2017年1月20日

プロ野球B級ニュース2016⑩エラー&ボーンヘッド篇

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さて「プロ野球B級ニュース事件簿2016」の第10回は「エラー&ボーンヘッド篇」という内容になる。

 

率直に申し上げるが、珍プレーは笑える。だがエラーやボーンヘッドは、観客の表情を凍りつかせてしまう。

 

リアルタイムで観戦していたファンともなれば、罵声を浴びせたり、悪態をついたりしなければ、とてもではないが、やっていられないという場面だ。

 

だがシーズンオフに読んでみると、不思議なほど冷静に読める。それどころか、日本プロ野球の一流選手が、草野球レベルの失態を演じてしまうことに、非常な興味を覚えたりする。実際、今回紹介するプレーには、精神科医には格好の研究材料が潜んでいるのではないだろうか。

 

閑話休題。選手にとっては最高に不名誉なことではあるが、厳選に厳選を重ねた4場面は──、

 

①5失策でも勝利 

 4月1日の読売巨人軍

②ドアラの呪い!?

 ルナ(広島)

③珍しすぎるフィルダースチョイス

 田原誠次(巨人)

④悔いの残りすぎる走塁ミス 

 高木勇人(巨人)

 

の3選手・1球団のエピソードをご紹介したい。

 

それにしても、ルナ以外は全て巨人という結果になってしまった。我々には単なる偶然のつもりだが、必然を見出すファンもいるかもしれない。

 

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【著者】久保田龍雄

【購読記事の文字数】4600字

【写真】読売巨人軍公式サイト『選手名鑑』高木勇人選手より

http://www.giants.jp/smartphone/G/player/prof_27261.html

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2017年1月13日

プロ野球B級ニュース2016⑨大谷翔平篇

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 2016年のパ・リーグは、いや、球界全体でも、大谷翔平が強烈な印象を残した1年だったと振り返っていいだろう。チームが日本一となり、パ・リーグM.V.P.に選出。ベストナインでは投手部門と指名打者(DH)部門で史上初となるダブル受賞を果たした。

 そんな大谷を、今回は特集する。厳選に厳選を重ねて振り返る試合は、次の4つだ。

①5月29日 日本ハムvs楽天(コボスタ宮城)
②7月3日  日本ハムvsソフトバンク(ヤフオクドーム)
③7月16日 オールスター第2戦(横浜)
④10月16日 CSファイナルステージ第5戦 

 2018年に大谷がメジャー移籍を果たすことは、もはや既定路線と考えられている。今年で日本球界において活躍する姿は見収めとなるわけだ。

 この連載は「B級ニュース」を銘打ちながら、今回は正真正銘の超A級を取り上げる。〝看板に偽りあり〟をお詫びして、「野球の神に愛された男」の凄さを味わって頂きたい。
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【著者】久保田龍雄
【購読記事の文字数】4300字
【写真】2017年1月、千葉県鎌ヶ谷市の「ファイターズスタジアム」で自主トレを行う大谷翔平(撮影 産経新聞社)
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2017年1月6日

【無料記事】プロ野球B級ニュース2016⑧〝記憶〟の本塁打篇

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 2016年のプロ野球を興味深い記録やエピソードで振り返る本連載も、回を重ねて2017年を迎えた。いつもは珍記録に重点を置くことも多いが、今回は何よりも、おめでたい話題としたい。

 野球の華は投手が奪う三振か、打者の放つホームランという説もある。特に後者は「花火」の連想もあり、初春にふさわしいのではないか。

 ただ、本連載がありきたりのホームランを取り上げるはずもない。特に厳選を重ね「記憶に残る」という観点から飛びきりの4発をお届けする。ラインナップは、

①2度目のリプレー検証
田中広輔(広島)
②1打席でダイヤモンド2周
岡島豪郎(楽天)
③史上「最も遅い」初打席弾
栗山巧(西武)
④やっぱり神ってる本塁打
丸佳浩(広島)

の4選手だ。リプレー検証の多さにも着目して頂きたい。
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【著者】久保田龍雄
【写真】2016年9月17日、広島・丸佳浩の本塁打を中日・工藤隆人が追うも左翼スタンドの観客のグラブの中に入ってしまう(撮影 産経新聞社)
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■〝世紀の誤審〟から9か月……リプレー検証弾、今回はセーフ!

