【無料記事】松山英樹と池田勇太の差──国内プロスポーツの低い実力と意識

matu2017-02-13 13.01.50

 2016年の男子ゴルフ賞金王は池田勇太(31)に決まったことを、どれぐらいの方が覚えているだろうか。既にお忘れの向きも少なくないに違いない。

 獲得賞金額は2億790万円。今季は平均ストローク、平均パット数、バーディー率でもトップとなり、『日本ゴルフツアー機構(JGTO)』のMVPにも選出された。押しも押されもせぬ「第一人者」として称賛したいところだが、残念ながら、とうてい手放しで褒めるところにはいっていない。

 米国を主戦場とする松山英樹(24)はなんと、すでに始まっている今季、米ツアー2試合で約2億5000万円を稼ぎ、池田の年間賞金額を軽く超えてしまったのだ。日米の賞金格差はあまりに大きい。
 
 格差は賞金額だけではない。米ツアーの合間を縫っての帰国時に、『日本オープン』『三井住友ビザ太平洋マスターズ』などで松山は他を寄せ付けず、当たり前のように優勝して米国へ帰っていく。

 圧倒的な実力差を見せつけられ、日本ツアーはしらけるばかりである。

 

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【写真】レクサス特設サイトの松山英樹選手(中央)
https://lexus.jp/brand/hideki_matsuyama/profile/press.html
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 松山ら多くの一級線が欠場したリオ五輪でも、池田は〝健闘〟して21位、片山晋呉(43)は54位。これが、順当な国内ツアー組の「実力」ということなのであろう。

 想起させられるのは、日本におけるラグビーブーム「終焉」の苦い記憶である。
 
 国内では早稲田、明治、慶応を中心とする大学ラグビー人気や、新日鉄釜石、神戸製鋼の連覇に沸き、サッカーでは埋めることのできない国立競技場のスタンドを満員にしてきたラグビー人気があった。

 だが、そのラグビー人気が一気にしぼんだのは、1995年ワールドカップ南アフリカ大会で、17―145で大敗したニュージーランド戦がきっかけであった。世界の実力を知り、日本の小ささを知り、ドメスティックな勝敗に一喜一憂していることにラグビーファンたちが虚しさを覚えたからだ。

 松山が活躍すればするほど、国内ツアーを見る気分が失せる。

 同じことは、ダルビッシュ有(30)や田中将大(28)が米国に去り、大谷翔平(22)も近い将来のメジャー入りを目指すプロ野球にもいえるだろう。ダルビッシュは「ここ(日本のプロ野球)にいては進化がない」と言って渡米した。

 松山と池田らの差はこれにとどまらない。

 国内ツアーでは、有名選手らがギャラリーに対して怒声をあげるシーンを良く見かける。サインの求めにも横柄な態度で応じず、にらみつける選手が少なくない。

 松山の帰国時に驚かされるのは、彼のサインに応じる時間の長さである。決して愛想があるわけではないが、気持ちは伝わる。プロ野球では、オリックスから大リーグに移った長谷川滋利が同じ内容のことをインタビューで発言している。大リーグでは「絶対にサインを断るな」と教育を受けたが、そんな指導は日本のプロ野球では行われなかった、と。

 これでは格差は広がる一方である。

(無料記事・了)