2017年2月27日

【無料記事】孫正義が狙う「NVIDIA」人工知能を〝独占〟

NVIDIA2017-02-24 12.49.43

 米国で最も注目されている企業、をご存じだろうか。NVIDIA Corporation(エヌビディアコーポレーション)が、それにあたる。カリフォルニア州サンタクララにある半導体メーカーだ。

 創立は1993年4月、従業員は9,000人と中堅レベル。だが、昨今話題の人工知能(AI)の心臓部・演算処理装置(プロセッサ・ユニット)の設計を主業務にしており、大きな注目を集めている。

 そして、この会社を、孫正義氏が率いるソフトバンクが狙っているのだ。

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【写真】NVIDIA公式サイト『ディープラーニングとAI』より
http://www.nvidia.co.jp/object/deep-learning-jp.html
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 NVIDIAの創業者はジェン・スン・ファン(黄仁勲)氏。台湾・台北市で1963年に生まれ、アメリカへ移民。オレゴン州立大学、スタンフォード大学などを経て、NVIDIAを起業。まさに立志伝中の人と言っていいだろう。

 3次元画像を高速処理するプロセッサ・ユニット(GPU)の開発が原点。当初はパソコン用が主体であり、インテルやAMDの後塵を排していた。しかしAI技術の進展に伴い、同社のGPUが注目されるようになった。

 最近のAIを支える技術はビッグデータと深層学習=ディープラーニングだ。大量のデータを高速で処理するとともに、分析したデータをさらに深く掘り下げ精度を高める。その結果、囲碁や将棋でプロと対等に戦えるようになった。

 しかしそのためには高速処理が可能な高性能コンピュータが不可欠であることは言うまでもない。複数台のネットワーク接続で高速処理は実現できるが、それでもコンピュータの演算処理能力は高いほうがよい。

 さらに最近、画像や音声認識をAIで実行する分野も発展してきた。それら環境の変化もありNVIDIAのGPUへの関心が高まった。

 NVIDIAのGPUは3次元の画像処理が中心だ。ということは、高速処理が得意なのである。AIといえばIBMの「ワトソン」やグーグルの「アルファ碁」が有名だが、どんなに優秀なソフトウェアがあってもそれを高速に処理する高性能コンピュータとその心臓部プロセッサ・ユニットがなければ話にならない。

 そしてNVIDIAには高性能コンピュータ(提供チップセット=Tesla)からゲーム(同GeForce)、モバイル(同Tegra)、果てはドローン(同Jetson)や自動車(同PRIVE PX)まで対応可能な製品がある。

 日本では工場用ロボット製造のファナックが提携しているが、世界ではグーグル、フェイスブック、マイクロソフト、中国・百度が採用するなど、その高速処理能力をAI分野に生かそうと各社競っている。

 注目度が高まったここ一年、上場している米ナスダック市場でも株価は3倍以上の100ドルを超え、時価総額は500億ドル(約5兆円)に達した。まさに昇り竜の勢いだ。

 そのAIの心臓部を担う〝昇り竜〟にソフトバンクが目をつけた。

 すでに2,000億円を用意して秘かに市場で買いつけを始めている。さらに追加の資金が必要な場合は、サウジアラビア政府と提携して発表した総額10兆円の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を活用する。そのうえで資本提携または買収を狙う。

 ソフトバンクは2016年、英国の半導体設計大手のARMを3兆3,000億円で買収した。ARMはスマートフォン搭載のプロセッサを展開しており、モバイル市場では85%という圧倒的シェアを誇る。

 このモバイルの心臓部を握るARMとAIの心臓部を司るNVIDIAを手中にすることで、未来の覇者になろうという青写真だ。NVIDIAは、今後発展が見込めるIoT──モノのインターネット分野──のプロセッサ・ユニットも有し、単なるAIチップメーカーではない。ソフトバンクにとって垂涎の的なのだ。

 この一年でNVIDIAの時価総額は大きく跳ね上がった。ARM買収より大きい買い物になることは必至である。ソフトバンクの次の一手に目が離せない。

(無料記事・了)