田中広輔(広島)
6月10日 広島vs楽天(コボスタ宮城)

 田中広輔といえば、2015年9月12日の阪神戦(甲子園)で延長12回にフェンスオーバーの当たりを放ちながら、リプレー検証の結果、「ラバー上部のフェンスに当たった」とされ、三塁打に格下げされた〝悲劇〟を思い出す人も多いだろう。

 何しろ、完全な誤審だったのだ。その後に広島が確認を要求すると、NPBは間違いを認め、異例の謝罪を行った。しかし既に試合は成立していたため、文字通り「幻の決勝弾」となり、この試合を引き分けた広島は3位の阪神に僅か0.5ゲーム差で届かず、3年連続のCS進出を逃した。

 あの〝世紀の誤審〟から約9か月。6月10日の楽天戦(コボスタ宮城)で、またしても田中がリプレー検証弾を打ち上げた。

 広島が2点をリードして迎えた2回2死二塁、楽天の先発・塩見貴洋の高めストレートを引っ張ると、大きな弧を描いた打球は右翼ポール際へ。深谷篤・一塁塁審が腕をグルグルと回し、「本塁打」と判定した。

 だが、梨田昌孝監督がベンチを飛び出して「ファウルではないか」と抗議。昨年9月同様、リプレー検証となる因縁めいた展開となる。

「あれ(昨年9月のリプレー検証)はもう仕方ないけど、今日のは絶対に入ったと思った」

 試合後、田中は自身が確信していたことを明かしたが、広島ファンだけでなく、本人も嫌な記憶が蘇ったはずだ。検証時間は、さぞかし長く感じられたことだろう。

 約5分後、責任審判の佐々木昌信三塁塁審が「判定どおり、本塁打で再開します」と場内に説明すると、すでにホームインしていた田中はベンチの中で改めてナインとハイタッチして喜びをあらわにした。

「僕としては入ったと思っていたんですけど、みんながベンチでファウルと言うので、不安になりました。ホームラン判定になって良かったです」

 何と田中が不安に感じたのは、チームメイトの野次が原因だったというオチもつき、試合は6対0と快勝。首位キープに大きく貢献したばかりでなく、黒田博樹の日米通算198勝目をもアシスト。前回と打って変わって、めでたいことだらけのリプレー検証弾となった。

 今季は7月29日の巨人戦(京セラドーム大阪)で高校(東海大相模高)、大学(東海大)時代の同期生・菅野智之から2打席連続弾を放つなど、不動の1番打者として打率2割6分5厘、13本塁打、39打点、28盗塁と活躍。チームの25年ぶりリーグ優勝に大きく貢献した。

■1打席でダイヤモンド2周 ビデオ検証で打ち直し弾!

岡島豪郎(楽天)
7月9日 楽天vsソフトバンク(ヤフオクドーム)

 5点をリードされた楽天は8回表1死。1番・岡島豪郎がカウント1-0から東浜巨の内角高め、カットボールを引っ張った。快音とともにライナー性の鋭い打球が右翼ポール際に飛び込んだ。

 東利夫一塁塁審の判定はホームラン。岡島は淡々とした表情でダイヤモンドを1周してベンチに戻った。これで2対6と思いきや、ポールに当たったかどうかという微妙な弾道の打球だったため、4人の審判団が集まり、リプレー検証に持ち込まれた。

 約5分間の協議の結果、「打球がポールの右側を通過していた」として、「ファウル」に覆った。

 ベンチで成り行きを見守っていた岡島はガッカリ。ウィーラーも「そりゃ、ないぜ。ホームランじゃないのか?」と言わんばかりに右手を激しく動かしてアピールしたが、もとより判定が覆る由もない。

 仕切り直しで再び打席に立った岡島は、1球ボールを見送り、カウント2-1からの4球目、真ん中高め、140キロの直球をジャストミートすると、今度は右中間席に突き刺さる文句なしの一発。「敵ながらあっぱれ」と地元・ホークスファンからも惜しみない拍手が送られた。

 ロッテ・角中勝也も14年9月24日の日本ハム戦(QVCマリン)で「打ち直し弾」を記録しているが、これは一度「ファウル」とジャッジされた打球がビデオ判定でも「ファウル」とされた後に放ったもの。それだけにホームラン→ファウル→ホームランの経過を辿った岡島のほうがより劇的だった。

