのは紀元後五〇年から七九年の間で、ポンペイの最高公職者「二人委員」を決める選挙用の広告だそうだ▼参院選の公示日である。選挙権年齢が十八歳以上となって初の国政選挙である。気になるのは新たに選挙に加わる若者たちの投票率である▼最新の意識調査によれば、十八、十九歳有権者で投票に「必ず行く」「行くつもりだ」は56%。高いといえば、高いのだが、お初の選挙であることを考えれば、高揚感のある数字とも思えぬ。この手の調査には自分を良く見せたいと回答する傾向もあろう。疑り深い小欄の杞憂ならばよいが、実際はもっと低いかもしれぬ▼若者に、関心を持てとか一票の大切さを一方的に説く気はないが、選挙はおもしろいとお薦めしたい▼選挙用ポスターの掲示板を見ていただきたい。いろいろな顔をした人がいる。主張は違っても、どなたも真剣で、この国を少しでも良くしたいと願い、意見をぶつけ合う。訴える。中には叫び、怒り、泣く人もいる。選挙はむき出しの人間の闘い。おそらく、あの古代ローマの頭巾屋も。選挙に興味が湧いてこないか」

 朝日と日経以外が参院選で競作となった。どれも悪い意味で新聞らしい。手堅すぎて面白くないが、東京新聞は19、18歳有権者の低投票率を懸念しているが、それは全体に敷衍されるような気がして仕方がない。史上最低は1995(平成7)年の44.52%だが、上回ってもおかしくないはずだ。

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【写真】6月21日に日本記者クラブで開かれた9党党首討論会(日本記者クラブ公式サイトより)
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2016年6月15日

【完全無料記事】106回きのうの1面〈舛添辞任の前日〉6月14日一般紙

1men2016-06-15 12.24.44

 私たちは6月15日(水)に舛添都知事が辞任したことを知っている。そんな観点から6月14日(火)朝刊のテレビ欄を見てみよう。具体的には、この日の午後に舛添氏は辞任勧告を拒否し、とうとう不信任案は提出されなかったという1日だったのだが、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①肩こり 腰痛・むくみも改善! 驚き! 簡単ストレッチ かけっこも速くなる!?
・②極上! 〝ふりかけ〟最前線

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・優香結婚 公造が調査! お相手の36歳個性派俳優の素顔
・疑惑追及! 舛添知事VS議員
 ①記憶にない…連発で深まる謎
 ②辞任避けられず? 
・被災地 石原軍団&木村拓哉ら子どもと交流で母親が涙

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・舛添知事
 ①美術品また新疑惑が!! 集中審議で報告書に矛盾も
 ②潮目変わった…不信任案に与野党は?
・みそ汁に薬物!! 夫死亡で妻逮捕

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・舛添知事…深まるナゾ〝ラストチャンス〟の集中審議を徹底検証! 危機管理は
・優香結婚 相手はアノ実力派俳優
・田丸麻紀プチプラ服

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・快適生活 今選ぶべきマンション
 ①気分は高級マンション!! 大浴場&カラオケ完備
 ②バリアフリー最前線 シニアも安心!!

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①舛添氏「全て給料を辞退…」自民都議〝追求〟甘く〝進退〟各党の思惑は
・②小林麻央33歳再入院 海老蔵〝家族への愛〟乳がん闘い…応援の声

 では新聞はどうだったのか。2016年6月14日付(火曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

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【写真】日本共産党都議団のビラより
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【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「舛添氏辞職論強まる 不信任案 公明も提出検討 野党きょう提出 舛添氏「リオまで猶予を」」
▽朝日新聞(約710万部)
「舛添知事 辞職不可避 自公、不信任案提出も 集中審議 本人は「時期猶予を」」
▽毎日新聞(約329万部)
「自民、辞職要求へ 舛添氏「進退、リオ後に」都議会集中審議」
▽日経新聞(約275万部)
「世界株安・円高が進行 英離脱警戒 マネー萎縮 テロ・政治リスク意識」
▽産経新聞(約161万部)
「舛添知事 辞職不可避 公明、不信任案提出へ 自民、自発的な決断促す 死亡の出版社社長 面会か」
▽東京新聞(約51万部)
「舛添知事 従来説明繰り返す 5会派 辞職要求 集中審議 自民は言及せず 給与全額返上の意向 「不信任案 リオ五輪後まで猶予を」 ホテル面会者名語らず」

 日経以外の5紙は舛添問題となった。
 その5紙の中で、見出しを事実の伝達に留めたのが東京と毎日で、最も無難と言える。
 他の3紙は辞職について踏み込んだが、最も巧妙な手を使った、もしくは誤報を恐れて真っ向勝負を避けたのが読売だろうか。
 たとえ、この段階で舛添都知事が議会を解散させても、「辞任『論』」が強まっていたのは間違いないからだ。週刊誌や東スポの見出しと似たテクニックだろう。
 朝日と産経は「辞職不可避」と直球をど真ん中に投げた。昨日の夜あたりには誤報だったかと焦った関係者はいなかったのだろうか。
 日経ブロックが前回に発動したのは4月28日の紙面。他5紙が三菱自動車の燃費不正問題を取り上げた中、IHIの記事を載せて以来となる。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(舛添都知事政治資金問題)