2017年2月22日

【無料記事】ベンチャー企業に騙された「住友銀行秘史」國重惇史氏

kuni2017-02-21 22.37.19

 バブル期のイトマン事件を巡る暗闘を描いた『住友銀行秘史』(講談社)の評判が高まる一方だ。硬派の「経済事件ノンフィクション」にもかかわらず、部数は13万部を突破。異例のベストセラーは、著者の國重惇史氏(71)にも関心が集まっている。

 ところが、ご存じの方も少なくないだろうが、実は國重氏、なかなか波瀾万丈というか、お騒がせな経歴の持ち主なのだ。

 スタートは典型的なエリートコースだ。東京大学経済学部を卒業し、68年に住友銀行(現・三井住友銀行)に入行。当時の銀行にとっては最重要ポジションの1つであるMOF(大蔵省)担当として名を馳せ、94年には48歳の若さで取締役に抜擢される。

 イトマン事件に直面したのは90年。この頃にメモしていた住友上層部の動向を、今回の著書で暴露したことになる。

 文中の登場人物は全て実名。一読した当事者たる住友OBらは凍りついたという。著者自身も、事件化を狙って怪文書を作成し、当局やマスコミに配布していた事実を明らかにしている。

 詳しくは國重氏の著書を読んで頂くとして、興味深いのはその後の人生だ。

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【写真】リミックスポイント公式サイトより
http://www.remixpoint.co.jp/
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 97年に住友キャピタル証券の副社長に就任するが、99年にDLJディレクトSFG証券の社長となる。

 同社は楽天証券の前身。つまり頭取候補とも言われていた國重氏は楽天に転職したのだ。同社の三木谷浩史社長に三顧の礼で迎えられたと報じた社もあった。入社後は三木谷社長の片腕として金融部門などを統括。副社長まで上り詰める。

 だが、好事魔多し──。

 週刊誌『週刊新潮』(14年5月1日号・新潮社)が、國重氏が都内在住の専業主婦とダブル不倫の関係にあることを報道。結果、「一身上の都合」から楽天を退社することになってしまう。

 そして15年6月、株式会社リミックスポイント(東京都目黒区東山)というベンチャー企業に請われ、國重氏は社長に就任する。

 ところが、この会社、資金繰りの悪化などで不透明な増資が続くなど、悪い意味での注目を集めていたのだ。

 その経緯は、ニュースサイト『ビジネスジャーナル』の記事『あの元楽天副社長、いわく付き企業社長として窮地&孤軍奮闘…反社勢力の詐欺を回避』(高橋篤史氏・ジャーナリスト)に詳しい。
http://biz-journal.jp/2016/11/post_17196.html
 内情を知る関係者が苦笑する。

「なんのことはない、このベンチャーが危険な会社だということにようやく気付いて、とにもかくにも逃げ出したというのが、ことの真相ですよ」

 中古車のオークションサイトとして事業を始めたリミックスはその後、競争激化で事業転換に追い込まれる。更に16年10月には資金繰りが悪化し、香港企業に大規模増資を引受けてもらうことを決めた。

 だが上記の記事にもあるが、この増資、かなり不透明なのだ。「不正な資金確保の疑いがある」との噂がつきまとい、証券取引等監視委員会など関係当局が水面下で内偵調査に乗り出したほどだ。

 そうした流れの中で、國重氏は16年末、「経営責任を明確化する必要がある」として社長職を辞任した。関係者が明かす。

「リミックスでは國重さん以外の役員は辞めていません。何のための経営責任なのか、これでは投資家に伝わりませんね。國重さんは自らの著作がベストセラーになって、注目される存在になった。高給で社長職を引き受けたものの、怪しげな増資が当局の目に留まり、怖くなって逃げ出した。これが彼の突然の辞任劇の真相ですよ」

