2017年5月16日

【無料記事】「共謀罪」でも防げぬ「複数パスポート所持」の大問題

2017-05-14 12.58.20

 日本が工作員天国と言われて久しい。この背景の1つとして、先に民進党・蓮舫代表の「二重国籍」があるのをご存じだろうか。

 世界には、国内出生者には自動的に国籍を付与する「出生地主義」を採る国が存在する。具体的にはアメリカ、カナダ、ブラジ、アルゼンチン、などといった国々だ。

 例えばアメリカでは、たとえ両親が日本人国籍であり、2人の親類縁者にさえアメリカ国籍を有した人間が存在しなくとも、妻がニューヨークで出産すれば、子供にはアメリカ国籍が与えられる。

 これを利用すれば、パスポートを2つ有することが可能になるのだ。

「そんなはずはない」と誰しも思うだろう。テロや不法移民の対策で、入管の規制はかつてないほど厳しくなっている。複数のパスポートを手に入れた瞬間、捜査機関に目を付けられないほうがおかしい──。

 だが先頃、池袋のパスポートセンターにこんな珍妙な問い合わせが寄せられた。

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【写真】法務省公式サイト「国籍の選択について」より
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06.html
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「友人に子供が生まれたのだが困っている。池袋のパスポートセンターで申請した子供のパスポートを取りにいきたいのだが、子供が海外にいて取りにいけない。子供が窓口に行かずになんとか受け取れる方法はないか?」

 パスポートは本人確認での手渡しが原則だ。乳幼児だろうと例外は認められない。やむなく本人が入院中であるなどの理由がある場合は、担当者がそこまで赴き、手渡しすることになっている。

 ところが、この子供はパスポートを所持していないにもかかわらず、海外にいるというのだ。どうやって日本を出国したのだろうか。海外で生まれた子供なら、領事館など現地の日本在外公館で申請し、受領するという方法がある。だが、この子供は池袋で申請したというのだ──。

 調査の結果、ミステリーの謎が解けた。この「友人」は、かつて中国籍を持ち、日本に帰化していたのだ。

 そして親は中国と日本のパスポートを2通所持。子供は中国のパスポートだけを持っていた。親の帰化に伴い、子供にも日本のパスポートを与えようと池袋で申請したのだが、事情があって中国に帰る必要が生じた。そのために親は日本のパスポート、子供は中国のパスポートで出国した。

 国籍法に詳しい関係者は、「2国のパスポートを持つことを合法とは言えませんが、違法というわけでもないのです」と説明する。

「日本人を例にとりましょう。アメリカで生まれた日本人は、アメリカと日本の二重国籍になります。22歳までに国籍を選択する必要がありますので、日本国籍を選んだとします。ではアメリカのパスポートを返納しなければ、日本のパスポートを取り上げられるかというと、そんなことはありません」

 蓮舫代表のケースでも垣間見えたが、そもそも二重国籍の人間が、国籍を1つに選ぶのはまだしも、もう1つを「離脱」する手続きを行うかは任意というのが実態だ。

 ちなみに検索すれば、二重国籍だった日本人が、外国籍を離脱した経験を綴ったブログを見つけることができる。相当に大変な作業のようだ。これで怖気付く人がいても、全くおかしくない。

 話を元に戻せば、少なくとも日本において、2つのパスポートを保有していることの法的罰則は存在しない。国籍法で「日本国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言」を行えと定めているだけだ。日本とアメリカで連絡を取り合い、「2つのパスポートを所持していないか」などとチェックするシステムも存在しない。

 よって、二重国籍の人間なら、2つのパスポートを取得することは比較的、容易なのだ。それにしても、これだけテロ対策で世界的に入国管理が厳しくなっているご時世に、ずいぶんと世界はザルな制度を運用しているものだ。パスポートというシステムが制度疲労を起こしていると見ることは可能だろう。

 それにしても、ある時は中国人、ある時は日本人、と成り済ますことが可能なのだから、スパイにとっては──民間ベースの産業スパイであっても──極めて優先順位の高い関心事となる。

 更に深刻なのは偽造パスポートの問題だ。偽造において最重要なのは、パスポートの素材だ。複数のパスポートが容易に発行しうる状況では、完全な本物という、またとない素材が闇市場に流出するリスクを増加させてしまう。

 実例もある。1987年に発生した大韓航空機爆破事件で、金賢姫ら北朝鮮籍の実行犯らが日本の偽装パスポートを所持していたことは記憶に新しい。彼らがどのようにして偽装パスポートを作成したかといえば、本物を無断借用したりしている。

 スパイという極端なケースでなくとも、特に日本との二重国籍は〝権益〟に喩えられるほど旨みがあるという。フィリピンやタイなど、東南アジアに詳しい関係者が指摘する。

「日本国籍が憧れの対象となっているのは、日本の医療制度が充実していることも大きい。最先端の医療が、これだけ安い値段で受けられる国は、世界のどこを探しても他にはない。つまり日本人であることは、世界一幸せだということを意味する」

 日本人と結婚し、帰化を目指そうとする動きが生じるのも納得だ。おまけに国籍法が禁じているとはいえ、母国の国籍を喪失しなくても済む可能性さえ残されている。チャレンジする価値は充分にあるだろう。
 
 更に驚愕の事実もある。さるブラジルの邦字新聞の社長は次のようにして現地記者を確保しているという

「ブラジルで就労ビザはなかなかおりない。だから、うちの記者は日本から来て、現地の女の子と結婚して子供をつくっちゃうんだ。子供はブラジル国籍が取れるから。そうすると、親もブラジル国籍が取れる。就労ビザよりもそれが一番早い」