「夏目漱石『草枕』で髪結いの親方が言う。<もしもの事があった日にゃ、法返しがつかねえ訳になりまさあ>法返しは漱石得意の当て字で正しくは「頬返し」、口に入れた食べ物を舌で転がして噛むことである。◆「頬返しがつかない」とは頬張りすぎて噛みも呑みもならぬ様子を言い、転じて、手に負えない事態を指す。政治資金のつまみ食いが過ぎると頬返しはおろか、弁舌もままならぬらしい」
「つまみ食いで頬返しがつかず、目を白黒させた人が首都の顔とは情けない。この文章を書きながら、困った。都知事という役職の頭に、わが指先は「前」の一字を付けたがる」

▽朝日・天声人語
(舛添都知事政治資金問題)

「先月来しばしばテレビに「龍宮城」が映る。といっても浦島太郎が過ごした城ではない。舛添要一東京都知事が政治資金で泊まったスパホテルだ。千葉県木更津市にある」
「言葉で相手をねじふせるのは舛添氏がもっとも得意としてきたことだ。それが今回はことごとく裏目に出る。問題とされた支出の釈明には、およそ誠実さが感じられなかった。能弁でならした知事はすでに龍宮の海でおぼれている。政治の言葉の「信義」を見失ったせいだろう」

▽毎日・余録
(オーランド乱射事件)
(http://mainichi.jp/articles/20160614/ddm/001/070/192000c)

「人が他人に対し攻撃的になるのは欲求不満や不快な感情の表れだが、それだけで実際に攻撃に踏み切るのではない。攻撃行動はその手がかりとなる刺激によって起こるという「攻撃手がかり説」を唱えたのは米心理学者バーコビッツだった▲バーコビッツが行った実験では、欲求不満状況に置かれた人の攻撃性を明らかに高めたのは目の前に銃が置かれた環境だった。銃はそれが目に入るだけで攻撃を押しとどめてきた心の歯止めを取り払い、人を暴力の迷路へと誘い込むあやしいオーラを放つものらしい▲そういうことは十分すぎるほど知り、経験してきた米国社会のはずである。4人以上が死傷した銃発砲事件は今年だけで136件にのぼる。その国にあって、「史上最悪」という乱射事件が起こってしまった。フロリダ州オーランドでのナイトクラブ襲撃事件である▲射殺された容疑者は犯行声明のあった過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を示していた。またクラブは同性愛者が集まる店だったことから、米国内のヘイトクライム(憎悪犯罪)としての性格もあろう。一匹オオカミ型テロとしてもかつてないパターンである▲鬱屈した憎悪を犯行へ駆り立てた「手がかり」は一つに銃社会という環境、もう一つはISによるテロ扇動という刺激だろう。この事件でオバマ大統領は改めて銃規制を訴えたが、一方でトランプ氏のようにイスラム教徒への差別を正当化しようという反応も現れた▲平和な日常に突然口を開けて人命をのみ込む暴力の「手がかり」を減らすのか、それとも増やすのか。事件が照らし出したのは分かれ道に立つ米国社会だ」

▽日経・春秋
(オーランド乱射事件/イギリスEU離脱問題)

「人の体から摘出された、という銃弾を見たことがある。殺傷力が高いタイプと説明を受けた。間近で見ると、細身のたばこのフィルターほどの大きさで、意外にもきゃしゃな印象なのだった。引き金の操作だけで、瞬時に人命を奪う武器の怖さが、じわりと迫ってきた」
「トランプ氏は「イスラム教徒の入国規制」を改めて訴えた。銃規制に反対の立場だ。2億7000万丁を市民が所持する国は巨大な火薬庫同然にみえる。事件は英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票で「移民に仕事を奪われる」と訴える離脱派を勢いづかせる可能性がある。銃口が世を動かすとは何とも心が重い」

▽産経・産経抄
(オーランド乱射事件)
(http://www.sankei.com/column/news/160614/clm1606140003-n1.html)

「米議会で1934年に制定された連邦銃器法のきっかけとなったのは、当時のギャング団の存在である。マシンガンをぶっ放し、血なまぐさい抗争を繰り広げていた。
 ▼クリントン政権下では、新たな銃の規制法「ブレイディ法」が生まれる。81年のレーガン大統領暗殺未遂事件で重傷を負った、報道官の名前が付けられた。しかしその後、「銃なき社会」への動きは止まってしまう。
 ▼銃の所持は、憲法で認められている。自分の身を自分で守る。憲法と文化が、銃規制の必要性を訴えるオバマ大統領の前に立ちふさがった。皮肉なことに、深刻な銃犯罪が発生するたびに、銃の売り上げが伸びている。先週末、とうとう最悪の事態を迎えた。フロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた銃乱射事件で、死者は49人に達した。犯人の男は、警察特殊部隊によって射殺された。
 ▼事件は、大統領選にも大きな影響を与えそうだ。とりわけ共和党のトランプ氏の鼻息が荒い。「イスラム教徒の米国への入国を一時的に禁止する」。かつて物議を醸した自分の発言の正しさが、裏付けられたと主張する。米国生まれの犯人は、アフガニスタン出身の両親のもとで育った。警察にかけた電話には、過激組織「イスラム国」(IS)への忠誠を誓う発言があった。ISも事実上の犯行声明を出している。
 ▼昨年12月にカリフォルニア州で14人が亡くなった銃乱射事件も、ISに関連していた。「人を殺すのは人であって、銃ではない」。トランプ氏を支持する、全米ライフル協会のスローガンも後押しする。
 ▼いや、テロを招いているのは、簡単に銃が手に入る社会の構造である。世界をリードしてきた国で、なぜこんな単純な理屈が通用しないのか。」