 試合は2対6で敗れたものの、梨田昌孝監督は「あのバットが野球殿堂入りするんじゃないか。バットを残しておくように言っておくわ」とご機嫌。

 思わぬ形で今季3号を記録した岡島も「あり得ないことです。たまたまだけど、良かった」と喜びながらも、「(3回1死二塁の)2打席目、(2点差に追い上げた5回の)3打席目で自分が打っていれば、展開も変わっていた」と殊勝な反省を忘れなかった。

 9月11日の日本ハム戦(コボスタ宮城)では、初回に同点弾となる先頭打者アーチを放ち、2番・ペレスとともに2者連続弾。これもDeNAの梶谷隆幸、松本啓二朗が15年7月13日の巨人戦(横浜)で記録して以来、プロ野球史上39度目、楽天では初の珍記録だった。

■思わず〝びっ栗〟!? 15年目に初出場の球宴で史上「最も遅咲き」の初打席弾!

栗山巧(西武)
7月15日 オールスター第1戦(ヤフオクドーム)

 15年越しの想いを、一振りに込めたような、会心の一発……。

 7月15日のオールスター第1戦(ヤフオクドーム)、9回裏無死一塁、広島の守護神・中崎翔太の143キロ直球をフルスイングした西武・栗山巧の打球は、右中間席に突き刺さる2ランとなった。

 9回表からレフトの守備固めで途中出場していた栗山にとって、プロ15年目で初出場をはたしたオールスター初打席での快挙である。

 球宴の初打席本塁打は12年(第1戦)の陽岱綱(日本ハム)以来16人目。74年(第1戦)の高井保弘(阪急)と07年(第1戦)の森野将彦(中日)の11年目を抜いて、最も遅咲きの初打席本塁打となった。

 9回の守備では、同じくオールスター初出場の広島・鈴木誠也がサードとレフトの間に打ち上げた飛球をレアードとお見合いして安打にしていた。その裏、「僕が捕らなあかんフライだった」と危機感を持って打席に入ったことが、球宴史に残る快打につながった。

「一生忘れないホームランになりました。ミスした後でしたし、(オールスター初打席初安打の)鈴木誠也君も、僕のお蔭で神ってましたけど、その分、もっといいもんが返ってきました」

 そして「今風に言うと、〝栗って〟ましたね」と笑顔を浮かべた。

 7月4日に発表された監督推薦で、栗山が初めてオールスターに選ばれたと聞いて、「えっ、まさか! 遂に!?」と思った人も少なくなかったはずだ。

 08年に最多安打のタイトルを獲ったのをはじめ、毎年打率3割前後を記録し、ベストナイン3回、10年にゴールデングラブ賞も獲得。12年からチームの主将を務め、今年6月19日のヤクルト戦(神宮)では、史上120人目の通算1500本安打を記録している。

 これほどの実績を持つ一流選手がなぜこれまでオールスターに1度も選ばれていないのか、球界七不思議のひとつでもあったのだ。

 本人も「オールスターっていうのは、テレビで見るもんだっていう、なんか僕の中でありますし、選んでくださった工藤(公康)監督には感謝したいです」と半ば夢見心地だった。

 だが本来なら何度も出場していてもおかしくない実力の持ち主。第1戦での敢闘賞受賞に続いて翌16日の第2戦(横浜)でも二塁打を含むマルチ安打を記録。オールスター戦における〝不遇の日々〟を一気に引っ繰り返してしまった。

■ホームランを観客がキャッチ……リプレー検証で初の20号達成!

丸佳浩(広島)
9月17日 中日vs広島(マツダスタジアム)

 6月14日の楽天vs巨人(東京ドーム)で、オコエ瑠偉の右邪飛をエキサイトシート最前列の観客が横取りし、守備妨害で認定アウトになる珍事が起きたが、今度は9月17日の中日vs広島(マツダスタジアム)で左翼席最前列に飛んだ打球をスタンドのファンが左翼手の頭越しに捕球。ホームランか否かで揉めた。

 問題のシーンは、8回1死一塁。広島の3番・丸佳浩がフルカウントから中日3番手・岡田俊哉の8球目の外角高め、143キロストレートを高々と打ち上げ、左翼へ運んだ。レフト・工藤隆人が必死にジャンプ捕球を試みたが、あと一歩及ばず。打球はスタンドから男性ファンが工藤の頭越しに差し出したグラブの中にスッポリと入った。

 橘高淳三塁塁審は「ホームラン」と判定したが、工藤のグラブに男性ファンのグラブが接触し、「(妨害がなければ)捕れていた」とアピールしたため、リプレー検証となった。もし、男性ファンが明らかに工藤の捕球を妨害していたと判断されば、もちろん、本塁打は取り消される。二塁打に〝格下げ〟となることもあれば、最悪の場合は「認定アウト」となってしまう。