 これも日本国籍を喪失しないという安心感があってのことなのは間違いない。

 再び〝スパイ〟の話に戻れば、先頃、暗殺された金正男氏も、ずいぶんと偽造パスポートで日本に入国していた。日本における不法入国の「水際対策」に疑問を抱かれても不思議はない。共謀罪やらテロ対策を声高に謳う前に、まずは足下のガードから守ってはどうだろうか。

(無料記事・了)

2017年5月15日

【無料記事】PTA役員「人材難」で「入学式軟禁事件」多発中

pta2017-05-11 15.32.54

 大阪出身のAさんは、在京の一部上場企業で広報部に在籍している。子供が通う、ある中学校のPTA会長まで務めている。

「ほとんどPTAの会議には出られませんね。最初は母親たちから半ば押し付けられる格好だったんですが、長男の内申点にもそれなりの影響があることがわかり、次男が卒業するまでは引き受けるつもりです」

 相当に邪な動機で会長職を続けるAさんだが、何があっても出席する必要がある行事は入学式だという。

「会社には『入学式だけは、どうか……』とお願いして、時間を確保しています。ただ、どうにも気が重いのは、会社で半休を取ることではないんです」

 入学式の時期といえば、働く人間にとっても年度初めだ。半休といえども取得には気を使いそうだが、それよりも大変なことなどあるのだろうか?

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【写真】『平成28年度優良PTA文部科学大臣表彰被表彰団体一覧』より
http://manabi-mirai.mext.go.jp/assets/files/H26PTAjirei/syouchuu.pdf
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「うちの中学校では入学式が終わったその場で各クラスのPTAの役員決めをするんですが、終わるまで逃げられないように体育館の扉を閉めてしまい、役員が決まったクラスから入学式の記念撮影をするんですよ。いわば、子供も親も軟禁状態にするんです。こんなやり方、あまりにも稚拙で、ほとほと嫌気が差すんですが、お母さん役員からは『こうでもしなければ役員は決まらない』『先に入学式の写真を撮ってしまったら、仕事を理由に親たちは逃げてしまう』などなど理由をならべ、一向に改善されないんです」

 Aさんの子供が通う中学校は、世田谷区に隣接する郊外に建つ。しかしながら、これはAさん周辺の話ではなく、全国の〝スタンダード〟となりつつあるという話だそうだから、驚きだ。

 どんなに多忙な親でも、子供の入学式だけは調整してやって来る。その時とばかりに体育館に軟禁し、役員が決まるまでは入学式の写真を撮らせないという作戦。賢いと言えるのかもしれないが、今や戦後70年。国際化教育の必要性が叫ばれる日本社会で行われている〝儀式〟と考えれば、親でなくとも泣けてくる。

「でも、その作戦が成功すればいいですけど、失敗することも少なくないんですよ。結局は何十分も全員が押し黙ったままということも珍しくありません。その時は『じゃあ、くじ引きで選びましょう』と提案するんです。だったら最初からくじ引きでやればいいだけの話じゃないですか」

 そもそも論で言うのなら、PTAの参加は任意だ。それが体育館に軟禁するという乱暴さはPTAの精神からはあまりにもかけ離れている。

 PTA会長たるA氏も、それで憤りを感じている。ならば、PTA会長らしく、この悪慣行を是正すればいい。いや、是正するべきだ──そう問うと、A氏はこう答えた。

「子供の内申点に響きますから、それは無理ですね。私はお飾りでいいんです。子供も生徒会長ですしね。公立校への進学には、とにかく内申点確保が最優先ですから。そつなく、波風を立てず、流していけばいいんです。そもそも母親役員に担ぎ上げられているだけで、会長をやりたくてやっているわけでもないですしね。全ては子供の進学のためです」

 かつてのPTA会長といえば大学教授だったり、地元の名士だったりと、それなりの人物が就くことも珍しくなかった。だが、こんな世界にも「人材難」の波は押し寄せ、今では上場企業に勤務する普通のサラリーマンでもありがたがられる時代だという。

 そして、なぜ人材難が発生したのかという根本理由について、A氏は声を潜めながら解説する。

「そもそもですね、社会的に立派な人のお子さんは、私立の中学に通っています。公立には少ないですよ。近所の小学校なんかじゃ、不動産屋など自営業の父親とか、時間を融通しやすい人ばかりがPTA会長に祭り上げられていますからね」

 昨今、PTAが必要か、不必要かという議論も盛んなようだが、もう結論が出ているような気がするのは弊誌だけだろうか。

(無料記事・了)

2017年5月10日

【無料記事】「明治の墓」も「個人情報保護法」の対象にした「谷中霊園」

yanaka2017-05-09 11.36.30

 東京・谷中霊園は、都内有数の桜の名所として知られる。上野公園からも至近という霊園は、今春も並木道ではソメイヨシノが満開となり、往来の目を楽しませた。

 霊園としての知名度や〝格〟は雑司ヶ谷や青山と並ぶ。いずれも東京都が管理しているが、実際の業務は都の外郭団体である公園協会に任せられている。各霊園で働いている現場職員は、東京都公園協会の職員、というわけだ。

 例えばゴールデンウィークの陽気に誘われて、谷中霊園の付近まで散策したとする。その時、「そういえば、ここに恩師の墓があったんだ」「遠い親戚だけど、墓は谷中霊園じゃなかったっけ?」と思い出したとしよう。

 中に足を伸ばしてみると、霊園は広大だ。どこに目指す墓があるのか、皆目検討もつかない。とすると、多くの人々が管理事務所に向かうのではないだろうか。

 だが訊ねてみても、職員の回答は決まっている。「お教えできない決まりになっております」なのだ。理由は「個人情報保護の観点」だという。作り話ではない。筆者自身が実際に経験したことだ。