▽東京・筆洗
(オーランド乱射事件)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016061402000124.html)

「「荒野の用心棒」などの映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネさんの元に一本の仕事が舞い込んだ▼当時、大物女優に頼まれていた仕事があったので、断ると脚本を読んでくれとしつこい。一応読んだ。断ることにした。断ったのは大物の仕事の方だった。こうしてイタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」(一九八八年)の音楽を担当することになった▼脚本を読んだだけで作品の良さが分かったという。<素晴らしいのはキスを通して映画の歴史を語ろうというアイデアだった>。筋は明かさないが、ラストは過去の映画作品のあまたのキスシーンによって編集されている。キスに次ぐキス。またキス。見ているだけで温かい物のおすそ分けにあずかり、人間の営みとは必ずしも悪いことばかりではないと信じたくなる▼キスシーンが引き金になった可能性があると聞き、沈黙する。四十九人が死亡した米フロリダ州の乱射事件である。同性愛者に人気のクラブが標的になった▼容疑者は数カ月前、男性同士がキスをする光景を見て激怒していたという証言がある。「偏見」という歪んだ眼鏡で見れば、情愛あふれる光景にさえ憎悪をかき立てられるのか▼銃を置く。当然とはいえ、その前にできるのはその眼鏡を捨てることであろう。人がキスしている。そのまま見る。尊く、温かく、切ない姿しか映らぬはずである」

 真っ二つの競作になったのは極めて珍しい。
 舛添問題を読売と朝日が選び、オーランド乱射事件を毎日、日経、産経、東京が書いた。
ただ内容は総じて低調で、いかにも新聞的なコラムの枠内を出ない。
 印象に残ったのは産経のストレートな怒りと、読売の「前」という不気味な予言(?)だろうか。特に後者は積極的に舛添批判を繰り広げており、首を取ったという印象さえ受ける。

2016年6月7日

【完全無料記事】100回きのうの1面〈舛添弁護士会見〉6月7日一般紙

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 6月7日朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①健康効果続々!〝キヌア〟登場
  驚きスーパーフード 美味レシピ 食物繊維 鉄分豊富
・②増税延期で波紋も

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・舛添知事 調査結果会見…議会で質問・野党議員と見た
・保育施設で女児死亡 ずさん実態…母の怒り
・雨の日でもピクニック…最新人気屋内施設
・建築面積わずか7坪 2つの夢をかなえた家

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・舛添氏に第三者が指摘 不適切も違法でない…続投を宣言
・W不倫!! ファンキー加藤が芸人元妻と…妊娠も
・一晩ホタルが1000匹消える

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・ショーンKはどこに…「長野滞在説」を追う
・続投表明! 舛添知事別荘売却…残るナゾ
・真矢VS松田聖子夢対談 満載! お宝映像&秘話

▽なないろ日和!(テレビ東京)
・一生健康 元気で過ごす秘訣とは 
 プロが教える㊙筋トレ
 手軽に下半身を鍛える 若々しく優雅な歩き方 美しい姿勢に!

▽とくダネ!(フジテレビ)
・舛添知事〝第三者の目〟判断は
 ①ホテル三日月&絵画 回転寿司は「不適切」
 ②別荘は…けじめ売却
 ③続投表明に都民は?
・小2男児きょう退院

 では新聞はどうだったのか。2016年6月7日付(火曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

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【購読記事の文字数】約4000字
【写真】6月6日の記者会見を伝える都HP『知事の部屋』
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【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「舛添氏支出 113万円不適切 宿泊費飲食費「返却など必要」調査結果公表 「違法性なし」辞職は否定」
▽朝日新聞(約710万部)
「舛添氏支出「一部不適切」政治資金調査報告 違法性は否定 知事続投を表明 視/点「問われる知事の信頼性」(吉浜織恵)」
▽毎日新聞(約329万部)
「舛添氏支出「一部不適切」政治資金 宿泊や飲食費 第三者調査 都知事辞職は否定 解説「有権者納得ほど遠く」(篠原成行)」
▽日経新聞(約275万部)
「全製鉄所、一体で運営 JFE 需給変動に即応 納期3割短縮 IoTも活用」
▽産経新聞(約161万部)
「政治資金疑惑 舛添知事 440万円不適切支出 調査結果「違法性ない」続投表明」
▽東京新聞(約51万部)
「宿泊、飲食「20件は私的」美術品「趣味的、多すぎ」 舛添知事支出「一部不適切」弁護士調査「違法性なし」 政治資金125万円超返還、続投 遠い信頼回復 都議会 集中審議へ」