 だが、約10分間の検証の結果、「観衆の妨害はなく、判定どおり、本塁打とします」(橘高責任審判)と、リプレー検証弾が成立した。

 検証の間、「(観客の捕球は)見えていなかった。二塁打になっても、新井(貴浩)さんにチャンスが回るので」と冷静を保っていた丸は、判定どおりの結果に安堵した様子。そして、2年連続19本塁打の丸にとって、自身初の大台到達となる20号。「いいきっかけというか、壁を越えられて良かったです」と喜びをあらわにした。

 じつは、リプレー検証が行われたのは、この日2度目。4回無死一塁で新井が左越え二塁打を放った際に一塁走者・丸が一気に本塁を狙った。当初の判定はセーフだったが、リプレー検証の結果、判定が覆り、アウトに。

 同じ日に2度もリプレー検証の主役になり、最初は本塁タッチアウト、お次は本塁打取り消しだったら、ショックで寝込んでもおかしくない(?)ところだったが、そこは「神ってる」カープの一員。野球の神様の霊験あらたか、めでたく20号達成となった。

(無料記事・了)

2016年12月30日

プロ野球B級ニュース2016⑦珍プレー篇

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 いよいよ2016年も残りあと僅かだ。今年の球界を「珍記録」などから振り返るこの連載だが、師走最終週は王道たる「珍プレー篇」としたい。

 珍プレーといえばテレビなど動画でなければ楽しめないのでは、と疑問に思う方もおられるだろうが、活字だからこそ場面の味わいが増すものも少なくないのだ。

厳選に厳選を重ね、

①幻のランニングホームラン
 岡田幸文(ロッテ)
②トリック説の消えぬ珍プレー
 丸佳浩(広島)
③「僕のフライは魔物」
 梶谷隆幸(DeNA)
④「球界の千両役者」は達川光男の後継者!?
 石原慶幸(広島)

の4選手のエピソードをご紹介したい。
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【著者】久保田龍雄
【購読記事の文字数】4400字
【写真】2016年3月29日の対楽天戦で、3塁に立つ岡田幸文選手(撮影 産経新聞社)
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2016年12月16日

プロ野球B級ニュース2016⑥阪神編

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 4年ぶりのBクラス転落──残念ながら、2016年の阪神を、できるだけ短く表現すれば、こんな一文になってしまう。

 無念は察するにあまりあるが、それ以上に虎キチにとっては、胃腸を直撃するシーズンだったのではないだろうか。開幕前は多くの解説者が優勝を予測し、実際にスタートダッシュの手応えを感じながら、何と最下位に沈んだこともあった。そしてシーズン終盤のCS3位争いについては、もう何も言うまい。

「プロ野球B級ニュース事件簿2016」の第6回は「阪神超変革編」とし、4人の選手からシーズンを振り返る。

①7年ぶり2度目のタイムリー
岡﨑太一
②4580日ぶりの先発勝利
藤川球児
③3打数連続本塁打
江越大賀
④育成選手の借り物ユニホーム
原口文仁

 苦しいシーズンだったが、エピソードは明るいものばかりになっている。ぜひ、来年の超変革を期待しながら、熟読して頂きたい。
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【著者】久保田龍雄
【購読記事の文字数】4300字
【写真】3月26日の中日戦、5回に適時打を放つ岡崎太一(撮影 産経新聞社)
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【連載】加藤ジャンプの「こんなところで呑んでみた」第2回「吉◯家」

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 ファストフード店が〝ちょい呑み〟を推奨している。牛丼屋、天丼屋、立ち食い蕎麦から、あの『セイレーン印』コーヒー店まで酒が呑めるようになっている。

 どうしてファストフード店で呑みたいのか。コーヒーをのぞいて、牛丼やら天丼は、極力人とのコミュニケーションを避けて、さっさとエネルギーを補充する場所なのだと思い込んでいた。ガソリンスタンドとかF1のピットみたいなもので、早いが正義で、あとは二の次三の次なのではないのか。忙しいサラリーマンが、