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【筆者】下赤坂三郎
【写真】都立霊園公式サイトより「谷中霊園・園内マップ」
https://www.tokyo-park.or.jp/reien/park/map073.html
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「故人」の墓が「個人」情報の保護とは……ダジャレはこれぐらいにして、個人情報保護とは対応を面倒に思った窓口が口実に使ったのかと思いきや、所長でも回答は同じだった。

「私どもはあくまでも東京都から管理を委託されていますので、東京都の指示があればお墓の有無はお教えできます。東京都と交渉していただけませんか」

 筆者が「なぜ教えられないのですか?」と質問しても、結局のところ公園協会が明白な回答を用意しているはずもない。精一杯苦悩し、最後は東京都に下駄を預けてしまった。

 都庁の幹部に問い合わせると、次のような回答だった。

「情報開示請求を行って頂けませんか。開示の決定が出れば、対応せざるを得ません」

 結果は、案の定。存否応答拒否──。東京都では国が定めた個人情報保護法に準拠した運用準則によって、故人の墓が霊園にあるかどうかさえ、ないかどうかさえ、答えない、というわけだ。

 筆者にとって墓参は仕事というと大げさだが、取材の一環として訪ねたいと思っていたのだ。都の対応が、あまりにも興味深いので情報開示請求を行ってしまったが、改めて墓参を希望する理由を説明してみた。

「私が情報開示を求めたのは、谷中霊園ができた直後、明治時代に建てられたお墓ですよ。すでに亡くなって100年以上が経っている方の墓があるかないかが個人情報保護とはどういう了見でしょうか?」

 意味ある回答を都が行うはずもないので、先に進もう。では都立霊園をはじめとする公営霊園は、墓の有無や所在地を教えるケースはあるのだろうか。答えは1基の墓につき1人の問合せだけには応じる。それは墓の管理者だ。

 墓の管理者とは要するに、管理費を納入する者のことだ。具体的には故人の子供か孫といったところだろう。この管理者以外は、たとえ故人の妻だろうが、きょうだいだろうが、全ての問合せに対して「存否応答拒否」と決まっている。

 公営霊園では現在、管理者と連絡の取れなくなった墓の整理が喫緊の課題となっている。団塊の世代など第1次ベビーブーマーが急速に高齢化し、墓地の供給が追い付かないのだ。

 その一方で、たとえ管理者も死亡して連絡が取れなくなったとしても、せめてきょうだいや親類縁者からの問合せに開示するようにすれば、無縁仏・無縁墓の増加に歯止めがかけられるはずだ。

 だが現実は、血の繋がったきょうだいでも、親類でも、問い合わせても答えない。なのだから、管理者と連絡が取れなくなったら、親戚を探そうなどと考えてもいないのだ。これでは本来、無縁ではない墓でさえ、無縁墓と化していくのは当然の流れだろう。

 皮肉なことに、都立霊園の管理事務所は「存否応答拒否」を貫く一方で、霊園に眠る著名人の墓所一覧は用意している。私は厭味の質問を、都庁の課長にぶつけてみた。

「この著名人名簿は、個人情報保護法が成立する前から用意しておられましたよね。故人の生前に、掲載の許諾は得られたんですか?」

 課長は「ご遺族からはもらっているはず、ですが……」と答える。私は質問を重ねる。

「そうでしたら、承諾書の有無だけを情報開示請求してみましょうか。あると仰ったのですから、当然ながら存在するという回答になると思いますが」

 課長は黙して答えない。私は続ける。

「谷中霊園の著名人一覧には、ここに、ある殺人事件の犯人の墓も紹介されていますね。当時は世相を賑わしたということですが、となると殺人事件の犯人遺族からも承諾書を取った、ということになりますね?」

 やはり課長は黙して答えない。

(無料記事・了)

2017年5月9日

【無料記事】日中「貧富逆転」で「中国人妻」離婚急増

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 群馬県のある農家で起きた悲劇である。今年、70歳になる野菜農家の主は、突如、妻からこんな罵声を浴びせられた。

「わたしのほうが貧乏になっちゃったじゃない」

 農家としての経営は悪くはない。農閑期には旅行にも行き、結婚してから25年、女房孝行はそれなりにしてきたつもりだった。国際結婚。女房は中国の農村から出てきた。それなりに幸せな家庭を築いてきたつもりだった。

 当初は日本語が不自由だった女房も、子供が産まれて保育園に預けるようになった頃から、子供と同じペースで日本語も上達し始めて、細かな意思のやりとりもできるようになっていった。

 やはり周辺に嫁いできた中国人花嫁やフィリピン人の花嫁ら外国人女房たちとも適度に交流し、すっかり日本での生活も板についたはずだった。

 変化が訪れたのは数年前──。

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【写真】中華人民共和国の国旗
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 中国にいた女房の家族らが時折、東京や福岡に「爆買い」ツアーに来るようになった。結婚当初はずいぶんと仕送りもして、電化製品なども折に触れて送っていたが、いまや中国の経済成長は著しく、ついに日本人消費者をしのぐ経済力を蓄えるに至ったのだ。

 かつては十人単位で遊びにきたことがあった女房の親兄弟たちも、今となっては来日しても群馬まで立ち寄ることはなくなった。ツアー旅行のゆえに自由行動ができないためだと思っていたが、女房の叫びを聞けば、事情は違っていた。