 日経以外が舛添都知事をトップとした。この問題、ここでピークを迎えたのか、それとも辞任へ続く第一歩なのか。ご本人が逃げ切れると思っているらしいということ以外は、なかなか判然としない。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(舛添都知事政治資金問題/中盤=川崎市でのヘイトスピーチ中止))

「通勤の道すがらアジサイが目を引いた。薄い青から紫へと変色していく日本原産の花である」
「政治資金を巡る公私混同ぶりはやはり政治家の美質を欠いている。責任を問う声に誠実にこたえたとも言い難い。<紫陽花やきのふの誠けふの嘘>。正岡子規の句をつぶやいておく」

▽朝日・天声人語
(川崎市でのヘイトスピーチ中止)

「本物のアドルフ・ヒトラーが突然、現代のドイツによみがえる。本人は大まじめで外国人への差別的な発言を繰り返すが、周りはそっくりさんだと思って大笑い。芸人として人気者になる▼ドイツのベストセラー小説「帰ってきたヒトラー」が不気味なのは、徴収が笑いながらも彼の弁舌にひきこまれていくことだ」
「「差別を娯楽にするんじゃないぞ」川崎で、デモに反対する人のそんな声を聞いた。いまもこれからも、警戒しなければならない落とし穴であろう」

▽毎日・余録
(舛添都知事政治資金問題)
(http://mainichi.jp/articles/20160607/ddm/001/070/159000c)

「けちを俗に「六日知らず」という。日にちを勘定するとき1日、2日……と指を折って、5日で握りこぶしとなる。一度握ったら放さないから6日以上は数えられない。吝嗇を笑う落語のまくらだ▲けちが噺のたねにされるのは寄席のお約束で、金を払ってまで噺を聞く客にけちはいないわけだ。逆に言えば、客は金を払っても吝嗇家を笑いたいということか。今なら寄席に行かなくても、しばしば開かれる記者会見で自分の金を使いたがらない知事の話を聞ける▲で、今度は政治資金の私的流用疑惑の調査を依頼した弁護士同席で会見にのぞんだ舛添要一東京都知事だった。「極めて恥ずかしい行動をとってきた」とは「第三者」とされる弁護士の調査結果を受けての知事の反省だが、さてこれで客席、いや都民は納得するのか▲美術品や書籍の購入、家族同伴のホテル代、自宅や別荘周辺の飲食といえば、この間の報道で今やあれこれ具体的な支出が頭に浮かぶ方も少なくなかろう。調査報告ではそれらについて政治資金の支出として「不適切で是正が必要」という言葉が何度もくり返された▲何しろ庶民感覚からしてもちまちました流用疑惑だ。知事にすれば「違法でない」とのお墨付きが得られれば、しのげると踏んでいよう。だがこの手の公私混同が寄席の小噺のたねのようにされ、ここまで世人の興味と関心を盛り上げた現実を見くびってはいけない▲中国の古い字典によれば「公」という字の「ム」はものを私することで、「八」はそれに背を向けることという。きょうから議会の代表質問を受けて立たねばならない東京都の「公人」トップである」

▽日経・春秋
(スペースXが2024年に有人宇宙船を火星に飛ばすと発表)

「〽︎小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを…。坂本九さんが歌って大ヒットした「見上げてごらん夜の星を」は、もともと同名のミュージカルの主題歌だった」
「SFの世界ではよくあることだが、想像が現実になる可能性も視野に入ってきた。米国のベンチャー企業スペースXが、2024年をメドに有人宇宙船を火星に飛ばすという。地球に最も近づいたときでさえ月よりおよそ200倍も遠い星への旅。夜空を見上げて抱く感傷もいいけれど、8年後を思うわくわくも悪くない」

▽産経・産経抄
(田野岡大和くんが6日ぶり保護/舛添都知事政治資金問題)
(http://www.sankei.com/column/news/160607/clm1606070003-n1.html)

「漫画「クレヨンしんちゃん」が世に現れて25年、かつては母親たちから有害図書扱いされた時期もある。最近では、しんちゃんのいたずらに振り回される野原家こそ、理想の家族とする見方も出てきた。
 ▼なかでも家族を愛してやまない父親、ひろしの言動が注目されている。『野原ひろしの名言』(大山くまお著)という本まで現れた。「押し付けることがしつけじゃねぇんだ! 自分からやらなきゃ意味がねぇんだよ!」「自分の子どもに『くたばれ』って言う親がどこにいる? 親は子どもに『生き抜け』って言うもんだろうがーっ!」。
 ▼北海道北斗市の小学2年、田野岡大和君(7)が、父親のしつけのために山中に置き去りにされたのは、先月28日だった。約5時間歩いて自衛隊施設にたどりつき、6日後に発見されるまで、水だけで生き抜いた。
 ▼驚くべき生命力は、世界中で報道されている。謝る父親に、大和君はこう告げた。「お父さん優しいから、許すよ」。野原家のような明るい家庭に一日も早く戻れるよう、願うばかりである。
 ▼良き父親という点で、舛添要一東京都知事は申し分ない。温泉旅行や外食で、家族との時間を大切にしてきた。「クレヨンしんちゃん」のファンでもあるらしい。ただ知りたいのは、それらを含めた私的な事柄としか思えない支出に政治資金が使われている理由である。
 ▼舛添氏は昨日、弁護士とともに、記者会見を行った。一部については不適切ではあるが、違法ではない。これが弁護士の調査の結論だった。舛添氏は、飲食費などを返金し湯河原の別荘を売却した上で、続投する意向を明らかにした。舛添氏がいくら優しいお父さんでも、都民としてこんなけじめのつけ方を許せるはずがない」