「とりあえず昼飯食っとくか」

 と駆けこんで、かきこんで、駆け出していく場所なのではないか。実際、そんな多忙丸出しな背広姿が牛丼を食べている様子は、なかなか格好のいいものだったりする。かくいうこちらは、出社も退社もない糸の切れた低空飛行の凧みたいなもので、昼ご飯を定期的に摂取する必要もない。ゆえに、早いが正義の場にはほとんど用が無いし、そこで呑もうなどとは努々考えたこともなかった。

 酒なんて呑み出したら長い。そもそも、ちょっとだけ呑みたいなどと思ったことはない。いつだってたくさん呑みたいのである。

 だからなのか、ファストフード店の展開する『ちょい呑み』の概念がどうにも理解できないのである。

 もちろん、世界には『ちょい』に馴染む行為は数多ある。ちょい界の元祖『ちょいわるおやじ』、これはよくわかる。悪ぶりたい、あるいは本当に悪いことしたい、でも捕まらない程度にちょいとだけ振る舞いたい。イタリアっぽい(明確な根拠はないのだが、こういう時はイタリアだ)ジャケットにスウェットパンツに高価なスニーカー。葉巻好きで、モテる(ような気になっている)とか、勝手にやってくれればいいし、ギャングとか堅気ではない雰囲気を出しつつもちゃんとした人、という『ちょいわるおやじ』は、仲良くなりたいかどうかは別として成立することは容易く理解できる。

 ざっと雑誌なんか通覧しただけでも、『ちょいパチ』(ちょっとパチンコする)『ちょいモテ』(ちょっとモテる感じの服装?)『ちょいモレ』(ちょっと尿漏れ)などが目に入ってきた。世の中を見渡せば『ちょいバカ』とか『ちょいブス』とか、たしかに、ほんの少しとか幽かとかいったニュアンスに『ちょい』は実に便利で的を射ていることが多い。

 しかるに、なぜ、ファストフードで『ちょい呑み』なのか。牛丼をかき込むように、ビールを呑むのか? だったら、立ち飲み屋、スタンディングバーでいいではないか。なにをもとめてファストフードで呑むのか。

 そういう疑問を胸にむかった場所は、神田の吉◯家である。よくあるカウンターではない。路面店の2階にあるテーブル席にいる。そこで、店が店名を冠したキャンペーンを展開する『ちょい呑み』をためした結果、言葉を失った。
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【記事の文字数】4100字
【写真】吉○屋の赤提灯
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2016年12月9日

プロ野球B級ニュース2016⑤「流行語大賞」広島編

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 残念ながら日本一は逃したが、やはり2016年のプロ野球は広島のためのシーズンだったと言えるのではないか。オフには「神ってる」が『2016ユーキャン新語・流行語大賞』を受賞するという〝おまけ〟にも恵まれた。

 今回は全てのエピソードを広島の選手で固めた。セ・リーグ優勝記念、新語・流行語大賞記念と祝福して下されば幸いだ。中には苦い話も混じっているが、美酒の甘さを引き立てる隠し味とご理解頂きたい。

 ということで、広島特集は、

①同点打のヒーローは、サヨナラ負けの〝戦犯〟
 安部友裕
②「神ってる」が生まれた記念の試合
 鈴木誠也
③降雨コールドを呼び込む「神ってる」監督
 緒方孝市
④史上最強のCS男
 田中広輔

以上、4選手のエピソードをご紹介したい。
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【著者】久保田龍雄
【購読記事の文字数】4400字
【写真】6月19日の対オリックス戦で、3戦連続V弾を放った鈴木誠也(右)と下水流昂(撮影 産経新聞社)
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2016年12月2日

【連載】プロ野球B級ニュース事件簿2016④「助っ人」編

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 昔は「助っ人ガイジン」だったが、今は「助っ人外国人」や「外国人選手」などと〝差別〟に配慮した呼び名になっているのは、ご存じの通りだ。

 

 誰が「最強外国人選手」と思うかで、世代が露顕するということがある。

 

 例えば巨人なら、日系・与那嶺要の活躍を嚆矢とできるだろうし、それからジョンソン、シピン、トマソン、ホワイト……と続いていく。

 

 週刊ベースボール社の調査で「プロ野球・歴代最強外国人選手」が選ばれている。①バース(阪神)②ラミレス(ヤクルト・巨人・DeNA)③カブレラ(西武・オリックス・ソフトバンク)がベスト3なのだという。

 

 もし日本プロ野球が外国人選手を締め出してしまえば、きっと魅力は著しく減退してしまうだろう。それほど「ガイジン選手」は定着したわけだが、それでも習慣や常識の違いなど〝文化的摩擦〟が生じてしまうケースは少なくない。

