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17巻のネタバレ
「薄紅の粧しは時にかつての〔X〕を喚び起こす」
新たなイベント『海賊王との決闘ゲーム』が始まり、スドウカナメたちサンセットレーベンズのメンバーは、すぐに連絡を取り合い合流します。
合流の途中で鉢合わせた米軍の兵士を一人確保しました。
他の日本プレーヤーとの共闘関係を結び、米軍の特殊部隊の待つブリッジへ移動します。
劇場に転送されたオオサコは不敵な笑みで見下す後輩のシゲオとイエイリ先生に声を掛けられました。
オオサコは以前と打って変わって見下すように話すシゲオに怒りを露わにします。
シゲオに襲いかかるが、シゲオの異能「渦動輪の王」に太刀打ちできません。
頭に蹴りを入れられ、異能の力で首を折られてしまいます。
どこからともなく現れた中国トップランカーの龍は部下のシャオにオオサコを蘇生するように命じます。
シャオは頸椎の再生を行い龍が持ってきたAEDで蘇生を試みようとします。
しかしAEDを使用する前に、オオサコは自らの異能で蘇生します。
ブリッジでカナメたちとの合流を待つ米軍の特殊部隊のメンバー、ターチャ伍長は自身の異能「鷹の目」が遠く空に浮かぶ海賊船を発見しました。
ターニャ伍長が発見した海賊船は海を航海する船ではなく、空に浮かぶ飛行船でした。
そのサイズはおよそ75~100mほどに達するほど大きなものでした。
敵が飛行船であることから、イベントに重火器等の遠距離用の武器がショップにも販売されていないことに気付きます。
指揮を執るハリス上級曹長に合流を告げる2人の兵士は、スドウカナメを始めとするプレーヤーを引き連れていました。
ハリス上級曹長は一般プレーヤーの代表としてカナメと挨拶を交わし握手を求めます。
カナメは信頼できると判断したときに握手するを言います。
ハリス上級曹長は敵船の情報をカナメに伝えていると、物音のする隣の部屋からイヌカイが米兵を引っ張り出す。
捕らえられた米兵――タスカン少尉は撃てと叫びます。
それに応えるようにランド上等兵は銃を向けようとします。
しかし、ランド上等兵の両腕と銃はシュカによってバラバラに切られます。
タスカン少尉もイヌカイの蹴りによって意識を奪われます。
ハリス上級曹長はここでようやくカナメを始めとする面々の異常さを理解しました。
一方日本に残るレインたちはカジノ「トリニティ」に、協力関係にある警察官僚を招いていた。
目的は情報交換です。
綾小路は金の流れからDゲームを辿ることはできなかったことを報告します。
それから、今回のイベントの舞台となっている豪華客船がイギリス籍の船であることを明かしました。
海賊船となっている飛行船にのる海賊役の司令塔は、立ち上がり言います。
「今、200年ぶりの雪辱を果たしに行こう」
頭に2本の角を生やす男は豪華客船を指差して告げます。
サンセットレーベンズの計らいでイベントに参加したサクジとイノリは機関室で息を潜めています。
米軍の案に乗るつもりもなく、何もせずにじっとしています。
そんな2人にイエイリが声を掛けました。
米兵が土嚢で壁を作っている間、カナメたちは船内を見回ります。
その途中、中国トップランカーの龍がカナメに声を掛けました。
龍は一緒に敵を迎え撃とうと提案します。
訝しむカナメにオオサコは怪しい人でないと横から口を出します。
「私なら先に仕掛けられる」
手を組むか考えるカナメにシュカが攻撃を仕掛ける準備は出来ていると告げます。
シュカを制し龍に質問します。
「何故、米軍ではなく俺たちにつく?」
龍は考える間も置かずに答えます。
「米軍の作戦に丸乗りするつもりはないだろ?」
作戦はあると龍は付け加え、会食でもしながら話すと下のフロアを指差す。
レストランエリアで食事を取りながらカナメは龍の作戦を聞きます。