「頭取候補」との声もあったほどだから、國重氏は有能な銀行マンとして業界では有名だった。一方で、女性関係が派手など、エリートらしからぬ脇の甘さも目につく。著作では年末年始、妻とは別の女性と海外旅行していた事実を明らかにしているほどだ。

「経営が危ないリミックスは、最初から國重氏を『信用補完』のつもりで社長に据えた。その魂胆に、國重氏は元銀行マンだというのに気づくのが遅すぎた」(同・関係者)

 やはり銀行関係者からも、國重氏の甘さを指摘する声が強い。ところが皮肉なことに現在、リミックスポイントの株価は絶好調なのだ。仮想通貨の店舗決済サービスが好材料と受け止められているという。

 とはいえ、所詮は〝株のプロ〟が注目する話だ。株に全く手を出したことがないか、〝健全〟な個人投資家なら、國重氏の判断を──遅きに失したとはいえ──支持するに違いない。

(無料記事・了)

2017年2月10日

【無料記事】「ビール減・発泡酒増」酒税改革「サントリー政治力」

SUNTORY2017-02-10 13.31.45

 来年度の税制改正で、ビール類飲料の酒税を統一することが決まった。ビールの税額は下がり、発泡酒や『第3のビール』の税額は上がる。

 飲兵衛の間でも意見が分かれているが、一本化は「10年先」と時間をかけることも決まったこともあり、ビール4社の間でも明暗が分かれたのだ。そして業界の間では「ビールの取扱量が少ない『サントリー』の政治力にやられた」と怨嗟の声で溢れているのだという。

 自民、公明両党が決めた酒税の見直しによると、国際的にも高いビールの酒税を段階的に引き下げる一方、低い税率が適用されている発泡酒や『第3のビール』を3段階で引き上げる。

 これによって販売価格も変わってくるが、実際の税率改定は4年後に始まり、ビール類全体の税率は10年後に統一される――というのは、メディア報道の通りだ。

 ビール類の酒税見直しは、以前からの課題であった。ビールに対する日本の税率は国際的にも高く、国内各社は税率が低い独自の発泡酒や『第3のビール』を開発してきた。

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【写真】サントリー金麦公式サイトより
http://www.suntory.co.jp/beer/kinmugioff/index.html?fromid=top_mv1
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 海外ではこうした種類の酒は販売されておらず、日本だけでガラパゴス化した歪んだ競争が繰り広げられてきた。これによってビール各社の海外進出は遅れ、再編が急ピッチで進む国際競争から完全に取り残されている。

 しかし、ビール各社の思惑は、立場によって大きく異なる。ビールが強い『アサヒビール』や『サッポロビール』は早期の税率改定を求めてきたが、発泡酒が強い『キリンビール』や『サントリー』は税率改定に消極的だった。関係筋が明かす。

「サントリーは昨年10月下旬、安倍晋三首相や麻生太郎財務相、二階俊博・自民党幹事長ら要人を集めた説明会を開催しました。業界に影響の少ない形での税制改正を要請したとのことですが、結果としてはビールが弱く発泡酒が強いサントリーに好都合な『10年先』という条件の改正となりました。これが業界に波紋を投げかけたのです」

 別の関係筋は「税制改正要望は業界全体で行うことを申し合わせていたのに、サントリーは抜け駆けした」と憤る。

 一方で、サントリー関係者は「あの会合は毎年恒例で開催している。安倍首相を前に、『うちのために酒税の見直しを控えてほしい』などと要望するわけがないだろう」と反論する。

 ただ、『ローソン』からサントリーに転じてきた新浪剛史社長は、安倍首相が議長を務める経済財政諮問会議の有力メンバーだ。

 サントリーは発泡酒や『第3のビール』が、ビール類売り上げの7割を占める。それらが税制改定で大幅に値上がりすれば、打撃は大きい。

 サントリー関係者による強い反論にもかかわらず、業界では「サントリーは税率改定によるショックを最小限にすべく、必死で動いていた」という証言が相次いでいるのは事実なのだ。

(無料記事・了)