 

 2016年にも、様々な外国人選手が、トラブルなど「お騒がせ事件」を起こして話題となってしまった。今回は、

 

①『メッセ劇場』の主役 メッセンジャー(阪神)

②やはり地震は怖かった ゴームズ(楽天)

③フランスで失踪!   ガルシア(巨人)

④〝不運〟で大荒れ   マイコラス(同)

 

の4選手に関するエピソードをご紹介したい。

 

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【著者】久保田龍雄
【購読記事の文字数】4600字
【写真】9月4日の中日戦で降板する巨人、マイコラス
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2016年11月25日

【完全無料記事】プロ野球B級ニュース2016③うっかりミス編

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(※この記事は完全無料です。会員登録は必要なく、末尾の「了」で記事は終わります)
 素人には想像もできないほど高い精度のプレーを繰り広げるプロ野球選手。だが、彼らも同じ人間だ。時には信じられない凡ミスをやらかし、テレビなどで珍プレーとして爆笑を誘うことになる。

 だが野球の厳しさは、笑って一件落着となることを許さない。珍プレーから敗北に追い詰められていく光景を我々は何度も目撃してきた。「プロ野球B級ニュース事件簿2016」の第3回は「うっかりミス編」とし、

①コリジョン初適用の名誉(?)選手
高橋光成(西武)

②痛恨のサヨナラ負けを招いた
サファテ&工藤公康(ソフトバンク)

③新・日系助っ人「NAKANO」登場!?
ビシエド(中日)

④「帽子」で「防止」に失敗
山田哲人(ヤクルト)

の4選手、1監督のエピソードをご紹介したい。

 

■これは〝盲点〟! コリジョン初適用は本塁ベースカバー投手!!

 高橋光成(西武)
 5月6日 日ハムVS.西武(西武プリンスドーム)

 

 今季から導入されたコリジョンルールが初適用となり、判定が覆った試合として記録に残るのは確実だ。しかしながら我々が追及する「B級史」の場合は誰に適用されたのかが焦点となる。捕手でも走者でもなく、何と投手の高橋光成だったのだ。

 問題のシーンは6回。高橋光は大野奨太に押し出し死球を与え、3対3の同点になった直後、なおも1死満塁で9番・西川遥輝に投じたフォークが暴投になった。三塁走者・レアードが勝ち越しのホームを踏み、「捕手の処理が遅れていた」と見て取った二塁走者・浅間大基も三塁を回って本塁へ突入した。

「2人目はかえしたくない場面。必死だった」という高橋光は、本能的に浅間と相対する形で捕球体勢に入ったが、両者はベース上で交錯。いったんはアウトと判定されたが、審判団がビデオ映像を確認したところ、広げた左足がわずかにホームベースにかかっており、コリジョンルールが適用された。
「走路上にいたから、高橋投手に警告です」(杉永政信責任審判)

 この結果、浅間はセーフとなり、日本ハムは無安打で2点を勝ち越した。浅間の本塁突入は、白井一幸内野守備走塁コーチが「あれは暴走。際どい走塁というより、アウト」とバッサリ切り捨てるほどだったが、結果的にコリジョン判定に救われた。

 西武はその後、気落ちした高橋光が連続四球を与え、エラーも絡んで、この回一挙5点。痛恨の“コリジョン逆転負け”となった。高橋光は「ルールはもちろん知ってましたが、頭がいかなかった。冷静に対応できなかった自分のミス。悔しいです」とガックリ。

 西武ではルール導入以来、捕手陣はキャンプから対応策を重ねてきたが、投手陣の練習メニューには組み込まれておらず、盲点だった。「挟殺プレーで、投手がホームカバーに入るケースもある。改めて確認を徹底しないといけない」(潮崎哲也ヘッド兼投手コーチ)と早急な対応を迫られることになった。

 高卒1年目の昨季は8月に1軍デビューすると、いきなり5連勝して史上最年少の月間MVPに輝いた高橋光成も、今季はコリジョン騒動で精神面の脆さを露呈し、その後、8連敗を喫するなど、2年目のジンクスに泣いた。

「近未来のエース」と期待される逸材だけに、制球の課題を克服して3年目の飛躍を目指してほしいものだ。

 

■投手と野手を同時に交代させていれば……うっかりミスのツケは重かった

サファテ&工藤公康(ソフトバンク)
 6月5日 ソフトバンクVS.広島(マツダスタジアム)