「うちが貧しいからよっ。こんな貧しい農家に嫁いだってバカにされてるのっ」

 そこで初めて、中国の農家であった女房の親兄弟は、農村開発によって土地成金となり、いまや都会並みの豊かな暮らしをしていることを知ったのだった。

 あるとき以来、女房はことあるごとにこう言い出す。

「あたしばっかり貧しくなっちゃったじゃない。あたしばっかり貧しいじゃない。こんなに貧乏になっちゃったじゃない」

 もちろん、農家ゆえの労働の辛さがあるとはいえ、決して貧しくはない。トヨタホームで建てた二重サッシの我が家に、家内専用のクラウン アスリートもある。農家としては豊かなほうだと思ったが、中国からの成金ぶりを知らせる便りに、女房はすっかり、日本の農家での生活を「都落ちした貧しいもの」と見るようになってしまったのだった。

 今年に入り、突きつけられたのが「離婚」だった。

 女房はまだ50代だが、夫はすでに70歳。再婚などは、もはやかなうまいと考え寂しくなったが、子供はすでに独立して東京で暮らしている。いずれは農家も自分の代で終わりにしようと考えていたので、なじられ続けるのにも疲れ、同意した。

 日本での生活がすっかり板についていた女房が最後に口にしたのは「ザイサンブンヨ」なる言葉だった。

 結婚してから25年間、働いた分として貯金の半分を寄越せといわれ、しぶしぶ、3000万円を渡すと、女房は去って行った。

 東京にいる子供からの連絡で、その後「元」女房は中国に帰り、株への投資などで大もうけしていると知った。

 その後、あるときのことだった長野の総合病院に行った折、かつてやはり中国人花嫁をもらった農家の主人と偶然にもロビーで顔を合せた。

 聞かれる前にと思い「実は離婚して」と切り出すと「こちらも」という話になった。聞けば、当時、中国に出向いて見合いしたうえで嫁いできたもらった中国人花嫁たちが、今、大挙して故郷・中国へ戻っていっているのだという、そんな話を聞かされた。

 彼女たちのなかでは、ついに「豊かな中国、貧しい日本」になり、かつて日本に来たときのように、富める場所へと移動していったのだろうと納得した。

 中国人花嫁も今は昔。日本を捨てて去って行く。残されるのは、ひとり、年上の日本男子ばかりなり。

(無料記事・了)

2017年4月12日

【無料記事】沖縄で「ハブ&コブラ」の「琉球コブラ」誕生の恐怖

okinawa2017-04-10 11.20.39

 熱帯の楽園・沖縄で、初めてその恐怖の報告がもたらされたのは1992年。場所は本島北部──。

「沖縄島の本部半島東部では、1992年から1994年にコブラ属Najaのヘビが出没し、地域住民に恐怖をもたらしている。」(沖縄生物学界誌98年)

 沖縄県衛生環境研究所ハブ研究室を中心とした大規模な、しかし密やかな捕獲調査の結果、実際にタイコブラ(Naja kaouthia)が捕獲されたことで、沖縄県でも北部の、とりわけ山間部の住民たちは、やはり、と恐怖に震えたのである。

 その危険性を、観光を主要産業に据える沖縄県が大きく訴えることはなかった。

「県はいわんさー。観光客が怖がるからねー。ただでさえ観光客が減ってるのに、怖がることはいわんさー。でも、ハブなんかは怖くないさー。怖いのはコブラとか、台湾ハブとか。血清がないのさー。それに、どうも混血がおるのよー」(地元関係者)

 コブラの生息が確認されてから25年が経ち、沖縄北部の山中では、沖縄産のハブと、台湾産コブラの自然交配が懸念され、ついに新種の琉球コブラが誕生したというのだ。別の関係者が言う。

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【写真】沖縄県公式サイト「ハブ対策の方法」より
http://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/hoken-chubu/eisei/kankyoeisei/33habu/habu.html
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「あれは、ハブではないよ、絶対に。わしらはハブは見間違えんからさ。沖縄のハブは奄美と比べても大きくて、緑が強いんさ。それで、緑色で大型で、それでクビをあげとるんよ。卵みたいに広がった襟みたいなのに、白っぽい模様もあったからさ」

 ハブの展示やコブラのショーなどを行う沖縄ワールドの担当者によれば、通常、ハブの攻撃範囲は体長の1・5倍。ただ、トグロを巻いていない状態では飛びかかれないため、攻撃態勢にないハブは、首さえ押さえてしまえば扱いやすい。

 だが、かま首をもたげたコブラは「ハブと違って、視覚を使って攻撃してくる」ので、素人では捕獲が難しいのだ。

 ハブとマングースの戦いは、現在、動物愛護法の改正で禁止され、沖縄本島では、ハブの最大生息地とされる北部の山間部で、蛇の駆徐目的で持ち込まれたマングースそのものが大量に繁殖しているとされる。

 ところが、マングースは、天敵であるべきハブや、そしてもっともその対抗効果が期待されるコブラに対して、自然界ではまったく向かっていかないのだという。

 現地でタクシー運転手をしながら、2年近くに亘って、このハブラの行方を追い続けている人物が話す。

「住民らも、4月の田芋を植える季節になると、あったかい気候で活発になったハブを相当目撃するんさ。でもそれに紛れて、首の立ったハブとコブラのあいの子見たいなのを目撃しとるんさ。北部ではハブラみたいな混血が相当、数が増えとるのは常識さ。でも、沖縄のひとは蛇には慣れとるからね。訊かれなければなんもいわんさー」

 地元住民のA子さんに連れられ、琉球コブラと遭遇した場所まで案内してもらうことにした。

 場所は、沖縄県による過去の調査でも、もっともコブラの目撃例が多かった、本部半島伊豆見地区。かつて日本軍と、上陸してきた米軍との激しい戦闘に見舞われたその山中で、今は人知れず、血清のない琉球コブラが繁殖しているというのだ。