▽東京・筆洗
(甘利明氏が議員活動再開)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016060702000122.html)

「当時は古くて、みすぼらしい議員宿舎だった。一九九二年の冬だったか。一室のチャイムを押すと、当選回数も浅い若い国会議員が顔を出す。部屋に上がってもいいが、話はちょっと待ってくれという▼何事かと思えば、テレビドラマを見たいという。新米記者の身である。付き合うしかない。二人の男が宿舎でドラマを黙って見る。奇妙な光景である▼ドラマの中でベテランの国会議員がゴルフ場の建設に絡み、怪しげなカネを業者からもらっていた。この議員の長男でもある公設秘書は悩み続ける。自分もいずれは父親の後を継いで政治家になりたい。それでも、こんなことを許していいのか。秘書は迷った末に父親の不正を告発する。そんな筋だったか▼テレビの前の議員を盗み見て、うろたえる。目を潤ませている。理由は分からない。議員は黙ってテレビを消し、こちらは記事にもならぬ国会の見通しを聞き帰った。二十四年前の寒い晩である▼話はこれでおしまいである。付け加えるとすれば、議員のその後か。当選を重ねた。出世した。そしてあのドラマではないが、現金授受問題で刑事告発され、嫌疑不十分で不起訴処分となった▼昨日、政治活動を再開したと聞いた。人間らしくまっとうに生きよう。そう語る青臭いドラマの題名を思い出した。「愛という名のもとに」。あの夜を思い出すことはあるだろうか」

 舛添都知事が読売、毎日、産経で、ヘイトスピーチが読売と朝日で競作となった。各紙ともいずれも話題の題材を選んでいるが、全体的に文章が事実に負けているだろうか。そんな中、東京は筆者のリアルな体験だから、ちょっと読ませる。

2016年4月28日

【連載・無料記事】第65回 きのうの1面 4月28日一般紙

1men2016-04-28 20.43.10

 4月27日朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①熊本阿蘇名産牛乳は?
・②達人に学ぶ〝家事の時間割〟 
・堀ちえみ&滝沢真規子
・定点カメラお宅撮影 技公開

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・ベッキー告白! 恋愛だった会見は誤り…直筆手紙に書いた胸中
・被災者「きちんと説明して」半壊住宅の調査に不満
・前田健さん……死因は虚血性心不全
・動機は 生後間もない男児殺害

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・ゲス不倫ベッキーから直筆手紙!!「愛憎劇」今の胸中は
・被災中学 欲しい物リストに高額商品…賛否
・今年GW 逆お遍路ご利益5倍!?

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・ベッキーから文春へ…直筆手紙で心境を激白「奥様に謝りたい…」
・ものまね芸人突然死 原因は? どう防ぐ?
・格安で移住! 伊豆高原

▽なないろ!(テレビ東京)
・大山詣り 日本遺産に認定!!
・GWフリー切符・日帰り旅
・ケーブルで阿夫利神社二つ星〝神の眺望〟を拝む、開運散策

▽とくダネ!(フジテレビ)
・①謝罪…「ベッキー手紙」報道 事務所明かす〝心情〟 稼ぎ頭はあの一発屋?
・②禁断〝フグ肝〟提供会員制料理店…実態は
・③プリンス氏急死の謎

 では新聞はどうだったのか。2016年4月27日付(水曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

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【購読記事の文字数】約4600字
【写真】三菱自動車公式サイトより
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【1面見出し】
▽読売新聞(約926万部)
「燃費 走行データ無視 三菱自 目標達成へ捏造 国交省指摘 益子会長辞任へ」
▽朝日新聞(約710万部)
「三菱自 91年から不正測定 社長「会社存続に関わる」」
▽毎日新聞(約329万部)
「燃費不正 三菱自社長、引責辞任へ 91年から違法測定」
▽日経新聞(約275万部)
「IHIが航空整備拠点 LCC対等で需要急増 エンジン向け20年ぶり新設」
▽産経新聞(約161万部)
「燃費データ 三菱自 25年前から不正 社長「会社存続に影響」」
▽東京新聞(約51万部)
「三菱自 不正25年「伝承」 燃費問題 法令と異なる測定 91年から パジェロなど疑い」

