1巻1話のあらすじとネタバレ
一人の女子高生がコンビニのレジの前で友達と電話をしている。
今から友達と会う予定にしているらしい。
女子高生「小栗 美弥（１７歳）」は後ろに数人のお客が並んでいる事に気づき電話を切った。
そして店員の男の子「吉川 泪（１５歳）」に、「いくらか？」と聞く。
男の子は目を合わさずに「６７０円です。」と言った。
女子高生は、男の子が暗いし、声が小さいし、ずっと下を向いているので感じが悪いと思っている。
しかし、本当は女子高生の後ろに頭が唇に覆われている女子高生の５倍以上の大きさの霊が女子高生の肩をつかんでいる姿を男の子は見てしまったからだった。
泪は本能的にそれと目を合わせてはいけない、関わってはいけないと察知していた。
泪は以前にもこんな状況にあったことがあるかのような振る舞いをする。
＜泪の回想シーン＞
泪の幼い弟が４年前に交通事故で亡くなった。
母親は弟の棺の前で泣き崩れているが、泪には死んだはずの弟が母親の背中にすがりつく姿が見えていた。
泪は誰にもそのことが言えなかった。
それから泪には日常で色々な霊の姿を見るようになった。
しかし、泪には怖くは無かった。
霊たちは道端に生えている草と同じでただそこにいるだけだった。
それよりも泪が怖いのはいつも生きた人間だった。
＜回想おわり＞
我に返ると、さっきの女子高生がおつりが足りないと言って立っていた。
泪は謝りながらお釣りを返した。
その間も唇の霊は彼女から離れず、泪はその霊から狂気を感じていた。
唇の霊は「イ・・、ジ・・」とよくわからない言葉を発していた。
そして泪はその霊が発する腐った肉のようなニオイで気分が悪くなりトイレに駆け込む。
泪は霊の言っていた言葉をイジ？維持？遺児？と考えるも、自分には関係ないと割り切る。
アルバイトから家に帰ると、いつものように母親は食卓で弟の写真を見ながらうつ伏せになったままだった。
未だに幼い弟がなくなったショックから立ち直れていないようだった。
泪も人の心配をしている暇はなく、学校から渡された進路希望の用紙を寝ころびながら眺めている。
そして「なぁ、ここに何て書いたら・・母さん喜んでくれるかな」とベットの横に体育座りしている死んだ弟の霊に話しかける。
弟の霊はいつも話しかけても返事はない。
泪は、どうして母さんの所ではなく自分の所にいつまでも来るのか？と思っている。
翌朝、家の前に可愛い女の子が立っている。
女の子の名前は高岡まどかと言い、泪の幼馴染だった。
今は可愛い顔立ちをしているが、昔は太っていて女版ジャイアンで泪のことをいじめていたらしい。
泪は昔のトラウマで未だにまどかが苦手だった。
登校途中にまどかから驚きのニュースを聞く。
昨日、隣町の女子高生が通り魔に襲われて死んだらしい。
カラオケ帰りに一人で歩いているところを地下駐車場に連れ込まれたらしい。
犯人はまだ捕まっていなく、事件現場がなんと泪のバイト先の近くだという。
お昼休みになり、泪はご飯を食べながら携帯で朝聞いたニュースの詳細を調べる。
そこに載っていた殺された女子高生は、昨日コンビニに来た小栗 美弥だった。
泪が驚きあの霊と関係あるのかどうか考えていると、コンビニの店長から「今日はバイト時間より早めに来てくれ」とメールが・・。
コンビニにバイトに行くとそこには東雲という女性の警察官が昨日の殺人事件について聞きたいと言ってきた。
泪が女子高生の様子を伝え、警察もそれを確認する。
泪は悪霊なのか死神なのかよくわからなくなってきたのでもう警察に任せようと心の中で思っていた。
事情聴取が終わった後、コンビニにまどかがやって来た。
なんとまどかの後ろにはあの唇の霊が！！
泪はうろたえる。
コンビニを後にした二人の警察官は車の中でコンビニ内の事情聴取を振り返る。
東雲刑事は泪の発言に何か違和感を持っているが、もう一人の男の警察官は普通に見えたと話す。
コンビニの外で泪はまどかに、今日のバイトを早く上がらせてもらうので家で待っているよう話す。
その時、唇の霊は「ナ・・ナナナ、ハハハ・・」と意味不明な言葉を発する。