 咬まれたときのダメージを防ぐため、新聞紙をまるめて、すねに巻きつけ、その上にGパンを履いた。そのためか、足取りは重い。

 目撃したというガマ(洞窟)は、すでに夏場に差し掛かり、背丈ほどに伸びた下草にその行く手を阻まれ、容易に近づくことができない。

 その草の合間、どこから台湾産のコブラ、そして2メートルにも達する沖縄産の巨大ハブ、そしてその2種が混合した、生物兵器さながらの猛毒蛇がこちらを睨んでいるともしれない。

 あと100メートル……50メートル……斜面の脇には小さな水の流れがあり、下草はその湿潤な環境で、さらに丈を伸ばしている。

 先導する地元住民のA子さんは「咬まれても血清はないさー」と呪文のように小さな声で呟きながら、黙々と先へと進む。

 からだ全体を覆う緑色の草の下には、陽は届かない。直射日光を嫌う蛇にとっては、日差しの強い沖縄の日中を過ごすには最適の場所だ。そして、川沿いのじめっとした空気があごをなでる。

 いつ咬まれてもおかしくない──片道30分。目撃の地点まで、これまでの人生でもっとも時間の流れが遅く感じられたのだった。

 捕獲に向け、北谷の大型釣り具店「シーランド」へと向かった。

 数々の網を物色し、もっともヘビ捕獲に適していると目をつけたのが、大型のアナゴ捕獲用の網だった。

 そこに、豚肉など餌を入れて設置しておけば、おそらくコブラが活動するといわれる夜間に捕獲できるに違いない。いまだかつて多くの目撃例はあれども、誰も捕獲に成功したことのない琉球コブラである。

 猛毒性であることは間違いないが、しかし、その牙や体の形状など、不明なことばかりだ。

 かつての県のコブラ捕獲調査でも、従来のハブ捕獲用の器具では対応できないという指摘もあった。網の設置そのものにも恐怖が募る。

 それに、あの高い草が生い茂る恐怖の湿地帯に再び踏み込むのはどうしても避けたい。長い10メートルロープの束をいくつか抱えてきた。

「これに結んで、草むらに入らずに、放ればええねんな」

 かくして、夕方、日暮れときに、作戦は決行されたのだった。どんな餌を好むのか、それさえ不明だった。川べりでティラピアの腐肉を呑みこんでいたという情報もあった。
 
 魚の肉を好むのかもしれない。できるだけ臭いの強いものをと、小間切れの豚肉と、そしてサンマのぶつ切りを網に放り込み、そして、ロープをくくりつけて、川岸沿いの湿潤な場所に放り込んだ。

 翌朝、おそるおそるロープを引き上げてみると、網には何も入っていない。2日目、成果なし。3日目、成果なし。

 結局、捕獲どころか、対面さえ叶わなかった。それにしても、いったい、このコブラの繁殖と、そして、コブラとハブの合体を許した原因は何なのか。ある研究者の次の言葉が背筋を凍らせる。

「80年代から90年代にかけて、観光客のためにマングースと闘わせようと持ち込まれたコブラが、観光業者のところから逃げだしたのが原因だと言われています。業者のところではコブラ同士の繁殖も行われていて、それで、輸入された個体数以外に逃げだした個体数が把握できないんです」

 地元ホームセンターでは、住民たちの命を守るための兵器、ハブノックなる商品が棚に並んでいるが、このハブノック、5メートル先まで直線で殺蛇成分が噴霧されるツワモノだ。しかしながら、人類にとっての〝最終兵器〟さえ、琉球コブラに効果があるのかは未だ不明である。

(無料記事・了)

2017年3月30日

【無料記事】「GI保護制度」「地域団体商標制度」意外な〝危険性〟

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 GIマークというものを、ご存じだろうか。

 非常に簡略化して説明すれば、「地域の特産農作物などで、国が本物だと保証するマーク」ということになる。

 地域で長年培われた独特の生産方法や、気候・土壌・風土などの生産地特性を背景に、高い品質や評価を獲得するに至った農作物や商品が、全国には数多くある。その名称などを知的財産として保護していこう、というわけだ。

 わが国では2015年6月から施行された「地理的表示法(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)」に基づき、農林水産物・食品に係る地理的表示、つまりGIマーク制度の運用が開始されている。

 具体的には「あおもりカシス」「丹波牛」「神戸ビーフ」「夕張メロン」「鳥取砂丘らっきょう」「三輪素麺」など、20品目以上が登録済みだ。

 マークは写真の通り、大きな日輪を背負った富士山と水面をモチーフに、日本国旗の日輪の色である赤や伝統・格式を感じる金色を使用している。

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【写真】農林水産省公式サイトよりGIマーク
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/gi_mark/
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  この制度における特徴は、不正使用の事案が確認された場合、農林水産大臣から除去命令等の措置命令が発出されることだろう。

 実はGI制度自体は中国、韓国、インドなど100か国以上が導入しているという。日本は保護国との輸出入において、互いに産品を保護する方向を目指している。農水省は3月、タイと法規や保護運用などの情報交換を実施すると発表した。

 一方で、地域団体商標制度という似たものがあることもご存じだろうか。

 こちらの管轄は特許庁。ブランド産品などを保護しようと2006年4月より実施されている。地域ブランドの育成に際し、比較的早い段階で商標登録を受けられるようにしたのが主な特徴だ。

 特許庁発刊の「地域団体商標事例集2017」によると、「十和田湖ひめます」「横浜なまこ」「鴨川温泉」「小豆島オリーブオイル」など、2016年末現在で598件が登録されている。