「どうせすぐには現れない」
龍は敵が夜間に襲撃すると話し、カナメも概ねそれに同意します。
「守るんじゃない。俺たち精鋭だけで攻めるんだ」
日が沈んだ頃、甲板で監視をしていたプレーヤーが次々と首ははねられます。
敵襲と叫ぶ暇もなく全滅します。
いつの間にか飛行船は客船の頭上まで来ていました。
ブリッジを守護する米兵チームは、突然窓の外に現れた1本の角を生やした少年に気付きます。
皆が武器を向ける前に無数の刃がブリッジを襲い、ほとんどのプレーヤーが死にます。
1本角の少年は宝物庫を探します。
そこに攻撃をどうにか防いだハリス上級曹長たちは銃で応戦します。
銃弾は全て三枚の盾に阻まれます。
少年を見たハリス上級曹長は、まるで日本の鬼のようだと思いました。
煙幕で目暗ましすると、ハリス上級曹長は少年に殴りかかります。
少年を殴る前に、少年が操る2本の剣によって刺され力尽きます。
廊下を死守するチームは敵を銃や異能で撃退します。
喜んだのも束の間、知らぬ間に現れた2本の角を生やした老人に首をもがれます。
ヤコはバットを振り応戦します。老人ははそれを避けつつヤコに飛びかかります。
ほんの少しでヤコに触れるというところで、サクジが老人に襲い掛かります。
老人はサクジの手に死を感じ、一時撤退することを選びました。
しかし、シュカが道を塞ぐように部屋の壁をぶち抜き鎖で行く手を阻みます。
それを狙ったようにカナメが銃撃します。
掠り傷程度のダメージこそ負ったものの老人は凌ぎました。
図書室を守るイヌカイと劉雪蘭、そして龍は攻めてくる敵を難なく倒していました。
龍は死んだ敵兵の持ち物を調べますが、何も出てきません。
「魔法の鍵」を見つけようと考えている龍に劉雪蘭が見れば一目で分かると言います。
3人が雑談をしていると、堂々と敵が現れます。
天井に届くほどの巨体に金棒のような武器をもつ男と、丸い縦の乗り複数の剣を宙に浮かせる少年です。
2人は笑みを浮かべます。
「小さい方がやっかいそうだな」
劉雪蘭の言う通り、少年のような鬼を劉雪蘭と龍で向かい打ちます。
筋肉隆々の巨体をもつ鬼は、イヌカイが担当することになります。
「師に成長を見せてみよ」
劉雪蘭が焚きつけると、イヌカイが真っ先に巨体に蹴りを入れます。
しかし、ビクともせずにイヌカイを弾き返します。
飛行船で戦闘の様子を伺っていたボスは、自らも戦場に出ると告げます。
その頃、日本の渋谷ではクマのような姿をした「混沌の鼠」が暴れていました。
多くの通行人を殺しているニュースが流れています。
ニュースに混乱するレインたちの下へ、ゲームマスターから新たなイベントの通知が来ました。
『シブヤ ハンティングゲーム』
鼠狩りのイベントが始まります。
同じ警察の協力者から連絡を受けた綾小路は、レインにたちに取り逃したDゲームの協力者が残した言葉を伝えます。
「戦いに備えよ。もはや猶予はない」
17巻の感想
Dゲーム17巻はいよいよ新たなイベントが本格的に始まりました。
敵は鬼のような角をもつ生物です。
それが人間なのかは、それとも本当に鬼なのかはわかりませんが、200年の雪辱が気になります。
彼らもDゲームのプレーヤーのように異能を使いました。
そして孤高の存在でもあるサクジの初の戦闘です。
未だに異能は明かされていませんが、手の周りに浮かんでいた黒い霧が重要なのかもしれません。
盛り上がってきたのは会海上だけではなく、渋谷でも新たな動きがあります。
熊に似た鼠が一般人に襲い掛かっています。
一般人を襲う生物と同時に2つのイベントが介されることが初めてです。
ゲームマスターも苦い表情を浮かべていました。
カナメとシュカが死ぬ未来は回避できるのか。
そして、200年の雪辱とは。
物語が盛り上がってきました。
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