2017年2月1日

【会員無料】みずほFGの経営統合「リースと不動産」で暗闘

mizuho2017-01-31 18.13.28

 みずほフィナンシャルグループ(東京都千代田区大手町・証券コード8411)傘下の企業が新たに経営統合を模索し始めた。早ければ年内にも道筋をつけ、来年には実施という段取りを考えているようだ。

 経営統合を検討するのは、傘下リースの芙蓉総合リース(千代田区三崎町・8424)と興銀リース(港区虎ノ門・8425)。そして不動産のヒューリック(中央区日本橋大伝馬町・3003)と東京建物(同区八重洲・8804)である。

 みずほFGは2013年2月に『ONE MIZUHO』を掲げ、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の「旧3行による派閥争いをなくす」と宣言した。

 14年6月には委員会設置会社へ移行。社外取締役に就いた川村隆・元日立製作所会長から「グループ傘下企業がいくつもあるのはおかしい」と指摘され、銀行、証券、資産運用会社の統合を実施してきた。
 
 そして次に検討課題となったのが、まずリース会社である。グループ内には芙蓉総合リース、興銀リース、そして東京センチュリー(千代田区神田練塀町・8439)の3社がある。

 全社とも、みずほ系とはいえ、東京センチュリーの筆頭株主は伊藤忠商事だ。株式保有率は25%。「3社統合は簡単ではない」とし、芙蓉総合リースと興銀リースの経営統合を模索することになった。

 ところが、芙蓉総合リースと興銀リースは上場会社。「上場会社の社長や役員の椅子を手放したくない」として、両社の役員は統合を渋っていた。

 業を煮やしたみずほFGの佐藤康博社長は15年、FG副社長の辻田泰徳氏(旧富士銀出身)を芙蓉総合リースの社長に送り、16年6月にはみずほ証券の社長だった本山博史氏(旧興銀出身)を興銀リースの社長に就けるという〝荒療治〟を断行した。

※この記事は会員の方は無料です。会員ではない方は、登録をお願いします。
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【記事の文字数】1700字
【写真】みずほFG公式サイトより
https://www.mizuho-fg.co.jp/index.html
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2017年1月20日

「某大手証券」の「極秘レポート」推奨銘柄「一挙大公開」

gs2017-01-20 18.20.49

 某大手証券会社が1月、顧客向けに配布した極秘レポートを、弊誌は入手した。

 今年2017年に注目すべき社会現象と、その好影響が期待される銘柄を推奨している。恐縮ではあるが、証券会社の名前と、銘柄は以下の有料部分とさせて頂く。

 レポートの特徴としては、想定読者が海外機関投資家だということだ。国内外の個人投資家と、日本企業は対象になっていない。推奨している銘柄の数は、15前後というところだ。
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【記事の文字数】2890字
【写真】東証「株価指数リアルタイムグラフ – TOPIX (東証株価指数)」より
http://quote.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/real_index&QCODE=151
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2017年1月18日

経産省が「廣瀬・東電社長」更迭を決定して「新社長」の名

tepco2017-01-17 20.43.34

 東京電力と経済産業省の攻防が、遂に最終段階を迎えている。

 福島第一原子力発電所事故を契機として、経産省は東電の実質的な解体を目指してきた。その重要プロセスとして、東電の廣瀬直己社長を更迭する計画を立案し、実行に移す腹づもりなのだという。

 計画上ではあるが、既に新社長の具体的な名前も出ている。関係者が「新社長として名指しされたのは」と重い口を開く。
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【記事の文字数】2000字
【写真】東京電力ホールディングス公式サイト『動画・写真ライブラリー』より
http://www.tepco.co.jp/library/index-j.html
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2017年1月11日

東芝「債務超過回避」か──減損額を大予測

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 仕事納めが翌日に迫った2016年12月27日午前1時すぎ、NHKが「東芝の米国子会社が巨額減損」と報道。その日の夕方には、東芝の綱川智社長など経営陣が会見を行った。