 とはいうものの、農作物などで〝村おこし〟を目指す人々には、正直なところ、「どっちも似たように見えて、よく分からない」と悲鳴を上げてもおかしくないだろう。そこで地域ブランドの知的財産権問題に詳しい、白坂一・弁理士にGI制度と地域団体商標との違いについて解説を依頼した。

「GI制度は、地域の共有財産を保護する制度であり、地域団体商標制度は地域ブランドの名称を『商標権=出所表示』として登録し、その名称を独占的に使用できるようにしたものです」

 キーワードは「独占的」だ。そのため地域団体商標を取得し、更にGIマークを申請するとなると、要注意の重要ポイントがあるという。

「地域団体商標を取得した組合などは、独占的な権利を有しているわけです。一方で、GIマークの取得をすると、そのブランド産品は地域の共有財産となってしまいます。せっかく地域団体商標で得た商標権の行使が不可能になってしまう危険性があるのです」

 GIマークの申請時には、もう1つ〝罠〟があることも肝に銘じなければならない。

「どのような製造、または加工が必要か、その特色を的確に記載して申請しなければ、どんな地域でも、どんな人でも生産できてしまいます。保護してもらうつもりが、逆に参入障壁を下げてしまう結果になりかねません。申請書類の作成は、慎重の上にも慎重を期す必要があるでしょう」(同・白坂弁理士)

 なんのことはない、GI制度には、地域団体商標で取得した権利を弱体化させる側面も存在するのだ。

 しかしながら、こうした問題点を生産者に対処させるのは、本来的には間違いだ。日の丸ブランドを効果的に保護するためにも、国の〝交通整理〟が求められている。

(無料記事・了)

2017年3月29日

【無料記事】「レギンス騒動」の「ユナイテッド航空」が「映像選択ミス」

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【写真】機内で上映された硫黄島の戦いに関する映像(関係者撮影)
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 米ユナイテッド航空が3月26日、レギンスパンツを着用した複数の少女(※編集部註 3人や2人などの報道あり)の搭乗を拒否したため、ソーシャルメディア上で炎上。海外メディアを中心に報道が相次ぐ事態となっている。

 AFPやワシントン・ポストなどによると少女たちはコロラド州のデンバー国際空港で行きの飛行機に乗ろうとしていた。そこで、搭乗口の女性職員が少女らに対し、レギンスを着替えるかレギンスを覆う服を着なければ搭乗を拒否すると伝えたという。レギンスをはいていた別の少女1人は着替えた(※同 5人のうち3人が着替えたとの報道もある)ため搭乗を許可されたという。

 なぜ、レギンスを履いたら駄目なのか?

 ユナイテッド航空の担当者はワシントン・ポストに対し、「一般の乗客はレギンスやヨガ用のズボンをはいていても搭乗は拒否されない」としながらも、「従業員向けの特典の利用者は規則に従う必要があり、レギンスのような服装は規則で認められていない」と説明したという。だがソーシャルメディアではユナイテッド航空に対し性差別的な措置だとの批判も上がっている。

 ユナイテッド航空といえば、実は弊誌の関係者も、なかなか興味深い〝騒動〟に巻き込まれている。利用したのは25日。便名はUA873。関係者が登場したのは成田からグアムの間だ。関係者が呆れ顔で言う。

「離陸後、シートの全面に設置されているモニターを見ると、映画などの映像コンテンツが、たったの3番組しかありませんでした。おまけに、それらの番組は全て、硫黄島での記録映像だったんです」

 内容は、アメリカ軍の戦闘記録。関係者が首をかしげながら再生してみると、しばらくするうちに映像は生々しくなっていったという。

「日本人兵士が捕虜となる映像、日本人兵士がバラバラ死体となっていたり、焼け焦げたりする映像など、相当にショッキングなものが、延々と流されていました。成田発ですから当然ながら、乗客の日本人率は決して低くありません。にもかかわらず、映像コンテンツに関しては選択の自由がなく、硫黄島の戦闘記録を延々と見せるわけですから、明らかに常軌を逸したサービスでした」

 ユナイテッド側も問題を把握したのか「機械の都合で、3本の映像しか見せられない」と釈明の機内アナウンスを行った。しかしながら、次はグアムという行先から、日本人の老夫婦や子供の乗客も目立っていた。彼らは機器の操作に慣れていないため、停止方法が分からず、延々と映像を見続ける姿も見受けられたという。

「周囲を見渡したのですが、日本人乗客は不快な表情を隠そうとしていなかったですね。なぜ、アメリカに向かう飛行機の中で、米軍に日本人兵士が殺される姿を、3時間半にもわたって見せられなければならないのだ、と」(同・関係者)

 レギンス騒動と重ね合わせると、ユナイテッドに何か〝異変〟が起きている気がするのは弊誌だけではないはずだ。サービス面の劣化だけでも利用者は不快だろうが、これが安全面に波及するとなると──考えただけで恐ろしい話となる。

(無料記事・了)

2017年3月22日

【無料記事】日本版NSCトップの「コンサル会社」に批判

taniuchi2017-03-22 15.51.27

 国家安全保障会議、いわゆる日本版NSCの初代局長で、内閣特別顧問を務める谷内正太郎氏(73)が、自らコンサルタント会社を設立していたことが、関係者の証言などで明らかになった。

