2016年11月24日

【完全無料記事】宇都宮連続爆発・犯人の「知識」入手法と「模倣犯恐怖」

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 10月23日、栃木県宇都宮市の宇都宮城址公園などで相次いで爆発や火災が発生。周囲にいた3名が負傷した「宇都宮連続爆破事件」が発生した。栃木県警は公園内で自殺したと見られる栗原敏勝容疑者(72)が、いずれの事件にも関与したとみて殺人未遂容疑で書類送検している。

 この事件に関する報道では栗原容疑者の「元陸上自衛官」という経歴に大きな注目が集まった。「元自衛官なら爆発物も作れるだろう」という先入観からだ。マスコミは当初、「連続爆破」という事件そのものに関心を集中させていたのだが、時間が経つごとに「元自衛官」という経歴にシフトしていったのだという。大手紙社会部記者が振り返る。
「初報が入ってきた時は、とんでもない大事件が起きたと驚きました。ところが3か所で爆発、火災が発生したにもかかわらず、人的被害は幸いにも3人が負傷した程度でした。おまけに容疑者も自殺し、率直なところ、取材方針が定まらなくなってしまったんです。すると元自衛官という情報が入ってきて、そういう経歴だから連続爆破を起こすことができたんだろうと仮定して、自衛隊の専門家や自衛官OBなどを探す取材に奔走しました」

 最近は「マスゴミ」などと評判は悪くとも、一応はプロだ。取材でメシを食っている連中が「元自衛官だから連続爆破事件を起こせた」と考えたのだから、視聴者や読者の方々が同じことを思っても不思議はないだろう。実際、犯行に使われた爆発物は栗原容疑者が自作したものだと見られている。

 しかしながら、本当に自衛官経験者なら、爆発物の知識を得ることができるのだろうか。実際に爆発物を訓練などで使用した経験のある現役の陸上自衛官に話を聞くことができた。まず栗原容疑者が動画投稿サイトにアップしていた自身の自衛隊人事記録から読み解いてもらったところ、意外なことが分かった。
「容疑者の人事記録を見ました。平成11年、1999年に退官したのですが、最後は北宇都宮駐屯地にある航空学校宇都宮分校(※編集部註:現在は「航空学校宇都宮校」)の校長として勤務。退官時は2等陸佐でした。それなりに優秀だったということですね。ただ、肝心の爆発物に関する知識を、どこで手に入れたのか。それには『職種』と『特殊技能』が重要になってきます」

 栗原容疑者の「職種」は、「通信科→特科→航空科」と変更した履歴が残されている。「職種」とは「営業」や「事務」といった一般企業における「部署」を指す。そして自衛隊で爆発物を扱うのは「普通科」「施設科」「武器科」であり、容疑者が自衛隊内で爆発物に関する知識を得たとは考えにくいのだという。
「彼が自衛隊で得た『特殊技能』も、通信系と気象系の資格しか確認できませんでした。こうしたことから考えると、少なくとも自衛隊で爆発物を訓練中に使用するどころか、知識を得る機会もなかった可能性が高いと思います」(同・陸上自衛官)

 我々が無意識のうちに心の中で描いてしまった「爆発物のプロとして勤務していた元自衛官」というイメージは、まさに虚像だったのだ。ならば、どうやって栗原容疑者は爆発物を作成したのか。その謎も、陸上自衛官が解く。
「全焼した容疑者の自宅から花火が押収されたそうですし、爆発物の中に釘やビー玉が入っていたことなどから考えると、火薬だけを使用した、非常に初歩的な爆発物だったと推測できます。要するにインターネット上の知識を、そのまま使ったんでしょう。あれぐらいの爆発物は、市販されているものを組み合わせれば作成できるんです。またコインパーキングで車が燃えた際、何回か爆発音が聞こえたと報じられましたが、もしかしたら爆発物の周囲にプロパンガスなど、強い可燃性を持つ物を置いて、威力を高めた可能性も考えられます。難しいのは雷管の作成なのですが、もしかしたら自衛官時代、訓練時に現物を盗んだのかもしれません。とはいえ、自作も不可能ではありません」

 三菱重工爆破事件などを引き起こした東アジア反日武装戦線が1974年、爆弾の製造法などを記した地下出版『腹腹時計』が発禁になったことなど今は昔。ネット上では爆発物の材料入手法や製造方法を解説しているサイトがいくつもある。実際に製造して爆破させる動画さえ公開されているのだ。爆発物のエキスパートという線が消えれば、栗原容疑者がネットで知識を得た可能性は高まる。

 それにしても、自殺に使用した爆発物の威力は相当なものだったようだ。容疑者の足はちぎれ、肉片が飛び散っただけでなく、破片も周囲約140メートルにわたって飛散し、付近の住宅の窓を破損させてしまっている。
「栗原容疑者が事件を引き起こした背景や動機については現在、様々なことが分かってきています。妻との離婚調停に不満があり、それが連続爆破事件の引き金となったようです。容疑者のSNSには『全てに負けた。私は社会に訴える』といった趣旨の文章や、『自暴自棄に陥っている』とのコメントも書き込まれていました。特に注目を集めているのが『通り魔事件秋葉原を見習うか』とのコメントです。2008年に東京・秋葉原の路上で7人が死亡、10人が負傷したことは記憶に新しいですが、容疑者は類似の犯行を目論み、連続爆破事件を計画した可能性があります」(テレビ局社会部記者)

 事実、当時は『宇都宮城址まつり』が開催されており、爆発が起きた時間帯は中学生から大人まで約300人の行列が通過する予定だった。
「大惨事を免れたのは、文字通りの偶然でした。行列の進行が遅れたため、爆発に巻き込まれなかっただけなんです。もし祭りのスケジュールが時間通りだったなら、負傷者3人では済まなかったでしょうね」(同・社会部記者)

 だが事件発生時こそ、マスコミは大きく報道していたが、その熱はいつものように1週間あまりで冷めてしまい、今ではニュースが流れることは滅多にない。だが、この連続爆破事件が、もとから日本に潜んでいた危険性を、更に悪化させた懸念があるという。陸上自衛隊幹部が重い口を開く。
「今回の事件をマスコミは『連続爆破事件』と報じています。これは故意ではないのでしょうが、ミスリードの危険性があります。あの事件の本質は、他人を巻き添えに自爆するというテロそのものです。容疑者は自爆テロという目的を明確に持ち、それを実行しました。日本で初めて発生した自爆テロなんです。これが何を意味するのかといえば、第2、第3の犯行が起きる危険性が高まったということです。初犯が生まれれば、必ず模倣犯が追随します。我々は現在、2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックを念頭に置いた様々な対テロ訓練を実施しています。宇都宮の事件は重要なケーススタディとして今後の訓練・教育に組み込むつもりですし、おそらく警視庁の公安部でも詳細な検証を始めているでしょう。日本の危険度は1段階上がりました。それほど深刻なテロ事件だったというのが我々の認識です」

 あれだけ海外のニュースでは自爆テロについて取り上げながら、いざ国内で発生した時には自爆テロと認識、指摘できないでいるマスコミ。これも平和ボケ日本のなせるわざ、まさにマスゴミということか。 しかし、この爆発事件で日本は自覚の少ないままに、また一歩テロという底の見えない闇に近づいてしまったようだ(了)
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【写真】爆発があった宇都宮城址公園付近の駐車場(撮影・産経新聞社)
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