 テレビの情報番組も含め、非常に興味深い結果となった。
 まず今回の「日経ブロック」だが、かなり問題があるのではないか。これまで日経が1紙だけ独自のニュースをトップとしたのは、他紙の1面トップが経済ニュースではないという明白な理由があった。
 やはり日経は経済紙なんだということで納得していたのだが、今回の判断は、それこそ誤解を招いてしまうのではないか。
 テレビも三菱の問題を取り上げてはいる。だが、冒頭に紹介させて頂いたように、ラテ欄には全く記述がない。その辺りから邪推したくなるのは、三菱自がCMに相当な予算をかけているという事実との関係だ。
 そのあたり新聞はかなりいい加減で、ちゃっかり広告をもらいながら、叩く時は容赦なく叩くというところがある。実際に全国紙の読、朝、毎、産、東は全てそうだ。
 かつて日経は業界紙であり、「提灯記事ばかり」という悪評が多かったことはよく知られている。
 それが量と質を拡大させ、今では経済紙でありながら、全国紙の一翼を担っている。今回の1面トップの選択はIHIのニュース性からやむを得なかったのかもしれないが、やはり日経だからこそ、他の全国紙より大きなスペースを三菱問題に割くべきではなかっただろうか。文字通り、日本経済を揺るがす大ニュースであることは論を俟たない。
 また全国紙側も、興味深い展開となった。
 三菱自の燃費不正問題だが、辞任ニュースが読売と毎日で異なった。
 読売は<三菱自動車の益子修会長兼最高経営責任者(CEO)(67)が辞任する見通しとなった>とし、
 毎日は<三菱自動車の相川哲郎社長が、軽自動車の燃費データ不正問題の責任を取り、辞任する意向を固めたことが26日分かった>
 とした。
 どちらも正しければ会長と社長が辞めることになるが、実際にその可能性は高いのではないだろうか。ここまでのことをしておいてトップが居座れば、それこそ炎上してしまうに違いない。
 とはいえ、今後の推移を見ながら、両紙の〝初報〟を検証する必要があるかもしれない。
 最後に、よりによって朝日と産経の見出しが、かなり近似したものになっているのが目を惹いた。とはいえ、これだけ同じニュースを扱いながら、異なる見出しになっていることの方が圧倒的に多く、それは本当に感服させられる。

【コラム】
▽読売・編集手帳
(東京五輪エンブレム決定)

「藍は手間がかかる。古くから有数の産地として知られた阿波(徳島県)吉野川の北、通称・北方に伝わる俗謡がある。<阿波の北方おきゃがりこぼし 寝たと思うたら はや起きた>。起き上がりこぼしのように寝る暇もない、と」
「旧エンブレムが盗用疑惑で白紙に戻る騒動を経て、2020年東京五輪・パラリンピックの新しいエンブレムが決まった。日本の伝統色である藍色を用いている。江戸古来の市松模様に想を得た図柄は、名付けて「組市松紋」という。涼やかで小粋な文様である◆<みどり子の欠伸の口の美しき>(江戸期の雑俳集『武玉川』)。多くの人に愛されて、すこやかに育つといい」

▽朝日・天声人語
(ハンセン病患者特別法廷問題)

「小さなどら焼き店の雇われ店長が、突然訪れたおばあさんから雇ってほしいと言われる。50年の経験があると言って持参してきたあんは、香りも甘みも奥深かった。彼女の曲がった指が気になったが、「客の前に出なきゃいいんだ」と採用を決める▼元ハンセン病患者を主人公に、ドリアン助川さんが書いた小説『あん』である」
「最高裁は開廷の張り紙が療養所の正門などに貼られていたのを理由に「一般の国民の訪問が不可能であったとまでは言えない」としたが、強弁ではないか▼作家の北条民雄は患者として隔離された後に執筆を本格化した。ハンセン病を題材にするのは、2千年に及ぶ患者たちの苦痛が目に映るからだと書いた。長く続いた差別をなくす方へと、前進しているのは間違いない。しかしその歩みはあまりに遅い」

▽毎日・余録
(三菱自動車燃費不正問題)
(http://mainichi.jp/articles/20160427/ddm/001/070/103000c)

「米国の中古車市場が油断ならぬことは、有名な詐欺師が「俺は中古車のセールスマンではない」と居直ったのでも知れる。その市場で外観はいいが中身がボロボロの車を「レモン」と呼ぶのは、皮が厚くて中身が分からぬたとえである▲このように商品の本当の品質を知る売り手と知らない買い手からなる市場を「レモン市場」という。その研究でノーベル賞を受けた米経済学者アカロフ氏によれば、買い手が売り手を信用しない市場では結果的に品質の悪いレモンばかり出回ることになるからである▲さて、まさか新車までレモンに警戒せねばならないのかと耳を疑う品質偽装が続く昨今である。先日は三菱自動車が軽4車種の燃費性能のデータを改ざんしていたことを公表、また多くの他車種で国の定める走行試験と異なる試験を行っていたことも明らかになった▲三菱自動車といえば死亡事故まで起こした過去2度の大規模なリコール隠しの記憶がよみがえる。それによる経営危機からようやく脱するかに思われた矢先の新たな背信の発覚である。買い手が知らなければいいというレモン売りの魂胆が骨がらみとなっていたのか▲この不正が提携先の日産の指摘で明るみに出たのも情けない。リコール隠しの教訓はどこへやら、社内の自浄作用は働かず、不都合な情報は隠された。この先、巨額補償の修羅場が待つのは間違いなく、まさに企業危機管理の教科書に最悪の実例を提供したかたちだ▲レモンの逆、良質の車は「ピーチ」と呼ぶ。新車の取引に不信を持ち込むブランドは、品質と価格を堂々と競うピーチ市場から退場を求められても仕方ない。」

▽日経・春秋
(防げた事故、地震などの自然災害が「荒地」を広げ続けている)