「グループ会社ウェスチングハウス(WEC)の子会社『CB&Iストーン&ウェブスター(S&W)』ののれん代が数千億円規模にのぼり、一部または全額を減損する」と発表。NHKの報道を認めたわけだ。

 年末年始の東京株式市場は「トランプ相場」に沸いていたが、それでも東芝株は下落する。減損が明らかになる前の株価は443円だったが、当日に急落。12月29日には一時232円まで暴落し、年が明けた1月6日時点でも287円と発覚前より約35%安と低迷を続けた。

 そしていま、投資家をはじめ市場関係者は、「果たして巨額減損は実際いくらなのか」に注目する。同時に「債務超過への転落はあるのか」と固唾を飲んで見守っている。

 東芝の仕事始めとなった2017年1月5日、複数の記者から減損額を尋ねられた志賀重範会長は「確定していない。数字は言えない」と回答。いまだ市場の疑念を晴らすまでには至っていない。

 ならば取材過程で浮かび上がった事実を検証し、弊誌が減損額を予測してみよう。
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【記事の文字数】2000字
【写真】2016年12月27日に発表されたプレスリリース『CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について』
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20161227_2.pdf
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2016年12月6日

「櫻井翔の父」桜井俊「天下り先」三井住友信託「役員」内定

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 2016年6月、都知事選の出馬が取り沙汰され、誰も予想しなかった形で知名度が急上昇した人物といえば、総務省の桜井俊・前事務次官(62)だ。人気アイドルグループ『嵐』のメンバー櫻井翔の父親とはいえ、昼の情報番組で名前が連呼されるタイプでなかったことは言うまでもない。バリバリのキャリア官僚だったのだから、無名が普通なのだ。

 そんな桜井氏は9月、都知事選の時とは比較にならないほど小さな扱いで「天下り先」が決まったことが報じられた。ご記憶の方も多いだろう。代表的な新聞・通信社の9月30日記事の見出しを振り返っておく。

 朝日新聞は「桜井前次官が三井住友信託顧問に」と、やや素っ気ない印象。産経は「桜井パパが銀行顧問に 三井住友信託」とし、「パパ」に都知事選の余韻を含ませた。

 スポーツ紙も配信先である共同は「「嵐」桜井さんの父、銀行顧問に 前総務事務次官」と芸能ニュースとしても読める工夫を加えた。

 だが、この天下り人事が、様々な憶測を呼んだことは、意外に知られていない。その背景の1つとして、総務省幹部が大手民間銀行に天下りするのは、実は今回が初めてということがある。銀行天下りといえば、普通は財務省・金融庁を連想するはずだ。

 なぜ桜井氏は三井住友信託顧問に就任できたのか。信託での仕事は何か。この人事に秘められた「狙い」を読み解けば、都知事選出馬を「蹴った」真の理由も浮かび上がってくるのだという。霞ヶ関を自宅のように歩く〝ウォッチャー〟たちの鋭い分析を元に、レポートをお届けしたい。

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【購読記事の文字数】1900字
【写真】2015年7月、総務省事務次官に就任時の桜井俊氏(撮影 産経新聞社)
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「大成建設会長」が「経団連副会長」〝確定〟で「清水建設」の立場

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 来年の経団連(日本経済団体連合会)人事を巡り、建設業界が「異様な盛り上がり」(関係者)を見せているのだという。大成建設(東京都新宿区西新宿)の山内隆司会長(70)が建設業界としては初めて副会長に選出させる可能性が出ているからだ。
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【購読記事の文字数】1800字
【写真】15年12月、新国立競技場デザイン決定会見で、左から大成建設の山内隆司会長、梓設計の杉谷文彦社長、建築家の隈研吾氏(撮影 産経新聞社)
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【完全無料記事】「ファンラン」ブーム「博多屋台マラソン」登場

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(※この記事は完全無料です。会員登録は必要なく、末尾の「了」で記事は終わります)
「ファンラン」をご存じだろうか。「ラン=マラソン」大会ではあるのだが、一般的に5〜10キロと距離は短めに設定。タイムや順位は二の次、というより無視。逆にコスプレが参加条件だったり、コース景観を楽しむことを求められたり、と「ファン」に力点を置いたランニングイベントのことだ。