自宅に帰ったまどかは自分の部屋を掃除しながら、泪が言った大事な話って何なのか？や泪が自宅に来るのは小学生以来かな？と考えている。
そんな中まどかは昔の事も思い出している。
昔小学生の時太っている事でクラスの男の子たちからデブやブスと言われ喧嘩する中で、自分がブスで男子に相手にされないから八つ当たりしていると言われる。
その言葉でまどかは傷つき泣きながら下校する。
下校途中で泪の家の前で泪に会い、泣いている事を指摘され泪が相談に乗ると言う。
泪はまどかと弟を保育園に迎えに行く時に、男子から言われたことを話す。
その中で泪がまどかの事はデブだけどブスではないと本心で言ってくれたことに、まどかは救われる。
弟トモキを迎えに行った帰り道でトモキが家に帰ったら好きなアニメを見たいと言うが、泪は今テレビが壊れているから見れないと言う。
トモキが駄々をこねていると、まどかが自分の家で観るように勧める。
泪はまどかの兄がいることに拒否反応を示すが、まどかは兄は部活の合宿で不在と伝える。
まどかの家でトモキは好きなテレビと手作りクッキーを食べさせてもらい大喜び。
しかし、その一か月後にトモキは交通事故でこの世を去り、それから泪はまどかの家に行くことは二度となかった。
バイトが終わり泪はまどかの家に行くも、なかなか本題の霊の話を切り出せない。
いらいらしたまどかは大事な話があるなら早く言うように話す。
泪は、はっきりとまどかに昨日殺された女子高生の後ろにいた悪霊がいることを伝える。
まどかは全く信じず爆笑する。
まどかは泪に証拠をみせろと詰め寄る。
その時に壁に貼っていた一枚の写真の女の子が霊に取りつかれている事を話す。
そのことでまどかは泪の言ったことを信じるようになる。
そうしていると、まどかの兄浩二が部屋をノックして入ってきた。
浩二は昔泪をいじめていたグループのリーダーだった。
泪がまどかを受け付けない理由が兄貴の存在だった。
泪はまどかとの話の途中だったが、後でメールすると言って帰ってしまった。
泪はまどかが一人で家にいるわけではないから明日で大丈夫だろうと安心する。
その夜、まどかが夢をみる。
それはあの唇の霊がまどかの足元から這い上がってくる夢だった。
翌日その事を泪に話し、今日にでも殺されるかもしれないとまどかはおびえる。
しかし、泪は唇の霊が本気を出して襲ってくる日にちを教えてくれていると話す。
唇の霊が今日は「六（ロク）」と言っている、女子高生が殺された日に唇の霊は「一（イチ）」と言っていた。
つまり、あと六日間の猶予があると泪はまどかに伝える。
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1巻1話の感想
冒頭の「その唇を見た瞬間、僕は心臓が止まりそうになった」はてっきり「女子高生の唇」の事かと思いきや、実は「女子高生の背後にいた唇の霊」の事だったのは驚かされました。
そして、唇の霊が一体何者なのかが現時点ではわかりません。
ただ言える事は、唇の霊に取りつかれたら必ず何か災いが起こるという事です。
現に女子高生が殺害されてしまいました。
霊が直接女子高生を殺したとは考えにくいですし、誰かを操って女子高生を殺したのかは不明です。
なぜ女子高生が殺されたのかも謎のままです。
泪に関しては、霊が見える事に対して怖いという感情はなく、むしろ生きた人間の方が怖いというのは言い得て妙です。
死んだ弟のトモキが今後どうなるのかも気になります。
気になる人といえば、女性警察官の東雲刑事の洞察力も気になります。
泪との会話ですぐに泪がこの事件の事を何か知っていると分かってしまう頭の切れる刑事です。
今後、必ず泪に敵としてか味方としてかはわかりませんが接触してくるでしょう。
そして、泪の幼馴染のまどかが「唇の霊」を信じはじめたので、これから二人でどうやってこの霊に立ち向かっていくのかが気になります。
最後に唇の霊の口の中に、二つの目と歯が見えていたのはお気づきでしたでしょうか？
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