「季節は待ってくれない。芽吹いたばかりだった若葉の色が日増しに深くなってゆく。生命の輝きがあふれ出すようだ。だから、悲惨な出来事がいっそう悲しみを増すのだろう。英詩人エリオットも長詩「荒地」で描いている。「四月は残酷極まる月だ」(西脇順三郎訳)」
「エリオットの詩は最後に復活への道を説く。「捧げよ、同情せよ、自制せよ」。そうすれば心に平安が訪れる。言うは易く行うは難そうだが、被災地支援の力には、なるかもしれない。「残酷極まる月」は、青葉の中に、道半ばで倒れた人々の思い出を呼び起こす。残された者たちが、再生に向かって歩み出す月でもある」

▽産経・産経抄
(オーストラリアが潜水艦の共同開発をフランスに)
(http://www.sankei.com/column/news/160427/clm1604270003-n1.html)

「海上保安庁は昨年8月、長崎県の五島列島沖の海底で、24個の船影を発見した。戦後、米軍が旧日本海軍から接収し、爆破処分した24隻の潜水艦の可能性が高い。
 ▼と、すればそのうちの1隻は、当時世界最大だった「伊402」である。全長120メートル、水上攻撃機を3機搭載でき、給油なしで地球を1周半連続航行できる能力があった。まさに「海底空母」と呼ぶのがふさわしい。米本土やパナマ運河への攻撃まで検討されていた。
 ▼そんな世界有数の規模と技術を誇った潜水艦隊は、完全に消滅する。海上自衛隊が昭和29年に発足したとき、保有する潜水艦はゼロだった。それから半世紀余り、日本の潜水艦は、世界最高の性能を誇るまでになっている。
 ▼なかでも最新鋭の「そうりゅう」型は、潜水艦の機能で最も重視される静粛性に優れている。つまり敵に気づかれにくい上に、長時間の潜航が可能だという。新型潜水艦12隻を建造する予定のオーストラリアは、日本の技術に高い関心を示してきた。
 ▼もっともターンブル首相は昨日、共同開発相手をフランス企業とする決定を発表した。7月に両院解散・総選挙を控えて、現地建造による雇用創出という、フランス側のアピールが決め手となったようだ。日本の潜水艦の導入に強く反発してきた中国の圧力に、経済関係を重視する首相が屈したとの見方もある。
 ▼実は日本側でも、オーストラリアが「準同盟国」であるとはいえ、最先端の技術の引き渡しには、安全保障の専門家から懸念の声が出ていた。ともあれ、日本の近隣海域の緊張は高まるばかりである。潜水艦は、「輸出品」ではない。性能をさらに向上させ、乗員の高い士気のもと、抑止力を維持するのが本来の仕事である」

▽東京・筆洗
(東京五輪エンブレム決定)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016042702000140.html)

「「この季節、ヘップを履いた女性が目立つ」などとおろかにも書き出せば、問い合わせや苦情が殺到するかもしれぬ。「ヘップ」▼一九五〇年代に青春期を過ごした女性ならご存じだろう。サンダルの一種で「つっかけ」というべきか。オードリー・ヘプバーンが映画「麗しのサブリナ」の中で履いたので名がついたという。ヘプバーンのヘップである▼あこがれ、覚えやすさ。女優や有名人の名がついた服飾関連の言葉は実に多い。ロイド眼鏡は米俳優のハロルド・ロイド。ショールを頭からかける「真知子巻き」は映画「君の名は」(一九五三年)の主人公。「慎太郎刈り」「聖子ちゃんカット」の説明はいらぬだろう▼東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムが決定した。撤回、選考のやり直しを経てようやく定まったのは藍色の「組市松紋」▼市松模様も有名人へのあこがれと関係がある。歌舞伎役者、佐野川市松が着た衣装の模様から人気が広まった。一七五四年の書物には「市松染と名を付けて猫も杓子も着て…」とあるから夢中のほども分かる▼地味、選考過程がなお不透明との声も聞かぬではないが、模様の色合いのように今度は落ち着いて定着してもらいたいものである。デザインの基調は「多様性と調和」とか。何かと意見対立し、調和遠き、いがみ合う世情には、むしろ望まれる模様でもある」

 この日は日経と産経以外の各紙は、それなりの大ニュースを題材としたが、多くは他紙が既にコラムとしているものばかりだった。
 それだけ世間の関心が高いものばかりなのだが、ならば内容は充実しているかというと、そうでもない。不思議であり、残念でもある。
 独自路線は日経と産経で、確かに目新しさはあるが、それでも読後感はあまりよくない。特に日経はひどい。いたずらに文学的だが、それが何の効果も生み出していない。
 産経も、いつもの「産経抄節」ではない気がする。それこそオーストラリアを叱りつけるぐらいでちょうどいいのではないか。
 何より、ここに至るまで、同紙はそれなりに「潜水艦輸出」の可能性を熱心に報道していたと思うのだが、それがいきなり「輸出品ではない」と言われても、かなり興ざめだ。

2016年4月25日

【連載・無料記事】第62回 きのうの1面 4月22〜24日一般紙

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 4月22日朝刊のテレビ欄で、朝の情報番組は次のような内容紹介となっていた。