 例えば世界的人気の「カラーラン」は様々な色のパウダーを浴びせかけられながら、5キロのコースを走るというもの。日本では14年3月に千葉県で初開催されている。

 この密かなブームに、ならば「おらが街」のPRを行うため、ファンランを開催しようではないかという動きが出てくるのは、ある意味で当然だろう。

 12月17・18日の2日間、明治神宮野球場(東京都新宿区霞ヶ丘町)では「福岡しっとうとマラソン」が開催される。ちなみに「しっとうと」は方言。標準語では「知ってる?」ぐらいの意味だ。

 この大会で用意された「種目」は、

①1.25キロメートルのファンラン

②マラソン好きのための10キロラン

③2〜10人が交代で2時間走り続けるリレーマラソン

──の3つとなっている。

 こうした設定からして〝ストイック〟に走り続ける市民ランナーを対象にしたものではないことは明らかだ。

 走り終えれば、もつ鍋、ラーメン、やきとりなど福岡の屋台料理を堪能できる。もちろんアルコールだけでなく、スイーツも用意されている。つまり、この「ファンラン」は「博多グルメ」に力点が置かれているわけだ。

 先のカラーランを紹介した『日経トレンディネット』の記事は『粉をかけられて何がそんなに楽しいの!? ファンラン人気が拡大の予感』(14年8月5日)とのタイトルになっている。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140804/1059391/

 記事は「粉をかけられるのは楽しい」との結びになってはいるが、実はタイトル通りの疑問を覚える方も少なくないだろう。一方、こちらの「しっとうとマラソン」は博多の屋台グルメが主役。ストレートに「楽しい=ファン」ことは間違いない。

 この「しっとうとマラソン」では、スポーツスクールの運営や、スポーツビジネスのコンサルティングを行う「スクールパートナー」(渋谷区初台)が企画・運営協力を行っている。担当者の守屋佑樹・総合企画部・イベントグループリーダーに話を聞いた。

「ここ5年ぐらいファンランが地道に盛り上がっていまして、弊社も給水所に200種類のスイーツを用意するという『デザートビッフェマラソン』を開催しています。また弊社社長が福岡市出身でして、『福岡をもっとPRしたい』という同郷の会社経営者が集まる会合に参加しています。その席で『福岡グルメをPRできるイベントは何かないか』という話が出て、ファンランと結び付いた、というわけです」

 福岡をPRするイベントなのだから、地元自治体の後援は不可欠だ。守屋リーダーは自治体との折衝を行ったが、予想を越える「高評価」に驚いたという。

「福岡関連のイベントとはいえ、開催地は東京です。『開催地が他所ですから、関係ないでしょ』と断られる可能性も少なくないと覚悟していたんです。ところが皆さん『それは面白いね』と高い関心を示して下さいました」

 結果、福岡市と北九州市を筆答に、糸島市、宗像市、古賀市……と18の自治体が名を連ねることになった。「ファン」の部分に関して地元の〝お墨付き〟を得たというわけだが、守屋リーダーによると中でも特筆すべきは2点だという。

「まずランですが、何よりも神宮球場の中を走れるということです。なかなかチャンスがないということはご存じの方も多いと思います。グルメは全てに力を入れていますが、ラーメンが人気の『博多一幸舎』さんが出店して下さるほか、テレビ出演で話題になった川原浩史さんの『なんでんかんでん』が復活します。この2店のバトルは必食だと自信をもって断言できます」

 参加受付は12月9日の金曜まで。参加費は中学生以上が6000円。走り終えると1600円相当のグルメチケットがプレゼントされ、屋台ブースで使用できる。当日参加は受け付けていないので注意が必要だ。エントリーや問合せ先などが記載されている公式サイトは以下の通り。

http://shittouto.jp/

(了)
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【写真】公式サイトより
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