 谷内氏は現在、代表取締役から退き、後任に妻が就いているが、安全保障分野のトップに対して「公私混同」を危惧する声が上がっている。

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【写真】内閣官房公式サイトより
http://www.cas.go.jp/
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 問題のコンサル会社は株式会社・谷内事務所。会社登記によれば、所在地は東京都千代田区麹町2丁目で、資本金は100万円。設立目的は「外交政策や企業経営に関するコンサルタント業務」のほか、「国際情勢に関する調査分析、評価」「書籍・印刷物の企画、製作、出版、販売」「各種講演会、セミナー等の企画」……などとなっている。

 民間調査会社のレポートなどは存在せず、詳しい経営実態は不明である。

 設立は2008年4月で、谷内氏が外務事務次官を退官した約3か月後だ。民間人になることを踏まえて活動のベースを築いたとみられるが、外務省顧問や内閣官房参与の肩書を持っていた時期でも、代表取締役にとどまっていた。この点が「兼業禁止」のルールに抵触していた可能性も否定できない。

 さすがに良心の呵責があったのだろうか、NSC局長となる14年1月の直前に、妻のいほり氏に代表取締役の座を譲っている。

 ただ、会社の存在そのものがアキレス腱になりかねない――と複数の関係筋は指摘するのだ。外務省の元幹部はこう言う。

「失礼ながら奥様はダミーであり、今でも実質的に谷内さんの会社であることは明明白白です。エリート外交官として長年にわたり外交機密や国家機密に触れ、現在はそれらを掌握する立場にある谷内さんが、営利を目的とする法人に携わることが、果たして適切と言えるでしょうか。職務上知り得たことを会社の業務に生かして利益を得ているとすれば、重大な背信行為となります。場合によっては犯罪にもなり得る。資産管理会社のような位置づけであっても、誤解を受けないように会社を整理するか、第三者に譲渡するのがあるべき姿だと思うのですが」

 貧しい環境で育った「苦労人」として知られる谷内氏。その反動か、上昇志向が非常に強く、かつて複数の週刊誌に「元KCIAエージェントと親密交際が発覚」などと報じられ、キナ臭い人脈も浮き彫りになっている。

 外務省時代の元同僚は「安倍晋三首相の側近として舵取りを担う以上、『李下に冠を正さず』の言葉を忘れてはならないはずだ」とクギを刺すのだが……。

(無料記事・了)

2017年3月17日

【無料記事】「赤坂で神戸山口組と住吉会が睨み合い」の真相

kobeyamaguchi2017-03-16 23.12.36

 3月16日、日刊ゲンダイは『暴力やめて多数派工作 山口組抗争が“アピール合戦”に突入』の記事を報じた。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201478

 この中で、3月14日に都内赤坂で「東京・赤坂でヤクザ70人が睨み合った」ことを伝えている。「捜査事情通」氏のコメントを一部、引用させて頂く。

<対立したのは神戸側の中核組織『山健組』の傘下団体と『住吉会』の2次団体。みかじめ料や債権の回収などシノギに関するトラブルが原因とみられています。気になるのは住吉側が60人なのに対して神戸側はわずか10人だったこと。赤坂は住吉の本部がある街とはいえ、神戸側の10人は少なすぎる気がします>

 これからゲンダイは「東京では六代目山口組優勢」との結論を導き出したのだが、別の事情通は異議を唱える。

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【写真】ウィキペディアに掲載されている「神戸山口組の大紋」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E7%B5%84
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「ゲンダイの報道で正確なのは『山健組と住吉会』という対立の部分だけで、睨み合いの原因を『シノギに関するトラブル』と書くなど、いかにも曖昧です。真相は、さる山健組の最高幹部と住吉会が巨額のシノギを共に行ったのですが、住吉会側が報酬を支払わなかったということにあります」

 事情通氏は「金額も聞いていますが、それは勘弁して下さい」と言う。

「ですから人数の違いに意味はありません。山健側は幹部個人のシノギで起きたトラブルですから、そもそも大勢で行く必要がない。一方の住吉会は本部が赤坂ですから、60人程度の動員をかけるのは何の造作もありません」

 山健組には「掛け合いは複数で行うな」との教えがあるという。

「ヤクザの用語で交渉事を『掛け合い』と言うのですが、山健組の交渉は、相手が何人いようとも、単独で相手に向かうのが決まりです。万が一、殺されたとしたら、組は必ず報復します。だからこそ組員は1人で相手の前に立つことができますし、相手側もそれを分かっています。山健組の人間が1人で来ても、危害を加えるようなことはしません。こういうことでも、山健組の〝威光〟が維持されるというわけです」(同・事情通)

 ゲンダイが報じた「神戸側10人」は赤坂のとあるホテルの前で待機していたのだが、教えの通り、掛け合いには1人で向かったという。

「この事件が、大きな抗争に発展することは100パーセントあり得ません。山健組と付きあいのある親分が仲介に入り、間もなく解決するはずです。そして、住吉会が報酬を支払っても、山健組の幹部は仲介してくれた親分と、自分の親分に全て渡してしまうはずです。だからこそ幹部として人望を集めているというわけです」(同・事情通)

 全額を渡してしまうというのは、さすがにもったいない──市井の人間なら、そう思う向きが圧倒的多数だろう。どんな組織にあっても、やはり幹部というのは大変なようだ。事情通氏は「そういう幹部が脇を固めているからこそ、山健組トップ、井上邦雄組長のカリスマ性も際立つわけです」と指摘する。

(無料記事・了)

2017年3月13日

【無料記事】VSマリカーで「任天堂」思わぬ敗北

mario2017-03-13 10.07.51

 2月24日、ゲーム会社大手「任天堂」(京都市南区上鳥羽鉾立町)が、公道でのカートツアー会社「マリカー」(東京都品川区北品川)に対し、著作権違反および不正競争防止法違反を理由に東京地裁に訴えた。