▽あさイチ(NHK)
・①調査密着 熊本・避難所の実態
・②賀来千香子
 驚き素顔 〝奇跡の50代〟 自宅&宝物!初公開 賀来賢人も

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・熊本地震1週間…新たな問題点
・①大雨で自宅に池が…
・②多発する空き巣被害 夜回り密着! 通報の緊迫現場
・③被災家族の24時間…乳児を抱えて自宅と避難所の往復
・エリザベス女王90歳

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・被災地に窃盗団? 倒壊家屋に目印か…善意の募金で詐欺も
・体育館耐震補強したのに損傷 使用禁止に
・愛知名物 超進化系㊙モーニング

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・被災地熊本に大雨暴風 土砂崩れの危機迫る…
・被災ペットを救え! ドッグレスキュー密着
・3億円私有地を市民〝無断〟で野菜畑に

▽とくダネ!(フジテレビ)
・熊本地震
・①無情の雨1000人移動
・②ボランティア本格化 ラーメンがつなぐ支援
・③紗栄子500万円寄付 偽善批判「覚悟の上」〝不謹慎狩り〟が横行

 では新聞はどうだったのか。2016年4月22日付(金曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

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【購読記事の文字数】約12000字
【写真】4月23日に被災地を訪問した安倍首相(首相官邸HPより)
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2016年4月18日

【連載・無料記事】第57回 きのうの1面 4月15〜17日一般紙

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 4月14日の午後9時26分、熊本県でマグニチュード6.5の地震が発生した。
 後に熊本地震の「前兆」とされるものだったが、ラテ欄に「地震」の文字はない。どうも間に合わなかったようだ。
 例えば朝刊で、NHK『ニュースウォッチ9』は、

・年金運用に危機感! マイナス金利2カ月…
・北日本で暴風に警戒
・女子マラソン・野口みずき選手が引退会見

 と、紹介されているが、夕刊では、

・熊本震度7発生から24時間経過・最新情報
・余震警戒が続く現地
・被害詳報・避難状況
・発生のメカニズムとは

 このように全く違っている。
 以下に紹介する朝の情報番組は、そのため大幅に予定が変更される前だということを、ご承知頂きたい。

▽あさイチ(NHK)
・野際陽子 若さの秘けつ 徹子が暴露! 驚き素顔も

▽スッキリ!!(日本テレビ)
・局部切断被告が初めて涙の告白 〝絶望感と妻への愛〟
・動物園から大脱走! チンパンジーの凶暴性
・中継! 15周年の魅力 東京ディズニーシーの進化&戦略
・元NHK歌のお兄さんが覚醒剤

▽羽鳥モーニングショー(テレビ朝日)
・障がい者の駐禁除外を悪用し健常者が路上に 本人直撃
・市の土地に無断で畑!! 発覚の裏に菜園ブーム
・3大病を自宅で簡単㊙チェック

▽白熱ライブ・ビビッド(TBS)
・嵐・松本潤が生出演
・チンパンジーが大脱走 住宅街騒然! オドロキ生態を秘蔵映像で検証
・顔ヨガで10歳若返り スマホ老け顔も防止!

▽とくダネ!(フジテレビ)
・覚醒剤 元「歌のお兄さん」の〝黒歴史〟 主婦も衝撃
・弁護士〝局部切断〟「妻が性欲はけ口に」被告男の身勝手な動機
・迷惑電話330回の女

 では新聞はどうだったのか。2016年4月15日付(金曜日)から17日(日曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

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【購読記事の文字数】約12300字
【写真】気象庁が発表した「16日1時25分 M7.1」の推計震度分布表
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2016年3月14日

【連載・無料記事】第34回 きのうの1面 3月11〜13日一般紙

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 金曜が3・11当日となり、週末の新聞は「東日本大震災から5年」という節目をどう報じたのだろうか。
 2016年3月11日付(金曜日)から13日付(日曜日)までの、日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。(※編集部注、各紙の見出しは一部、カギカッコなどを補った)
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【購読記事の文字数】約12000字
【写真】2016年3月11日に福島第一原子力発電所・免震重要棟で黙祷を行った東京電力の廣瀬直己社長(左)など(東電公式サイトより)
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2016年3月9日

【連載・無料記事】第31回 きのうの1面 3月8日一般紙

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 社会面では山口組と神戸山口組の「抗争認定」が大きく扱われている。
 そんな2016年3月8日付(火曜日)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

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【購読記事の文字数】約3300字
【写真】3月6日に死去したナンシー・レーガンさん
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2016年3月7日

【連載・無料記事】第29回 きのうの1面 3月4〜6日一般紙

1men2016-03-07 19.00.05

 ネット上で人気の記事と一般紙トップの〝乖離〟が目立ってきたかもしれない。
 そんな中、日経のコラム『春秋』が6日(日曜)の紙面で「『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 を紹介している。東京も同じ日にドラゴンクエストを持ってきた。ラノベやゲームというジャンルも一般紙に登場して違和感がない。やはり不思議な時代になったと思う。
 では2016年3月4〜6日付(金曜〜日曜)の日経を含む一般紙の見出しを見てみよう。

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【購読記事の文字数】約10900字
【写真】テレビアニメ版『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』 TBS公式ホームページより
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