 

 まさに交流戦ならでは、のうっかりミスだった。

 1対1で迎えた延長11回裏、ソフトバンクは2死三塁とサヨナラのピンチ。ここで岩崎翔に代わり、守護神・サファテがマウンドに立った。2死からのリリーフということは、この回を抑えたら、当然12回も続投することを意味する。

 じつはサファテ、1死二塁で会沢翼の打席中に「2死になったら、行ってもいい」と回またぎを承知のうえで、自ら登板を志願していたのだ。工藤公康監督も「明日は試合がないので」と日程を考えてゴーサインを出したというしだい。気合十分のサファテは、野間峻祥を空振り三振に仕留め、見事にピンチを切り抜けた。ここまでは良かった。

 だが、工藤監督は交代時に致命的なミスを犯していた。12回表の攻撃は8番・鶴岡慎也から始まるので、打順が最も遠い7番・城所龍磨に代えてサファテを入れ、9番は新たな外野手を入れるべきだった。

「急きょ(サファテに)行ってもらったので、外野に(選手を)入れる準備ができてなかった。すみません……」(工藤監督)。

 ふだんのDH制とは勝手の違う交流戦の緊迫した場面で、つい目先のことに心を奪われ、次の回の打順まで考える余裕がなかったようだ。この結果、12回1死から9番・サファテに打順が回ってきたのに、代打を送ることができなくなってしまった。

 サファテが打席に立つのは、広島時代の12年8月以来通算2度目とあって、結果は空振り三振。直後、1番・今宮健太が左前安打で出塁するという皮肉な巡り合わせに、工藤監督は「9番に牧原(大成)を入れるとかすればよかった」とぼやいたが、後の祭りだった。

 こんなときは得てして流れが悪くなるもの。その裏、サファテは先頭の田中広輔に中前安打を許した後、菊池涼介の投前バントの打球を一塁悪送球。無死一、二塁から丸佳浩に159キロ直球を中前に打ち返され、痛恨のサヨナラ負けとなった。

 だが、「ホークスが3連覇するまで髭を剃らない」と願掛けするほどチーム愛の強いナイスガイは「(自分が)ホームランを打っておけば……」と不満ひとつ口にすることはなかった。今季ホークスがV3を逃した結果、サファテの髭がどうなったか、ファンとしては気になるところ?

 

■4番打者の助っ人は、背番号「103」のナカノ!?

 ビシエド(中日)
 7月5日 広島VS.中日(富山)

 

 この試合で中日に、背番号「103」の新助っ人が4番ファーストでデビューした。背中には「NAKANO」の文字が輝く。ひょっとして、日系選手なのか……!?

 じつはビシエドが背番号「66」のユニホームを忘れてしまったのだ。とはいえ185センチ、108キロの体格。これに合うのは中野栄一ブルペン捕手のユニホームしかなかったというのがことの真相。ちなみに中野捕手は188センチ、95キロだという。

 この日から始まった富山、金沢の北陸シリーズ2連戦は、中日の主催試合とあって、うっかりホーム用のユニホームを忘れてしまったのだとか。確かに北陸シリーズの後は、移動日を挟んで神宮で対ヤクルト3連戦、横浜で対DeNA3連戦とロードが続くので、北陸も含めてビジターと勘違いしてしまうのも無理はない。日本人選手でもうっかりミスを誘発しかねないのだから、外国人ならなおさらのこと。

「ユニホームを忘れるなんて初めてだ」と苦笑いするビシエドだったが、そんなアクシデントにもめげず、2回に先制点の口火となる左越え二塁打を放ち、無死一、三塁から福田永将の二ゴロ併殺打の間に先制のホームを踏んだ。さらに9回にも遊撃内野安打とマルチを記録。借り物のユニホームながら、「感覚は良かったよ」と笑顔を見せた。

 この日は外野手の藤井淳志もビシエド同様、ホーム用のユニホームを忘れたため、三輪敬司ブルペン捕手の「111」のユニホームを借りることになったが、幸か不幸か出番なし。

 ちなみに三輪ブルペン捕手は、05年9月27日の横浜戦(横浜)で井端弘和、09年5月31日のソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)でブランコ、10年3月7日のオープン戦、オリックス戦(京セラドーム大阪)で高橋聡文がユニホームを忘れたときにも自身のユニホームを提供しており、ある意味、本業以外でもチームになくてはならない貴重な存在と言える。

中日といえば、かつての主砲・宇野勝も81年4月24日の大洋戦(横浜)でユニホームを忘れ、背番号「77」の借り物ユニホームで豪快なホームランをかっ飛ばしたエピソードで知られる。それにしても、この手の話が次から次へと出てくるのは、やっぱり宇野以来のチームの伝統……?