 このマリカー社は、任天堂の人気ゲーム「マリオカート」の人気キャラクターであるマリオやルイージのコスチュームを海外観光客等に貸与し、そのコスチュームのまま公道をカートで走るサービスを提供している。任天堂とマリカー社資本金で比較をすると、任天堂100億円に対しマリカー社は1億9850万円巨人と小人のような関係だが訴訟は意外な方向に向かった。

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【写真】マリカー公式サイトより
http://maricar.com/
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 任天堂からの提訴から約2週間後、3月7日時点でも、未だに東京都港区付近では海外観光客が嬉しそうに走行する姿や、その姿を微笑と共に撮影するギャラリーを目にする。

 マリカーのサービスは、任天堂が考案したマリオやルイージのブランドを利用するサービスであり、仮にライセンスを受けていないのであれば、マリカー社は厳しい訴訟での闘いとなりうる、のが常識のはずだ。

 当初マリカーは任天堂からの訴訟に対しこのような声明を発表していた。

<このたびは、世間をお騒がせしていること、はじめにお詫び申し上げます。
任天堂株式会社様より、当社に対して訴訟が東京地方裁判所に提起した旨のニュースリリースの発表がありました。僭越ながら、現在の報道には事実とは異なる内容があるのですが、突然の対応に追われ、私どもの方から事実関係をご説明する機会が十分にとれず申し訳ございませんでした。

私たちは、私たちのサービスが、任天堂様に対する不正競争行為及び著作権侵害行為には該当しないと判断した上で、サービスを提供してきました。

公道カートレンタル事業者の中には、任天堂の許可無く勝手に模造された衣装を販売、レンタルしているなどの悪意のある業者もあり、任天堂様と協議した矢先のことであり、大変困惑しております>

 突然の訴訟に、マリカー側が動揺している様子が伝わってくる。任天堂の法務は業界内でも手ごわいという評判で「ドンキーコング」や「テトリス」などのソフトで訴訟をおこし賠償金や差し止めを獲得している。

 この時点で、弊誌は白坂一・弁理士に取材を行っていた。専門家としての見解は、以下のようなものだった。

「マリカーのサービスは大変、魅力的ではありますが、許諾なくホームページにてマリオの姿での宣伝をしていますし、仮に公道で事故などがあった場合は、『マリオ』のブランドが毀損、もしくは毀損する可能性があります」

〝ガリバー〟たる任天堂が法的措置に踏み切ったのは、法人としてのマリカーや、その代表取締役から損害賠償を得ることが目的ではない。自身のブランドを毀損されるリスクを低減させ、マリオブランドを守ることを重視したのだと分析する。

「任天堂は、スマホゲームの利用により、WiiUのソフトが低迷していましたが、ニンテンドウクラシックミニ、スマホゲームのスーパーマリオランのリリース、そして、3月3日新発売のニンテンドースイッチの発売など、ガンガンと攻勢をかけています。さらに、本業のゲームに注力しつつも、ウォルトディズニーのようなキャラクタービジネスをしっかり堅調に伸ばすビジネスモデルの構築を意識されていることもあり、この度の訴訟提起に踏み切ったと思われます。」(同・白坂一弁理士)

 しかしここで予期せぬことがおこる。マリカー側の圧倒的不利と思われていた状況がマリカーの商標登録を止めることができなかったのだ。

 マリカー社は、2015年に商標「マリカー」を出願し、登録済み。16年9月に商標登録出願を文字で「MariCAR」と、図柄の2件を出願しており、独自の知的財産権を保有した形になっている。任天堂はこの商標権「マリカー」に対して、取り消すための異議申し立てを提起したが、この異議申立は却下されてしまったのは報道でご存じの方も多いだろう。

 この予期せぬ結果にマスコミも大慌てでニュースの続報を報道しはじめた。最強の任天堂を相手にマリカー社はどう立ち回ったのか。

「商標の類似は、通常、商標同士の、①『呼び方=称呼』、②『見た目=外観』、③『イメージ=観念』が似ているかどうかで判断されます。任天堂の商標『マリオカート』とマリカー社の『マリカー』は、『マリ』が共通していますが、それ以降の呼び方が違うこともあり非類似と判断され、マリカー社の商標権は維持されました。任天堂は、商標権を無効にするための無効審判などを別途、検討していると思われます」(同・白坂弁理士)

 実は商標においては最近大きな判決がだされている。3月6日、最高裁判所において、スイスの高級時計ブランド「フランク・ミュラー」に類似するとされていた腕時計「フランク三浦」の商標が有効であるとする判決が確定したのだ。

「これは、消費者が腕時計を購入しようとするとき、『フランク・ミュラー』の商標と『フランク三浦』の商標とは混同が生じないと判断されたわけです。このような最高裁が数日前にでたことで、パロディ製品に独自の商標権を認める傾向は今後強く、マリカー社の商標権もこのまま維持されるかもしれません」(同・白坂弁理士)

 商標権はあくまで「マリカー」という標章を権利として認めただけであり、マリオカートのブランドや著作権の使用を認められたわけではない。

 マリカーというサービスが、任天堂の著作権違反や不正競争防止法違反になるか否かは、マリカー社のサービス内容を具体的に立証し、審理した上でから決まることになるが、特にマリオの著作権を利用しているか否かが、審理のポイントになりそうだ。

 マリカー社は、マリオカートをリアルに実現することで海外観光客を楽しませている。しかし、訴訟提起を受け、このまま闘うのか、それとも任天堂のライセンス許諾を得てマリオカートの類似ビジネスを展開するのか、もしくは自社の新たなブランドで展開するか今後の行方に注目される。

(無料記事・了)

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