 

■油断大敵! 落ちた帽子に気を取られて二塁走者の生還を〝防止〟できず……

 山田哲人(ヤクルト)
 7月5日 ヤクルトVS.DeNA(横浜)

 

 野球における珍プレーの〝王道〟たる隠し球は、適時打で得点した直後など、相手が喜んでいるときに成功率が高くなるという。走者とベースコーチが歓喜のハイタッチで目を離した一瞬の隙にボールを隠し持てば、気づかれにくいからだ。

 試合中はどんなときでも油断は禁物という良い教訓だが、7月5日のヤクルトvs DeNA(横浜)で、トリプルスリー男・山田哲人が「油断大敵」とも言うべきボーンヘッドを犯してしまった。

 2対0とリードしたDeNAは、8回にも桑原将志の左越え二塁打に犠打と四球、盗塁を絡め、1死二、三塁のチャンス。これ以上失点を許すと苦しくなるヤクルト・真中満監督は左打者の関根大気に対し、左腕のペレスを4番手に投入。悪い流れを断ち切ろうとしたが、関根はカウント3-1からの5球目を投前に絶妙のスクイズ。

 三塁から桑原将志が3点目のホームイン。打者走者の関根は〝ハマのスピードスター〟を自称する50メートル5秒9の俊足とあって、一塁もクロスプレーとなった。セカンドから山田が一塁ベースカバーに入り、ペレスからの送球をキャッチ。直後、ファースト・田中浩康と交錯した際にボールがポロリとこぼれ、ヒヤリとさせられたものの、素早く拾い直して何とかアウトにした。

 だが、2死を取り、ホッとして魔が差したのか、山田はインプレーにもかかわらず、グラウンドに落ちた自分の帽子を拾おうと、三塁方向に背を向け、かがみ込んだ。これが命取りとなる。

 二塁走者・石川雄洋は、三塁に進んでいったんは自重していたが、まんまとこの隙を突いて、一気にホームイン。結果的に2ランスクイズとなった。3点目は仕方がないとしても、ヤクルトの攻撃は9回1イニングしか残っていないことを考えると、防止(帽子)できるはずの4失点目は痛かった。

 結局、山口俊の攻略の糸口をつかめず、今季最少の3安打完封負けで連勝ストップ。この日は7回に2者連続で併殺をとり損ねるなど、内野陣の呼吸がまったく合わなかったこともあって、真中監督も「注意しないと。いただけないプレー」と反省を促していた。

 今季も打率3割4厘、38本塁打、30盗塁でプロ野球史上初の2年連続トリプルスリーを達成した山田だが、来季は守備でも〝帽子の教訓〟を生かしてもらいたい。

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【著者】久保田龍雄
【写真】7月5日、DeNA・関根大気と交錯して帽子を落としてしまったヤクルト・山田哲人(右=撮影・産経新聞社)
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2016年11月18日

【連載】プロ野球B級ニュース2016②引退編

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 いつか、終わりは来る──それは絶対的な真理だとしても、別れは寂しい。2016年も様々なプロ野球選手たちが現役を退いた。今年は広島の黒田が非常に印象的な引退会見を開いたが、当然ながら、ユニホームを脱いだ男たちは他にも大勢いる。
 野球人生への決着。選手たちの決断は、とても深く、場合によっては苦さも伴う。しかし、だからこそ、エピソードの1つ1つは現役時代の活躍と同じぐらい、いや、それ以上の輝きを放ち、我々の胸を打つ。
「プロ野球B級ニュース事件簿2016」の第2回は「引退篇」とし、

①引退試合が降雨ノーゲーム
 倉義和(広島)
②現役最後の登板で、自己ワースト10失点
 三浦大輔(DeNA)
③痛恨の牽制死から電撃引退 
 鈴木尚広(広島)
④トリはやはり、この人
 黒田博樹(広島)

の4選手のエピソードをご紹介したい。
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【著者】久保田龍雄
【購読記事の文字数】4300字
【写真】広島東洋カープ公式サイト「ニュース 黒田博樹投手 引退記者会見」より
http://www.carp.co.jp/news16/s-080.html
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